催眠アプリ ~淫らな常識を植え付けられた男たち~

あるのーる

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精悍な警察官、植え付けられた市民の平和を守るための卑猥常識

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「ん……?あれは……人?」

 ある肌寒くなってきた日の夜のこと。パトロールをしていた私は、暗い公園に不審な男が立ちすくんでいるのを見かけた。
 この街の交番に配属されて早5年。これといった事件もなく、街は至って平和である。
 そして、私の警察官としてのキャリアも5年だ。新人として配属されたばかりのころは手際が悪く、先輩の手を借りることも多々あった。情けない姿も見せてしまい、かなり頼りない警察官だったことだと思う。
 しかし近隣住民の皆様の温かさもあり、今では後輩を指導する立場にまでなれた。私の成長を見守ってくださった方々とは親密さも育んでおり、顔見知りも少なくない。通学中元気に挨拶してくれる小学生たちなど微笑ましい限りだ。
 そんな皆様を護るため、事件が起こらないよう事前に察知するのも警察官の仕事だろう。ちらりと視界の端に写った違和感を放置せず、Uターンして公園へと戻る。入り口近くの駐輪場に乗っていた自転車を停めて静かに歩み寄ってみれば、変わらず男は深夜だというのに何することもなくただ立っていた。
 ちょうど公園にある街灯の側にいるため、目を凝らせばうっすらと顔が見える。あれは確か、昨日交番に道を聞きに来た茂部という名の男だったはずだ。
 道を聞きに、といっても、実のところ私は答えていない。それというのも「ここへ行きたい」とスマホを差し出されたのだが、画面には何かぐるぐるした画像が表示されるばかり。地図が表示されるでもなく、私はしばらくその画像を見せられていただけだったのだ。
 結局そのまま彼は立ち去ったため何をしたかったのか分からず頭に引っかかっていたのだが、こうなると疑惑が湧き上がってきてしまう。

「こんばんは。ちょっとお時間、いいですか?」

 できるだけ明るく、親しげに声をかける私。近付いてみればやはり茂部さんで、あちらも私の姿に気付くとにっこりと笑顔になった。
 パツパツにはち切れんほど引き伸ばされたシャツに、裾が解れたよれよれのスウェットパンツ。暇さえあれば筋トレをする私としてはもう少し痩せたほうがいいのではないだろうか、と思うほどふくよかな茂部さんは、警戒する訳でもなく向こうからも私の方へと歩み寄ってきた。

「ああ、甚野じんのさん。約束通りきてくれたんですね……!」
「? 約束、とは?」
「あんまり反応なかったからどうかなって思ってたんですよ。いやぁ、ちゃんと効いてるようでよかったよかった」
「……?」

 だが、目の前で立ち止まった茂部さんはにやにやと私を眺めまわし、何やら意味の分からないことを呟いている。私が声をかけても無視。やはり、何やら様子がおかしい。
 何かあってからでは遅いと会話にならぬ会話をしながら、私は気取られぬようにひっそりと茂部さんの全身に視線を巡らせる。

「っ!」

 すると、なんということだろう。茂部さんは何食わぬ顔で危険物を見せびらかしていた。
 服の下に隠れてはいるが、その膨らみまでは隠しきれていない。得た違和感は間違っていなかったのだ。
 当然、このまま見過ごすわけにもいかないだろう。

「茂部さん……これについて、説明していただけますか」

 キッと表情を険しくし、茂部さんに詰め寄る私。
 その間にも危険物を取り出せないよう、私の手は膨らみーー茂部さんの股間へと伸ばされた。
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