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スライム姦 1
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スライム姦、というものがある。スライムと呼ばれるものには色々あるが、「姦」と後ろに付く場合に指すのは一般的に軟体生物であるスライムに身体中をあれこれされる、というある意味夢のような行為だ。
しかしこの世にそんな都合の良い意思を持ったスライムがいるはずもなく、あってゲル状のものをシリンジで中に詰め込んで排出させる、くらいが関の山だろう。そう、生命体を生み出せるような技術がなければ、だ。
「それで、健助にはこの『キメちゃん27号』を体験してみて欲しいんだけど」
「凄い震えてるんだが大丈夫か? それ」
秀太が両手を掲げた上には、溢れんばかりのまさに「スライム」が乗っていた。うっすら青色をしたそれは、弾力のありそうな表面をブルブル震わせ波打たせている。
いつもの俺なら物を確認したらなんだかんだと文句をつけつつすぐに諦めて服を脱ぎ始めただろう。しかし、今回ばかりは聞いておきたいことがあった。
「……秀太。俺はそれの見た目と名前に覚えがあるんだが……」
「あ、覚えてる? 昔健助が体験した『キメちゃん5号』の進化版だよ!」
「…………やっぱりかぁ……」
キラキラとした秀太の返答に、がっくりと項垂れる俺。青くぷるんとしたものを見て俺が思い出すのは、俺の童貞&処女喪失の日のことだった。
隣に引っ越してきた秀太に一目惚れし仲良くなろうとアタックをかけていたあの頃の俺。笑顔のまま無反応という秀太の人見知り全開な対応にもめげず毎日のように話しかけていた甲斐あってかなり秀太と親密になれた俺は、中学生になったときやむなく旅行へ行くことになってしまった秀太のお願いで研究室(という名の秀太の部屋)にいる秀太の友達(という名の人工生命体)に数日餌やりに行くことになったのだ。
そして俺は、秀太の説明曰く「気持ちに寄り添い静かに話を聞いてくれる可愛い友達」という触れ込みだったため特に警戒もせずにスライム、もといキメラのキメちゃんと対面した。
今考えれば、もっと注意を払っていれば俺の童貞も処女も奪われることは無かったと思う。だがあの時の秀太は今みたいにエロいものを作ってはいなかったためそういう方面の警戒はしていなかったのだ。
というか、あの時から秀太の研究方針が曲がっていったような気がする。それまではリアルな鳥のロボットだったり舐めるところころ味が変わる飴だったりしたのになんで変わったんだ。
まぁなんにせよ、全くの無防備な状態でキメちゃんの入ったケースをうっかり開いたまま背を向けてしまった俺は秀太が旅行から帰ってくるまでの3日間、キメちゃんに前も後ろもめちゃくちゃに弄られてしまったのだった。
そんな苦い記憶を掘り返してちょっとだけ後ずさりする俺に、秀太は不思議そうな顔で両手を突き出してくる。
「どうしたの健助。あ、もしかして昔みたいに俺が止められないのを心配してる? 安心してよ! 調整に調整を重ねて俺の心の奥底にある希望を尊重するようにしたから、俺がキメちゃんに飲み込まれても止めることはできるよ!」
「そういう心配をしてるんじゃねぇんだよなぁ!」
止める止めないというよりも体を開発され切った状態であの快感を受けることに対して恐れを抱いているのだが、それが秀太に理解されるはずもなかった。秀太はと言えば俺に乗り気になってもらおうとうきうきとした様子で新しく習得したキメちゃんの特技、『擬態』を披露してくる。
硬度はまだまだだが形や色はそっくりに、理論上はなんにでもなれると秀太は興奮気味に語る。その手にはバイブに変形したキメちゃんが握られており、ブインブインと左右に揺れるのを見て俺はもっと他にその凄さを表現できる形があっただろう、と心の中でツッコミを入れた。
とはいえこうしてグダグダしていても時間の無駄だ。しばらく額に手をあてて気持ちを切り替え、薄ら青い塊に目を向けた。
「……お手柔らかに頼むぜ、キメちゃん」
「……」
「俺の腕の中でこんなにうち震えて……うん! キメちゃんも嬉しそうだよ!」
