催眠アプリ ~淫らな常識を植え付けられた男たち~

あるのーる

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むちむちマッサージ師、全身を使ってのご奉仕マッサージ

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「いらっしゃいませ! ご予約のお客様ですね、お待ちしておりました!」

 駅から少し離れた雑居ビルにある、住居の内部を改装して作られた小ぢんまりとした店。清潔感を強調するように白で統一されたここは僕が個人で経営しているマッサージ店だ。
 師匠の下を離れて早数年、色々と苦労はあったが今はそれなりに上手く軌道に乗っている。お客さん一人一人の状態をしっかり把握したいという僕の想いからスタッフは僕一人であり、その為に一日に受け入れられる人数も多くはない。しかしその分丁寧に接客することを心掛けているため、ありがたいことにリピーターになっていただけることがほとんどだ。
 今日も朝から予約表を確認し、客が来る時間に合わせてベッドの準備。雑談しながらのマッサージ、昼休憩を挟んで午後の施術、と忙しなく動いているうちにあっという間に閉店時間になってしまった。

「あのー」
「あ、すみません。今日はもう店はおしまい、で……」

 ドアの前に出ている看板をしまおうと扉を開けると、ちょうど店に入ろうとしていた男と鉢合わせになる。客同士がバッティングしないよう必ず予約をお願いしており、これ以降に誰かがやってくるということはなかったはずだ。
 小太りで着ているシャツもパツパツになっている中年男性は見覚えがなく、しかし頭の奥がツキンと痛む。疲れたのかな、と考えつつ愛想笑いをしながら扉を閉めようとすると、男は何やらスマホの画面を見せてきた。
 その中でぐるぐると回る画像を見ていると、頭がぼんやりと靄がかかったように霞んでいく。玄関先でしばらくそうして向き合って立つこと数分、ハッと気を取り戻した僕は慌てて扉を大きく開いて男を出迎えた。

「申し訳ありません、お待ちしておりました茂部さん! どうぞ中へお入りください!」
「どうもね。今日も頑張ろう」
「はい、ご指導よろしくお願いいたします!」

 それなりに人の顔を覚えるのは得意な僕だが、どうやら本当に疲れがたまっていたらしい。この人、茂部さんは僕のマッサージの師匠とは別の『特別なマッサージの指導をしてくれる』人。そんな『もう一人の師匠』の顔をド忘れしていたなんてどうかしている。
 カレンダーにも今日茂部さんが来るとは書いていなかったが、きっとうっかり書き忘れたのだろう。茂部さんが店に入ったところで改めて看板を終い、玄関のカギを閉めた僕。
 茂部さんが来た場合、『営業時間終了後に3時間、茂部さんに指導を請う』ことになっているため、集中するために誰かが入ってこられないようにしないといけない。
 ごそごそと準備をしている茂部さんに僕も準備をし、早速マッサージルームに入っていった。
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