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ゴトゴトゴトと絶え間ない振動が伝わってくる。
私は今、マンドルガのモールゾ大森林地帯を騎獣の引く車に揺られている。箱型のランドー型の馬車に似た作りで、乗客は向かい合わせで座る仕組みだ。ただ、大きな違いはその大きさである。中はロワさんでも頑張れば乗れそうなくらい広々としていた。座席はクッション素材でできているが、まだまだサスペンションに改善の余地があるらしく振動がバッチリ伝わってくる。
はじめこそ振動にアワアワしていたが、今は寝られるくらい慣れた。
そう、私は現在、帝国の首都であるエスファジュルへ向かう旅の途中である。帝国領の最北地であるマンドルガを出発してもうすぐ一ヶ月になる。針葉樹林ばかりであった森に落葉樹が混じり始め、晩秋の最期の輝きを見せていた。紅や鼈甲色に染まる森は美しかったが、夜になると寒さで身が震えるほどだ。
この世界の旅は、はっきり言ってキツイ。一行の中で一番手厚くされているとはいえ、ほとんど野営である。今回は長期間の旅であることから、流石に男性も天幕を張って休んでいる。元の世界のキャンプを想像している皆様、現実はそんなに甘くないのですよ。天幕を張ってもらっても、寒いものは寒い! どうして冬にさしかかったこの季節に移動しなければならないのか……。寒さのため、毎日沢山の毛皮に埋まるようにして眠った。天幕にはユズルバさんが付き添ってくれていて、寒さの厳しい夜には焼いた石を布で何重にも包んだ行火あんかを足元に入れてくれた。彼女の優しさが身にしみる……。
うう、虚弱でごめんよ……。
旅の一行には侍女として、ユズルバさんが付いてきてくれた。ロミさんのお産の日から、ユズルバさんの私に対する扱いがさらにうやうやしいものになった。あの後何度か顔を見に行ったが、ロミさんは出血増加もなく母子ともに健やかに過ごしている。大きな坊やがこれまた可愛くてたまらない。そして、元は強面だった旦那さんはすっかり親馬鹿になって、オシメ交換は自分の仕事だと張り切っていた。
異世界に来て分娩介助するとは夢にも思っていなかったが、お役に立てて嬉しかった。
上洛の旅に出発する迄のわずかな時間に少し調べたのだが、辺境のマンドルガでの出産は産婆のみが立会い、娩出した児を受け止めるだけで大した援助はしないそうだ。そもそも頑健なノーグマタの女性は安産体質で難産になることは珍しいとか。ロミさんのように他の地域からお嫁に来た人は大変だ。そういった女性達は出産時の死亡が特に多いらしい。そして種族を問わず新生児の死亡も多い。
この中世程の文化水準では仕方がなかったのかもしれない。だけど……私の知識を活用すれば、死ななくても良い母子が守れるかもしれない。
すでにサノスさんを何度も驚かせてしまった知識は、この世界ではまだオーバーテクノロジーだろう。
この世界で周産期の母子生存率を向上させることが、私の大きな目標だ。それにはこの世界の知識と私の知識ををすり合わせ、あまり不自然でないようにしなければならない。本来であるなら、全体的な医療水準や母子保健全般にわたって改善したい。しかし、全て叶えるには文化水準全体の向上が必要だ。過ぎた知識は、異端として文化に受け入れられない可能性がある。違和感なく人々に受け入れられるような働きかけが重要だ。
それに、いずれ私も出産するかもしれない。ロワさんとの体格差を考えて欲しい。
何度も言って恐縮だが二七ハセンチの巨人と一六八センチの私の子供だ。
私、経膣分娩できる気がしない。帝王切開が必要になると思う……。そんなわけで、この世界の母子のため、そして自分のためにも遂げなければ!
そうそう、職務放棄していた産婆を覚えているだろうか? あのまま放置すれば同じことを繰り返すと思ったので、少し仕事を休んでもらうことにしました。私にはなんの権限もありませんが、助手のミーツちゃん(九歳だった! )をロワさんが使用人見習いとして引き取ってくれたのだ。ミーツちゃんは痩せているだけでなく、身体中に折檻された痕があった。この世界では使用人の人権がある程度守られている。そのため、虐待が明るみになった産婆は、使用人雇用の権利を剥奪された。自分は酒に溺れミーツちゃんにほとんどの雑用をさせていた産婆は、名実共に廃業に追い込まれたのだった。
しかし、産婆一人を廃業させたからといって、事態が好転するとは思えない。むしろ、人口あたりの産婆の人数が減ってしまい、問題を増やした可能性がある。
さらに、私自身が長期にわたり総督府を離れてしまう。これではなんの助けにもならない。そのため、ロワさんにお願いして、私の不在の期間だけでも賢師のサノスさんに活躍していただくことにした。元々賢師の関わるお産は、上流階級に限られており、一般市民にはなんの恩恵も与えられていなかったのだ。お産全例に関わることは不可能であるため、産婆や地域の薬師(民間には医師はおらず、薬師が対応していた)からの要請があれば動いていただくことになった。負担がかなり増えると予想されることをサノスさんに話すと、目をキラキラさせて「是非やらせていただきたい! 」と意気込んでいた。サノスさんはお髭こそ真っ白だが、その体はまだ壮年といってもいいほど逞しく、まだ剣では若者に負けぬと息巻いていたくらいだ。
え、戦うの?