「……そうなのか……?」
スライムに感情があるのかという俺の疑問はさておいて、いつの間にか抱き枕ほどに大きくなったキメちゃんを抱きしめニコニコとしている秀太は可愛い。
しかしこの世にそんな都合の良い意思を持ったスライムがいるはずもなく、あってゲル状のものをシリンジで中に詰め込んで排出させる、くらいが関の山だろう。そう、生命体を生み出せるような技術がなければ、だ。
「それで、健助にはこの『キメちゃん27号』を体験してみて欲しいんだけど」
「凄い震えてるんだが大丈夫か? それ」
秀太が両手を掲げた上には、溢れんばかりのまさに「スライム」が乗っていた。うっすら青色をしたそれは、弾力のありそうな表面をブルブル震わせ波打たせている。
いつもの俺なら物を確認したらなんだかんだと文句をつけつつすぐに諦めて服を脱ぎ始めただろう。しかし、今回ばかりは聞いておきたいことがあった。
「……秀太。俺はそれの見た目と名前に覚えがあるんだが……」
「あ、覚えてる? 昔健助が体験した『キメちゃん5号』の進化版だよ!」
「…………やっぱりかぁ……」
キラキラとした秀太の返答に、がっくりと項垂れる俺。青くぷるんとしたものを見て俺が思い出すのは、俺の童貞&処女喪失の日のことだった。
隣に引っ越してきた秀太に一目惚れし仲良くなろうとアタックをかけていたあの頃の俺。笑顔のまま無反応という秀太の人見知り全開な対応にもめげず毎日のように話しかけていた甲斐あってかなり秀太と親密になれた俺は、中学生になったときやむなく旅行へ行くことになってしまった秀太のお願いで研究室(という名の秀太の部屋)にいる秀太の友達(という名の人工生命体)に数日餌やりに行くことになったのだ。
そして俺は、秀太の説明曰く「気持ちに寄り添い静かに話を聞いてくれる可愛い友達」という触れ込みだったため特に警戒もせずにスライム、もといキメラのキメちゃんと対面した。
今考えれば、もっと注意を払っていれば俺の童貞も処女も奪われることは無かったと思う。だがあの時の秀太は今みたいにエロいものを作ってはいなかったためそういう方面の警戒はしていなかったのだ。
というか、あの時から秀太の研究方針が曲がっていったような気がする。それまではリアルな鳥のロボットだったり舐めるところころ味が変わる飴だったりしたのになんで変わったんだ。
まぁなんにせよ、全くの無防備な状態でキメちゃんの入ったケースをうっかり開いたまま背を向けてしまった俺は秀太が旅行から帰ってくるまでの3日間、キメちゃんに前も後ろもめちゃくちゃに弄られてしまったのだった。
そんな苦い記憶を掘り返してちょっとだけ後ずさりする俺に、秀太は不思議そうな顔で両手を突き出してくる。
「どうしたの健助。あ、もしかして昔みたいに俺が止められないのを心配してる? 安心してよ! 調整に調整を重ねて俺の心の奥底にある希望を尊重するようにしたから、俺がキメちゃんに飲み込まれても止めることはできるよ!」
「そういう心配をしてるんじゃねぇんだよなぁ!」
止める止めないというよりも体を開発され切った状態であの快感を受けることに対して恐れを抱いているのだが、それが秀太に理解されるはずもなかった。秀太はと言えば俺に乗り気になってもらおうとうきうきとした様子で新しく習得したキメちゃんの特技、『擬態』を披露してくる。
硬度はまだまだだが形や色はそっくりに、理論上はなんにでもなれると秀太は興奮気味に語る。その手にはバイブに変形したキメちゃんが握られており、ブインブインと左右に揺れるのを見て俺はもっと他にその凄さを表現できる形があっただろう、と心の中でツッコミを入れた。
とはいえこうしてグダグダしていても時間の無駄だ。しばらく額に手をあてて気持ちを切り替え、薄ら青い塊に目を向けた。
「……お手柔らかに頼むぜ、キメちゃん」
「……」
「俺の腕の中でこんなにうち震えて……うん! キメちゃんも嬉しそうだよ!」
「……そうなのか……?」
スライムに感情があるのかという俺の疑問はさておいて、いつの間にか抱き枕ほどに大きくなったキメちゃんを抱きしめニコニコとしている秀太は可愛い。
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