ゲーセンでの話 〜マリカしていたら〜

のんびりかふぇおれ

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第十七章:怒りのままに

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教授:鷹野君、昼越えたけど来ないからどうしたもんかと思って電話掛けたんだけど…、忙しいかな?
自分:いえ、大丈夫ですよ。今すぐ取りに行きますね。
   重ね重ね、カバン預かっていただき、ありがとうございました。
教授:いいよ~。のんびり来てくれて大丈夫よ~。
自分:できるだけ早めに行きますよ。迷惑ばっかり掛けてられないので。
教授:はいはい。とりあえず今日中にねー。
そう言って、電話が途切れた。

そんな昨日預かってもらってたカバンのやり取りを終えた後、上着を着て時雨姉妹と一緒に大学に行くことにした。
彼女らは自分の大学の生徒ではないから下のロビーで待っといて貰い、その間に教授に会いに行った。

教授の教員質は木造りで古い印象を与えるには十分なほどに年季が入っていた部屋だった。
教授の他にも同じ科目の教員の机には誰もいなく、ただ一人教授が一人俺のカバンを持って立っていた。

「教授!」
俺は一日ずっと待っててもらった申し訳無さと授業を勝手に抜けた申し訳無さでテンションがおかしくなっていた。
「やぁ、随分遅かったね?それにロビーに女性二人の客人がいるし。」
「一緒にきたの知ってるんですね。」
知っている教授に俺は驚きつつもタネがあると思ったので、探ることにしてみた。
「そこの窓から校門丸見えさ。」
(そういうことだったか‥。)
「教授、カバンありがとうございました…。下に自分の知り合いが待ってるので今日はこのぐらいで…。」
「そうかい。まぁ頑張ってね。」

スタスタと階段をかけ落ちる。
ロビーの方から男女の声が聞こえる。
「…………こーよ…。」
(ん?なんか大声で喋ってるやついるなぁ。)
「……です。………てください。」
相手の女子は嫌そうな声を出している。
しかし自分には関係ないだろう…ロビーの方へと足を向けて速歩きをし始めた。、階段を下り、見慣れたシルエット……ともう一つ知らないシルエットが2つあった。
「離してください!」
時雨の嫌そうな顔をみた瞬間、怒りが頭を突き抜けた。
無意識に自分でも驚くぐらい低く…しかし響く声で怒鳴った。
単語俺の女共に何しとんじゃボゲェ!」
俺は怒りのままに時雨の手首を掴んでいる男の襟を掴み、首を締め上げた。
「…ングッ…」
「おどれ、何しとんじゃ。」
首がしまって呼吸がしづらく鳴った相手を顧みずに、そのまま突き詰めた。
段々顔が真っ青になってくるが関係ない。
すると後ろのハッとした別の男が俺の腕を掴んで、叫んできた。
「苦しそうだからタッチャン離してやれ!」
無意識に怒りに身を任せた自分が一気に戻ってきた。
パッと手の力を緩めて、しんどそうな男を下に落とした。
「なにするんですか!」
いきなり首をしめた俺に恐怖を覚えたのだろう、敬語で反発してきた。
(しかし今回は相手が悪い。だから言いたいことを言わせてもらう。)
「君等が俺の女にナンパした挙げ句、嫌そうにしてるのに手首を掴んで無理矢理連れて行こうとしていたな…君らこそ何をしてるんだい?」
一旦落ち着きつつも、しかしまだ怒っていると分かるような口調で問い詰めた。
何を言っても無駄だと感じたのだろうか、相手は俺に殴りかかってきた。
「うるせぇよ、てめぇに関係ねぇから、どっか行ってろ。」
俺はラノベみたいに主人公無双系というわけでもなく、避けれずに一発喰らう。
(首が弾け飛んだ…。)
殴られた所はジンジンと痛覚が敏感になっていた。
「「夜嵐(さん)!」」
後ろの二人が俺の名前で叫ぶ。
痛いが叫ぶほどじゃなくなった。
「正当防衛だよな?」
静かにそう告げる。しかし相手は気にしないかのようにまた脳書きを垂れる。
「るっせぇ…倒れとけ!」
(これじゃそのへんのチンピラと変わらねぇな。)
二発目は回避に成功する。外すと思っていなかったのだろうか、相手は体制を崩し、こっちに寄りかかってきた。
その勢いを利用し、首を軽く締めて、床に押さえつけた。
「時雨、警備員をこのまま真っ直ぐ行ったら居るから呼んできてくれ。」
とっさの判断で時雨に任せることにした。
「う、うん…。」

ー5分後ー
時雨と一緒に制服を着た警備員と教授が数名こちらに向かって走ってきた。
俺はもういいだろうと身柄の高速を解く。
殴ってこなかった男が下に押さえつけた男を起こした。
10分ぐらい事情を聞かれて、自分は最初に手を出したことを注意された。
処分はおって出すとのことで、今日は帰りなさいと言われた。

帰路につき、3人で喋っていた。
「さっきはありがとう。」そう頬を赤らめた時雨に言われた。
俺自身恥ずかしくて時雨の方に顔を向けなかった。
しかし、それに腹を立てたのか、腕を引っ張ってきて、転けそうになった。
顔が下にさがった時、頬に暖かく、柔らかな感触に包まれた。
理由もわからず戸惑っていると、凪さんが「きゃっ…」と短く叫んで、そちらを見た。
彼女も顔をゆでダコのように赤らめていた。
(え?…そういうことだよな?)
俺も状況を理解するのに時間を要した。
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