さすがはノーグマタである。
そんなことをつらつらと考えながら、毎日車に揺られている。同じ車にユズルバさんも乗っているが、振動が凄くて会話にならないため、彼女はずっと編み物をして過ごしている。私も何かできたらいいのだが、酔いやすい体質なのでもっぱら瞑想という名の睡眠を貪った。
辺境には村が少ない。宿場もあまりない。その理由はマンドルガが広大なだけでなく、大型の捕食動物が多数生息しているからだ。そんな動物、ノーグマタの戦士が退治すればいいとお思いだろうが、それができればこの地はもっと繁栄していただろう。
中でも厄介な獣にヌタヌタという狒々がいる。ヌタヌタは群れで行動し、知恵もあるためとても恐ろしい生き物だ。大人の雄になると体長が立位でニメートルにもなるらしい。しかも雑食で穀物から家畜から全て平らげてしまうのだ。襲いかかってくるものは撃退できるが、畑や家畜を守りながら暮らすのは非常に難しい。村程度の規模ではヌタヌタの群れを防ぎきれず、街規模で高い石壁と夜警に回せるだけの戦力が必要になる。鋭い牙と拙い攻撃を弾く毛皮を持つ狡猾な獣――。
そんなのがいるなんてわかってたのなら初めに言ってよね!
何度か夜中にすこし騒がしいなと思っていたら、襲撃を受けていたらしい。後でロワさんが教えてくれた。屈強な騎士にかかれば、本陣に近づけさせることもなく殲滅できるとのこと。安心しろと言われたけど、無理だよね!?
さらに、マンドルガの地で問題になるのには、"魔"と呼ばれる暗い霧のようなものがある。この霧に触れると、弱いものは心を蝕まれ気が狂うと言われている。"魔"は深い森の奥や沼地に発生することが多いのだが、気温が下がると人里まで流れてくるそうだ。私がこの世界に来た時、ロワさんが魔除けの薬草を焚いていたのを覚えている。この薬草があれば"魔"は近寄らないのだとか。そのため、街や総督府領の周りには多くの薬草である夏漆を意図的に栽培していた。
こういった経緯で、上洛の旅は宿に泊まることも少なく天幕で休むことが多いのだ。周りを騎士さん達に守ってもらって隣にはユズルバさんがいてくれるけど、真っ暗な夜になると不安で不安でしょうがない。
ある夜、ロワさんの天幕で食事を共にした後、思い切ってお願いしてみた。
「ロワさん、今日はここで寝ちゃ駄目ですか?」
ボテンと陶器のコップが落ちて、火酒が高価そうな絨毯にシミを作っていく。
控えていたユズルバさんが、何事もなかったようにスッと片付け手巾で拭いていく。
「ロワさん、落ちましたよ? 」
微動だにしないロワさんに、何かまずいことでも言ったかと心配になる。ロワさんは筋肉が多いから温かいし、凄く強いからここが一番安全な気がする。
「駄目だ。男女は二人きりになってはいけない。特に婚姻前は駄目だ」
「はぁ、たしかそんなしきたりありましたね。それならユズルバさんも一緒に眠るので、いいですよね? 」
「奥様……」
ユズルバさんが何か言いたそうな困った表情でこちらを見た。
「それでも駄目だ。お前は何もわかっていない。一番危険なのはこの天幕だ」
「そうなのですか。それじゃしょうがないですね。(湯たんぽ代わりにできなくて)残念だなぁ」
「ぐっ……私も非常に同感だ」
なんだ、ロワさんも寒いんじゃない。ロワさんの天幕が危険なのは、指揮官が狙われやすいからかな? 寒い時は家族でひっついて寝るのが一番なのにね。小さい時両親と姉と一緒に寝ていたのを思い出してほっこりした。
頬を緩める私の背後で、何故かユズルバさんが重い溜息をついていた。
はて?
