上 下
1 / 1

序章 絶望の雨

しおりを挟む
俺は前の光景を見て膝から崩れ落ちた。
すべてが消えた、
そこにナニカがあっただろうと思わせる残骸を残しながら一部中央が消えた。
消えたが、残っているものがあった。
それは、石。

まるでついさっき起きたような、そんな思いを彷彿とさせる。

しかし、それは違った。
数年前、いきなりニュースで流れた。
「来週、待望のタイタン彗星が日本を間近に通ります。解説の塩t…」
そこでブチッと電源を切って高校に向かってあるき出したが、耳に彗星の情報が残っていた。

汚れ、ひしゃげ曲がった外壁格子がその穴を、街を囲っていた。
「あぁ…間に合わなかった。」
俺はそうこぼし、涙を流した。
俺はこの街を知らない。初めてきたはずなのに知っていた。
どこに中学があり、どこに家があるのか…それら全てを
雨がいきなりストッパーを無くしたかのようにドーっと降り始めた。

篠原 楓しのはら かえで…」
(…ごめん…救えなかった。)
俺はここ数ヶ月振り回された女の名前を呼んだ。
心の中でしか言えなかった後悔。
それを強くする雨。
その勢いに飲まれてしまった俺は言葉に出た。
「ごめん…ごめん、ごめん、ごめんごめんごめんごめん‼️‼️‼️‼️‼️」
俺はドンッと地面を拳で何度も叩きつけた。
皮がはがれようとも気にしなかった。
そして、涙腺が決壊した。

しかしそんな俺を止める女の声がした。
振り返るとそこには少女が居た。
「さっきからうるさいわね。修羅、いい?ここの地域のこと思って言うけどね、数年前に沈んだ街を見て、泣き喚く奇妙な男が居たって迷惑な伝説にしないでよね…。」
「零、ごめん…本当に。」
俺はそう返すことしかできなかった。
「あのね、修羅、早く車に乗って、体冷やすのはいいけど、帰るわよ。じゃないと置いていくわよ。」
この少女は俺がここに来たいと言った時に心配だと言って着いてきた高校の知り合いだ。
わざわざ着いてきてくれたのは感謝しかない。
それに時間も迫ってるのは事実だ。
そう認識した時俺は立ち上がって車へと戻って行った。

車に乗ると濡れててイヤーとかお説教されたが俺の耳には残らなかった。
すると諦めたのか、いつしか零が説教するのをやめて音楽を掛け始めた。
そんな喋らない時間は俺が考えるために必要な時間としては短かった。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

坊主女子:学園青春短編集【短編集】

S.H.L
青春
坊主女子の学園もの青春ストーリーを集めた短編集です。

坊主女子:女子野球短編集【短編集】

S.H.L
青春
野球をやっている女の子が坊主になるストーリーを集めた短編集ですり

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

水やり当番 ~幼馴染嫌いの植物男子~

高見南純平
青春
植物の匂いを嗅ぐのが趣味の夕人は、幼馴染の日向とクラスのマドンナ夜風とよく一緒にいた。 夕人は誰とも交際する気はなかったが、三人を見ている他の生徒はそうは思っていない。 高校生の三角関係。 その結末は、甘酸っぱいとは限らない。

坊主女子:スポーツ女子短編集[短編集]

S.H.L
青春
野球部以外の部活の女の子が坊主にする話をまとめました

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

バスト105cm巨乳チアガール”妙子” 地獄の学園生活

アダルト小説家 迎夕紀
青春
 バスト105cmの美少女、妙子はチアリーディング部に所属する女の子。  彼女の通う聖マリエンヌ女学院では女の子達に売春を強要することで多額の利益を得ていた。  ダイエットのために部活でシゴかれ、いやらしい衣装を着てコンパニオンをさせられ、そしてボロボロの身体に鞭打って下半身接待もさせられる妙子の地獄の学園生活。  ---  主人公の女の子  名前:妙子  職業:女子学生  身長:163cm  体重:56kg  パスト:105cm  ウェスト:60cm  ヒップ:95cm  ---  ----  *こちらは表現を抑えた少ない話数の一般公開版です。大幅に加筆し、より過激な表現を含む全編32話(プロローグ1話、本編31話)を読みたい方は以下のURLをご参照下さい。  https://note.com/adult_mukaiyuki/m/m05341b80803d  ---

処理中です...