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第365話 美波、オトナになりますっ!
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ーー地下駐車場を出た慎太郎の車は当てもなく走り出す。慎太郎は横目で美波の様子を探るがブツブツ言いながら何かを考えているのでスルーする事にする。全く情けない男だ。
さてと。ここまでは順調ね。とりあえずタロウさんのマンションを出てしまえば追っ手は来ない。これで邪魔者はいなくなった。あとはお城に行くだけっ!!
…それが難しいんだよなぁ。
どうにかしてタロウさんにお城へ連れ込んでもらわないといけない。でもタロウさんはマジメだから私にそんな事をしようとは思わない。相当にイイ雰囲気へと持っていかなければそんな間違いは起きるわけがないのだ。
うーん…困ったなぁ…雰囲気を作るのってどうやればいいんだろう…私にそんな経験ないからなぁ…
あ!!カラオケに行くのはどうだろう…?薄暗い密室…防音で外に声が漏れない空間…そんな所に男女がいれば……
ーー
ーー
【 美波's妄想ストーリー 】
『ふーっ!カラオケなんて久しぶりなのでハリキっちゃいましたっ!』
『美波って凄く歌が上手いんだね。声がイイからかな。』
『ふふっ、ありがとうございますっ!』
『……。』
ーー慎太郎が美波を強引にソファーに押し倒す。何の脈絡もなく。
『た、タロウさんっ??』
『その声で喘がせたらたまらねぇんだけど。』
『こ、こんなところでナニを言ってるんですかっ!?』
『その顔も声もけしからんな。全部美波が悪いんだぞ。』
『だっ、ダメですっ!!ここでそんな事をしちゃ!!あっ…』
ーー慎太郎が手慣れた手つきで美波の首筋に舌を這わせ、愛撫を始める。
『上のお口は素直じゃないな。下のお口は素直かどうか確かめてやるか。』
ーー
ーー
みたいな感じになっちゃうんじゃないかなっ!?
ーーなるわけねーだろ。
イイ!!イイよっ!!それでイこうっ!!タロウさんの本能を目覚めさせるのよ美波!!あなたならやれるわっ!!
ーーまた慎太郎に怒られるんじゃない?
「カラオケに行きましょうっ!!」
「え?カラオケ?なんで?」
「いいからっ!!」
「あ、はい、すみません。」
「あ、少し遠い所に行きましょうっ!!近いとヤンデレ女子高生が勘づいて襲撃して来るかもしれませんっ!!駅から離れてるところに行けば完璧ですっ!!」
「あ、はい。」
これで暗がりに行けばタロウさんと…うへへぇ…
ーーまた女の子がしちゃいけない顔してるぞ。
ーー
ーー
しばらく車を走らせると、私たちはカラオケ屋に着く。カラオケなんて春休みに夕美ちゃんと来て以来だなぁ。なんだか楽しみかもっ!それに2人だから部屋も狭め。おかげでタロウさんとの密着感も高めだ。最高じゃないかなっ。
「ふふっ、なんだか楽しいなぁ。」
「ご機嫌だね。」
「はいっ!」
だってタロウさんと2人っきりなんて久しぶりだもん機嫌がよくなっちゃうのは当然だよねっ。
ーーだがその『楽しい』が壊れる事になる。
「カラオケなんて男の人と来たの初めてですっ。」
「あれ?海と来た事とかないの?」
「弟となんて来たりしませんよっ。」
「へー、姉弟で来たりとかするもんだと思ってた。」
「タロウさんは女の人と来た事ありますか?」
「うん、あるーーないよ。」
「は?どっち?」
「ハイライトさん行方不明になるの流行ってるの!?ヤンデレは牡丹だけでお腹いっぱいだよ!?」
「早く答えて。」
「いや…その…いいじゃーー」
「ーーいいから。」
「あ、はい。すみません。…来ました。」
「誰と?」
「……ノートゥング。」
「へぇ。」
やっぱり油断ならないわね。いつも私の前でイチャイチャしてるだけの事はあるわっ。でも私は負けないっ!!正ヒロインとしてっ!!正妻としてっ!!