私は今、マンドルガのモールゾ大森林地帯を騎獣の引く車に揺られている。箱型のランドー型の馬車に似た作りで、乗客は向かい合わせで座る仕組みだ。ただ、大きな違いはその大きさである。中はロワさんでも頑張れば乗れそうなくらい広々としていた。座席はクッション素材でできているが、まだまだサスペンションに改善の余地があるらしく振動がバッチリ伝わってくる。
はじめこそ振動にアワアワしていたが、今は寝られるくらい慣れた。
そう、私は現在、帝国の首都であるエスファジュルへ向かう旅の途中である。帝国領の最北地であるマンドルガを出発してもうすぐ一ヶ月になる。針葉樹林ばかりであった森に落葉樹が混じり始め、晩秋の最期の輝きを見せていた。紅や鼈甲色に染まる森は美しかったが、夜になると寒さで身が震えるほどだ。
この世界の旅は、はっきり言ってキツイ。一行の中で一番手厚くされているとはいえ、ほとんど野営である。今回は長期間の旅であることから、流石に男性も天幕を張って休んでいる。元の世界のキャンプを想像している皆様、現実はそんなに甘くないのですよ。天幕を張ってもらっても、寒いものは寒い! どうして冬にさしかかったこの季節に移動しなければならないのか……。寒さのため、毎日沢山の毛皮に埋まるようにして眠った。天幕にはユズルバさんが付き添ってくれていて、寒さの厳しい夜には焼いた石を布で何重にも包んだ行火あんかを足元に入れてくれた。彼女の優しさが身にしみる……。
うう、虚弱でごめんよ……。
旅の一行には侍女として、ユズルバさんが付いてきてくれた。ロミさんのお産の日から、ユズルバさんの私に対する扱いがさらにうやうやしいものになった。あの後何度か顔を見に行ったが、ロミさんは出血増加もなく母子ともに健やかに過ごしている。大きな坊やがこれまた可愛くてたまらない。そして、元は強面だった旦那さんはすっかり親馬鹿になって、オシメ交換は自分の仕事だと張り切っていた。
異世界に来て分娩介助するとは夢にも思っていなかったが、お役に立てて嬉しかった。
上洛の旅に出発する迄のわずかな時間に少し調べたのだが、辺境のマンドルガでの出産は産婆のみが立会い、娩出した児を受け止めるだけで大した援助はしないそうだ。そもそも頑健なノーグマタの女性は安産体質で難産になることは珍しいとか。ロミさんのように他の地域からお嫁に来た人は大変だ。そういった女性達は出産時の死亡が特に多いらしい。そして種族を問わず新生児の死亡も多い。
この中世程の文化水準では仕方がなかったのかもしれない。だけど……私の知識を活用すれば、死ななくても良い母子が守れるかもしれない。
すでにサノスさんを何度も驚かせてしまった知識は、この世界ではまだオーバーテクノロジーだろう。
この世界で周産期の母子生存率を向上させることが、私の大きな目標だ。それにはこの世界の知識と私の知識ををすり合わせ、あまり不自然でないようにしなければならない。本来であるなら、全体的な医療水準や母子保健全般にわたって改善したい。しかし、全て叶えるには文化水準全体の向上が必要だ。過ぎた知識は、異端として文化に受け入れられない可能性がある。違和感なく人々に受け入れられるような働きかけが重要だ。
それに、いずれ私も出産するかもしれない。ロワさんとの体格差を考えて欲しい。
何度も言って恐縮だが二七ハセンチの巨人と一六八センチの私の子供だ。
私、経膣分娩できる気がしない。帝王切開が必要になると思う……。そんなわけで、この世界の母子のため、そして自分のためにも遂げなければ!
そうそう、職務放棄していた産婆を覚えているだろうか? あのまま放置すれば同じことを繰り返すと思ったので、少し仕事を休んでもらうことにしました。私にはなんの権限もありませんが、助手のミーツちゃん(九歳だった! )をロワさんが使用人見習いとして引き取ってくれたのだ。ミーツちゃんは痩せているだけでなく、身体中に折檻された痕があった。この世界では使用人の人権がある程度守られている。そのため、虐待が明るみになった産婆は、使用人雇用の権利を剥奪された。自分は酒に溺れミーツちゃんにほとんどの雑用をさせていた産婆は、名実共に廃業に追い込まれたのだった。
しかし、産婆一人を廃業させたからといって、事態が好転するとは思えない。むしろ、人口あたりの産婆の人数が減ってしまい、問題を増やした可能性がある。
さらに、私自身が長期にわたり総督府を離れてしまう。これではなんの助けにもならない。そのため、ロワさんにお願いして、私の不在の期間だけでも賢師のサノスさんに活躍していただくことにした。元々賢師の関わるお産は、上流階級に限られており、一般市民にはなんの恩恵も与えられていなかったのだ。お産全例に関わることは不可能であるため、産婆や地域の薬師(民間には医師はおらず、薬師が対応していた)からの要請があれば動いていただくことになった。負担がかなり増えると予想されることをサノスさんに話すと、目をキラキラさせて「是非やらせていただきたい! 」と意気込んでいた。サノスさんはお髭こそ真っ白だが、その体はまだ壮年といってもいいほど逞しく、まだ剣では若者に負けぬと息巻いていたくらいだ。
え、戦うの?
