2 / 10
ダメ男の話
しおりを挟む
「……嘘でしょ!? あの人が浮気した挙句に子供まで作っていたなんて!」
「……」
「ねぇ! スリムトは本当は何処へ行ってるの!? 仕事なんて嘘なんでしょ!」
使用人が重い口を開け、私へ話した事はスリムトが愛人の家へ行っているという事だった。
普段から仕事と表し嘘を吐き、父上が贈った屋敷へ遊びに行っているらしい。
しかも、その事は父上も知らないそうだ。
「全くもう……行くわよ。案内して頂戴」
「行くって何処に……もしかして、お屋敷へですか!?」
「それ以外ないでしょ、それとも何か問題でも?」
スリムト、貴方がどんな生活をしようと、私がそれを邪魔するつもりはありませんでした。
ですが、貴方が仕事と偽って浮気をし、挙句に子供まで作る様な人なら……今までの関係を見直す必要がありそうです。
それが貴方の為にもなるのですから。
「その……旦那様が浮気して子供がいたとなると、マルセーニャ家の名に関わると思いまして」
「だからこそよ。浮気を原因に離婚すれば、父上にもスリムトの周りにいる人にも迷惑が掛かるわ。そうならない様に穏便に済ませたいの。まぁ、今更スリムトを許そうとは思わないけどね」
「そうですか……分かりました。準備してきますね」
浮気の調査がバレない様に変装し、馬車に乗り向かったのは、浮気の現場である屋敷。
私の家に比べれば小さいけれど、それでも立派なお屋敷ではある。
仕事の為と言って手に入れた屋敷で、浮気した挙句に子供を作るだなんて……。
屋敷の前で暫く待つと、浮気相手の女が堂々と現れ、表にあった馬車に乗り込んでしまった。
「あの服装は平民よね。なのに、あんな立派な馬車に乗ってるなんて……後をつけて頂戴」
バレない様にコッソリと、浮気した人が何処へ向かうのか調査する。
すると……彼女はとんでもない所に向かっていた。
「嘘でしょ!? スリムト以外とも浮気をしているっていうの!?」
浮気相手の女が着いたのは、とある貴族の屋敷。
そこの主人であろう人が、浮気相手の女と馬車を降りたのを見てしまう。
あまりのショックで気絶しそうになり、私の頭は真っ白になった。
「そんな……うそでしょ……今日は結婚して一周年の大事な日なのに、スリムトはあんな女と浮気してたなんて……」
スリムトが今日という大事な日に家にいれないのも、仕事があるから仕方ないと思っていた。
せめて、仕事から帰って来た夫を労わろうと、その為に準備をしてきた。
それなのに……こんな光景を見る事になるなんて……。
「……」
「ねぇ! スリムトは本当は何処へ行ってるの!? 仕事なんて嘘なんでしょ!」
使用人が重い口を開け、私へ話した事はスリムトが愛人の家へ行っているという事だった。
普段から仕事と表し嘘を吐き、父上が贈った屋敷へ遊びに行っているらしい。
しかも、その事は父上も知らないそうだ。
「全くもう……行くわよ。案内して頂戴」
「行くって何処に……もしかして、お屋敷へですか!?」
「それ以外ないでしょ、それとも何か問題でも?」
スリムト、貴方がどんな生活をしようと、私がそれを邪魔するつもりはありませんでした。
ですが、貴方が仕事と偽って浮気をし、挙句に子供まで作る様な人なら……今までの関係を見直す必要がありそうです。
それが貴方の為にもなるのですから。
「その……旦那様が浮気して子供がいたとなると、マルセーニャ家の名に関わると思いまして」
「だからこそよ。浮気を原因に離婚すれば、父上にもスリムトの周りにいる人にも迷惑が掛かるわ。そうならない様に穏便に済ませたいの。まぁ、今更スリムトを許そうとは思わないけどね」
「そうですか……分かりました。準備してきますね」
浮気の調査がバレない様に変装し、馬車に乗り向かったのは、浮気の現場である屋敷。
私の家に比べれば小さいけれど、それでも立派なお屋敷ではある。
仕事の為と言って手に入れた屋敷で、浮気した挙句に子供を作るだなんて……。
屋敷の前で暫く待つと、浮気相手の女が堂々と現れ、表にあった馬車に乗り込んでしまった。
「あの服装は平民よね。なのに、あんな立派な馬車に乗ってるなんて……後をつけて頂戴」
バレない様にコッソリと、浮気した人が何処へ向かうのか調査する。
すると……彼女はとんでもない所に向かっていた。
「嘘でしょ!? スリムト以外とも浮気をしているっていうの!?」
浮気相手の女が着いたのは、とある貴族の屋敷。
そこの主人であろう人が、浮気相手の女と馬車を降りたのを見てしまう。
あまりのショックで気絶しそうになり、私の頭は真っ白になった。
「そんな……うそでしょ……今日は結婚して一周年の大事な日なのに、スリムトはあんな女と浮気してたなんて……」
スリムトが今日という大事な日に家にいれないのも、仕事があるから仕方ないと思っていた。
せめて、仕事から帰って来た夫を労わろうと、その為に準備をしてきた。
それなのに……こんな光景を見る事になるなんて……。
1
お気に入りに追加
306
あなたにおすすめの小説

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

危害を加えられたので予定よりも早く婚約を白紙撤回できました
しゃーりん
恋愛
階段から突き落とされて、目が覚めるといろんな記憶を失っていたアンジェリーナ。
自分のことも誰のことも覚えていない。
王太子殿下の婚約者であったことも忘れ、結婚式は来年なのに殿下には恋人がいるという。
聞くところによると、婚約は白紙撤回が前提だった。
なぜアンジェリーナが危害を加えられたのかはわからないが、それにより予定よりも早く婚約を白紙撤回することになったというお話です。


地味令嬢を馬鹿にした婚約者が、私の正体を知って土下座してきました
くも
恋愛
王都の社交界で、ひとつの事件が起こった。
貴族令嬢たちが集う華やかな夜会の最中、私――セシリア・エヴァンストンは、婚約者であるエドワード・グラハム侯爵に、皆の前で婚約破棄を告げられたのだ。
「セシリア、お前との婚約は破棄する。お前のような地味でつまらない女と結婚するのはごめんだ」
会場がざわめく。貴族たちは興味深そうにこちらを見ていた。私が普段から控えめな性格だったせいか、同情する者は少ない。むしろ、面白がっている者ばかりだった。
神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました
青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。
それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。

【完結】婚約破棄される未来見えてるので最初から婚約しないルートを選びます
21時完結
恋愛
レイリーナ・フォン・アーデルバルトは、美しく品格高い公爵令嬢。しかし、彼女はこの世界が乙女ゲームの世界であり、自分がその悪役令嬢であることを知っている。ある日、夢で見た記憶が現実となり、レイリーナとしての人生が始まる。彼女の使命は、悲惨な結末を避けて幸せを掴むこと。
エドウィン王子との婚約を避けるため、レイリーナは彼との接触を避けようとするが、彼の深い愛情に次第に心を開いていく。エドウィン王子から婚約を申し込まれるも、レイリーナは即答を避け、未来を築くために時間を求める。
悪役令嬢としての運命を変えるため、レイリーナはエドウィンとの関係を慎重に築きながら、新しい道を模索する。運命を超えて真実の愛を掴むため、彼女は一人の女性として成長し、幸せな未来を目指して歩み続ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる