短編まとめ

あるのーる

文字の大きさ
上 下
24 / 125
アイドルたちの裏事情

4(完)

しおりを挟む
「はぁ……やっぱり格好いい……」

 公式ブロマイドなんてものまで出るようになったDAWN。当然のように買い込み手に入れたミキのブロマイドをうっとりと眺める俺。
 少しの休息期間を挟んだDAWNはさらに磨きがかかり、俺ですらライブチケットが取れないことも増えてきた。残念だが喜ばしい。代わりにこうしてグッズを眺める時間も増えたが、これはこれで幸せなものだ。

「なぁハルぅ……写真ばっか見てねぇで俺も見ろよ」
「今はミキを見る時間だから」
「ほんとお前の認識わかんねぇな……」

 後ろで文句を言う美樹也は、すっかりベッドを我が物顔で占領している。正直なところわざわざこうして無視をするのは、構えと俺にちょっかいをかけてくる美樹也が可愛くて、という最低な理由もあった。
 俺の望み通り後ろから抱き付いてくる美樹也。スケジュールに余裕を持たせるようになったため、明日美樹也がオフなことも知っている。今日もお互いへとへとになるほどセックスをしようとけしかけてくるかな、と俺もその気になり始めた時だった。

「ハル。陽人。あのさ、たまには外で、その……デート、みたいなのもしてみてぇ」
「デート?」
「ああ……だめか?」

 俺の首に顔をくっつけながらもごもごという美樹也に溜まらず振り向いてキスをする。

「んぅ!?」
「っは……もちろん! なんだ、美樹也はセックスにしか興味ないんだと思ってた」
「俺をなんだと思ってやがんだてめぇ!……いいのか?」
「そりゃ恋人とはデートしたいよ!……あぁ、でも、絶対にミキだとバレないようにしてね。いつも通りの美樹也でいればバレないと思うけど、一応ね」
「ガチオタ……めんどくさ……」

 ため息をつく美樹也を俺からも抱きしめ、二人で顔を見合わせて明日の予定を立てる。結局美樹也が「ケツが疼く」といってセックスすることになったのだが、どちらも手加減したため明日に響くことはなさそうだ。
 デートなんて初めてだな、と行きたい場所をあれこれ浮かべる俺は、どうにも普通の恋人のように過ごすことも楽しみにしているようだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

処理中です...