さすがはノーグマタである。
そんなことをつらつらと考えながら、毎日車に揺られている。同じ車にユズルバさんも乗っているが、振動が凄くて会話にならないため、彼女はずっと編み物をして過ごしている。私も何かできたらいいのだが、酔いやすい体質なのでもっぱら瞑想という名の睡眠を貪った。
辺境には村が少ない。宿場もあまりない。その理由はマンドルガが広大なだけでなく、大型の捕食動物が多数生息しているからだ。そんな動物、ノーグマタの戦士が退治すればいいとお思いだろうが、それができればこの地はもっと繁栄していただろう。
中でも厄介な獣にヌタヌタという狒々がいる。ヌタヌタは群れで行動し、知恵もあるためとても恐ろしい生き物だ。大人の雄になると体長が立位でニメートルにもなるらしい。しかも雑食で穀物から家畜から全て平らげてしまうのだ。襲いかかってくるものは撃退できるが、畑や家畜を守りながら暮らすのは非常に難しい。村程度の規模ではヌタヌタの群れを防ぎきれず、街規模で高い石壁と夜警に回せるだけの戦力が必要になる。鋭い牙と拙い攻撃を弾く毛皮を持つ狡猾な獣――。
そんなのがいるなんてわかってたのなら初めに言ってよね!
何度か夜中にすこし騒がしいなと思っていたら、襲撃を受けていたらしい。後でロワさんが教えてくれた。屈強な騎士にかかれば、本陣に近づけさせることもなく殲滅できるとのこと。安心しろと言われたけど、無理だよね!?
さらに、マンドルガの地で問題になるのには、"魔"と呼ばれる暗い霧のようなものがある。この霧に触れると、弱いものは心を蝕まれ気が狂うと言われている。"魔"は深い森の奥や沼地に発生することが多いのだが、気温が下がると人里まで流れてくるそうだ。私がこの世界に来た時、ロワさんが魔除けの薬草を焚いていたのを覚えている。この薬草があれば"魔"は近寄らないのだとか。そのため、街や総督府領の周りには多くの薬草である夏漆を意図的に栽培していた。
こういった経緯で、上洛の旅は宿に泊まることも少なく天幕で休むことが多いのだ。周りを騎士さん達に守ってもらって隣にはユズルバさんがいてくれるけど、真っ暗な夜になると不安で不安でしょうがない。
ある夜、ロワさんの天幕で食事を共にした後、思い切ってお願いしてみた。
「ロワさん、今日はここで寝ちゃ駄目ですか?」
ボテンと陶器のコップが落ちて、火酒が高価そうな絨毯にシミを作っていく。
控えていたユズルバさんが、何事もなかったようにスッと片付け手巾で拭いていく。
「ロワさん、落ちましたよ? 」
微動だにしないロワさんに、何かまずいことでも言ったかと心配になる。ロワさんは筋肉が多いから温かいし、凄く強いからここが一番安全な気がする。
「駄目だ。男女は二人きりになってはいけない。特に婚姻前は駄目だ」
「はぁ、たしかそんなしきたりありましたね。それならユズルバさんも一緒に眠るので、いいですよね? 」
「奥様……」
ユズルバさんが何か言いたそうな困った表情でこちらを見た。
「それでも駄目だ。お前は何もわかっていない。一番危険なのはこの天幕だ」
「そうなのですか。それじゃしょうがないですね。(湯たんぽ代わりにできなくて)残念だなぁ」
「ぐっ……私も非常に同感だ」
なんだ、ロワさんも寒いんじゃない。ロワさんの天幕が危険なのは、指揮官が狙われやすいからかな? 寒い時は家族でひっついて寝るのが一番なのにね。小さい時両親と姉と一緒に寝ていたのを思い出してほっこりした。
頬を緩める私の背後で、何故かユズルバさんが重い溜息をついていた。
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