「さあっ!!飲み物とポテトを頼んだら歌いますよっ!!」
「あ、はい。じゃ注文しますね。」
ーー
ーー
ーーそして小一時間ほどポテトをパクつきながら歌を歌った美波と慎太郎。何気に歌の上手い慎太郎に美波はキュンキュンしまくっていた。もちろんしっかり録音済み。
そしてちゃっかりデュエットした姿は撮影済みという手際の良さ。欲に駆られた時の美波は非常に有能なのかもしれない。
「ふふっ、タロウさんは歌が上手いんですねっ!」
「あはは、ありがとう。美波こそ凄い上手いじゃん。美波は良い声してるもんね。」
ーーその慎太郎の一言で美波は確信する。
私の予想通りの展開じゃないっ!!『美波の声に興奮して来たって』って言ってるしっ!!
ーーいや、そんな事言ってないから。本当にそう聞こえたんなら耳鼻科行った方がいいよ?あ、精神科か。
…そろそろお城に行く頃かな?なんか緊張して来たなぁ。ふふっ、牡丹ちゃん、楓さん、アリスちゃん、みくちゃん、悪いけどこの勝負は私の勝ちだよっ。今日、私はタロウさんと一つになって真の正妻になるっ!!
「じゃあタロウさんっ!そろそろイキましょうかっ!!」
「そうだな。それじゃそろそろ行くか。」
「はいっ!お城にっ!!」
「お城…?お城に行きたいの?」
「はいっ!!お城にイキたいですっ!!!」
「フッ、まさか美波がお城が好きだとは思わなかったよ。それじゃあ行こうか。俺のオススメの所に。」
「おっ、オススメですかっ…!?」
「ああ。きっと美波にも気に入ってもらえると思うよ。行こうぜ美波。」
「はいっ!!」
とうとうタロウさんとお城に…オススメとか言ってるのがちょっとムカムカするけど、タロウさんは童貞なんだからきっと美波とイクお城についてリサーチしてたって事だよねっ!!もう…タロウさんはえっちなんだからっ!!美波、オトナになりますっ!!
さてと。ここまでは順調ね。とりあえずタロウさんのマンションを出てしまえば追っ手は来ない。これで邪魔者はいなくなった。あとはお城に行くだけっ!!
…それが難しいんだよなぁ。
どうにかしてタロウさんにお城へ連れ込んでもらわないといけない。でもタロウさんはマジメだから私にそんな事をしようとは思わない。相当にイイ雰囲気へと持っていかなければそんな間違いは起きるわけがないのだ。
うーん…困ったなぁ…雰囲気を作るのってどうやればいいんだろう…私にそんな経験ないからなぁ…
あ!!カラオケに行くのはどうだろう…?薄暗い密室…防音で外に声が漏れない空間…そんな所に男女がいれば……
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【 美波's妄想ストーリー 】
『ふーっ!カラオケなんて久しぶりなのでハリキっちゃいましたっ!』
『美波って凄く歌が上手いんだね。声がイイからかな。』
『ふふっ、ありがとうございますっ!』
『……。』
ーー慎太郎が美波を強引にソファーに押し倒す。何の脈絡もなく。
『た、タロウさんっ??』
『その声で喘がせたらたまらねぇんだけど。』
『こ、こんなところでナニを言ってるんですかっ!?』
『その顔も声もけしからんな。全部美波が悪いんだぞ。』
『だっ、ダメですっ!!ここでそんな事をしちゃ!!あっ…』
ーー慎太郎が手慣れた手つきで美波の首筋に舌を這わせ、愛撫を始める。
『上のお口は素直じゃないな。下のお口は素直かどうか確かめてやるか。』
ーー
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みたいな感じになっちゃうんじゃないかなっ!?
ーーなるわけねーだろ。
イイ!!イイよっ!!それでイこうっ!!タロウさんの本能を目覚めさせるのよ美波!!あなたならやれるわっ!!
ーーまた慎太郎に怒られるんじゃない?
「カラオケに行きましょうっ!!」
「え?カラオケ?なんで?」
「いいからっ!!」
「あ、はい、すみません。」
「あ、少し遠い所に行きましょうっ!!近いとヤンデレ女子高生が勘づいて襲撃して来るかもしれませんっ!!駅から離れてるところに行けば完璧ですっ!!」
「あ、はい。」
これで暗がりに行けばタロウさんと…うへへぇ…
ーーまた女の子がしちゃいけない顔してるぞ。
ーー
ーー
しばらく車を走らせると、私たちはカラオケ屋に着く。カラオケなんて春休みに夕美ちゃんと来て以来だなぁ。なんだか楽しみかもっ!それに2人だから部屋も狭め。おかげでタロウさんとの密着感も高めだ。最高じゃないかなっ。
「ふふっ、なんだか楽しいなぁ。」
「ご機嫌だね。」
「はいっ!」
だってタロウさんと2人っきりなんて久しぶりだもん機嫌がよくなっちゃうのは当然だよねっ。
ーーだがその『楽しい』が壊れる事になる。
「カラオケなんて男の人と来たの初めてですっ。」
「あれ?海と来た事とかないの?」
「弟となんて来たりしませんよっ。」
「へー、姉弟で来たりとかするもんだと思ってた。」
「タロウさんは女の人と来た事ありますか?」
「うん、あるーーないよ。」
「は?どっち?」
「ハイライトさん行方不明になるの流行ってるの!?ヤンデレは牡丹だけでお腹いっぱいだよ!?」
「早く答えて。」
「いや…その…いいじゃーー」
「ーーいいから。」
「あ、はい。すみません。…来ました。」
「誰と?」
「……ノートゥング。」
「へぇ。」
やっぱり油断ならないわね。いつも私の前でイチャイチャしてるだけの事はあるわっ。でも私は負けないっ!!正ヒロインとしてっ!!正妻としてっ!!
「さあっ!!飲み物とポテトを頼んだら歌いますよっ!!」
「あ、はい。じゃ注文しますね。」
ーー
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ーーそして小一時間ほどポテトをパクつきながら歌を歌った美波と慎太郎。何気に歌の上手い慎太郎に美波はキュンキュンしまくっていた。もちろんしっかり録音済み。
そしてちゃっかりデュエットした姿は撮影済みという手際の良さ。欲に駆られた時の美波は非常に有能なのかもしれない。
「ふふっ、タロウさんは歌が上手いんですねっ!」
「あはは、ありがとう。美波こそ凄い上手いじゃん。美波は良い声してるもんね。」
ーーその慎太郎の一言で美波は確信する。
私の予想通りの展開じゃないっ!!『美波の声に興奮して来たって』って言ってるしっ!!
ーーいや、そんな事言ってないから。本当にそう聞こえたんなら耳鼻科行った方がいいよ?あ、精神科か。
…そろそろお城に行く頃かな?なんか緊張して来たなぁ。ふふっ、牡丹ちゃん、楓さん、アリスちゃん、みくちゃん、悪いけどこの勝負は私の勝ちだよっ。今日、私はタロウさんと一つになって真の正妻になるっ!!
「じゃあタロウさんっ!そろそろイキましょうかっ!!」
「そうだな。それじゃそろそろ行くか。」
「はいっ!お城にっ!!」
「お城…?お城に行きたいの?」
「はいっ!!お城にイキたいですっ!!!」
「フッ、まさか美波がお城が好きだとは思わなかったよ。それじゃあ行こうか。俺のオススメの所に。」
「おっ、オススメですかっ…!?」
「ああ。きっと美波にも気に入ってもらえると思うよ。行こうぜ美波。」
「はいっ!!」
とうとうタロウさんとお城に…オススメとか言ってるのがちょっとムカムカするけど、タロウさんは童貞なんだからきっと美波とイクお城についてリサーチしてたって事だよねっ!!もう…タロウさんはえっちなんだからっ!!美波、オトナになりますっ!!
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