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第341話 押しに弱い
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【 1日目 PM 11:36 慎太郎とみくの部屋 残り 14人 】
「ただいま…」
ーー佐々木若菜たちとの同盟を結び終えた慎太郎は自室へと戻って来る。テンションガタ落ちで。
「タロチャン!!おかえりー!!」
ーー慎太郎を見るなり、みくはおもいっきり抱きつく。抱きついて慎太郎の胸に頬擦りをしまくる。牡丹に見られたら惨劇が起こりそうな光景だ。
「ん?どないしたん?同盟上手くいかんかったん?」
ーー慎太郎のテンションを見てみくが心配そうな顔をする。
「いや…同盟は上手くいったよ。」
ーー歯切れの悪い慎太郎にみくは怪訝な顔をする。
「ならなんでそんなテンション低いん?なんか変だよタロチャン。」
「……あのさ、聞いてもいい?」
「ええよ?タロチャンにならなんでも答えるよ?」
「……俺ってさ、鬼畜で極悪非道な畜生野郎に見える?」
「はい?」
ーー慎太郎が訳の分からない事を言うのでみくは言っている意味が理解出来ない。
「女の身体を肉欲の限り蹂躙するような奴に見える?」
「誰が?」
「俺が。」
「タロチャン?」
「そう。」
「…誰かになんか言われたん?」
「……まあ。」
「……。」
ーーみくが無言でベッドへと行き、上にのぼると、そこで女の子座りをする。
「ん。」
ーーみくがポンポンと膝を叩いて慎太郎に何かを訴えかける。
「どうした?」
ーーみくの行動が理解出来ない慎太郎はみくに尋ねる。
「ん。」
ーー再度みくは無言でポンポンと膝を叩く。
慎太郎はそれを理解してか、みくへと近づき、みくの膝の上に頭を乗せる。
「詳しく教えて。何て言われたん?」
「…そのまま密告しないでわざわざ部屋まで来たのは身体目当てだろみたいな。」
「それで?」
「…だから俺ってそういう奴に見えるのかなーって。それならみくと美波も怖かったんだろうなーって。」
「タロチャンはアホやな。」
ーーそう言いながらみくは慎太郎の頭を撫でる。
「ウチはそんな事思ってもいないよ。ただただ嬉しかっただけ。それにタロチャンが女の子に何かしようと考えてるなんて思ってない事ぐらいわかっとるよ。美波チャンだってそれは同じだよ。」
「…おう。」
「まーさ、他の誰がタロチャンの事をどう思っても、ウチはタロチャンの本心わかっとるよ。それだけはずっと変わらない。」
「…なんかわからんけど泣きそうなんだけど。」
「アハハっ。泣いてもええよ。ウチの膝で泣きなー。」
「絵面最低だろ。34のおっさんが現役女子高生に膝枕してもらって泣いてるとか。」
「タロチャンは周りを気にしすぎだよ。そんな気にする事なんて無いよ。ウチらが良ければええんやから。」
「…おう。」
「今日はウチがヨシヨシして寝てあげるからね。お風呂入る?」
「…入る。」
「じゃ一緒に入ろっか。」
「…それはダメだって。」
ーーおい、なんでハッキリ拒絶しないんだよ。ちょっと考えてんじゃねーよ。
「お互いタオル巻いて入ればえーやん。頭洗って身体洗ってあげるから。」
「…みんなには絶対内緒だぞ?」
ーーおい。
「もちろん。そんじゃ準備して入ろ。」
ーー急速に仲を深めていく慎太郎とみく。だらしの無い慎太郎はみくのように積極的な子にはめっぽう弱いのであった。
「ただいま…」
ーー佐々木若菜たちとの同盟を結び終えた慎太郎は自室へと戻って来る。テンションガタ落ちで。
「タロチャン!!おかえりー!!」
ーー慎太郎を見るなり、みくはおもいっきり抱きつく。抱きついて慎太郎の胸に頬擦りをしまくる。牡丹に見られたら惨劇が起こりそうな光景だ。
「ん?どないしたん?同盟上手くいかんかったん?」
ーー慎太郎のテンションを見てみくが心配そうな顔をする。
「いや…同盟は上手くいったよ。」
ーー歯切れの悪い慎太郎にみくは怪訝な顔をする。
「ならなんでそんなテンション低いん?なんか変だよタロチャン。」
「……あのさ、聞いてもいい?」
「ええよ?タロチャンにならなんでも答えるよ?」
「……俺ってさ、鬼畜で極悪非道な畜生野郎に見える?」
「はい?」
ーー慎太郎が訳の分からない事を言うのでみくは言っている意味が理解出来ない。
「女の身体を肉欲の限り蹂躙するような奴に見える?」
「誰が?」
「俺が。」
「タロチャン?」
「そう。」
「…誰かになんか言われたん?」
「……まあ。」
「……。」
ーーみくが無言でベッドへと行き、上にのぼると、そこで女の子座りをする。
「ん。」
ーーみくがポンポンと膝を叩いて慎太郎に何かを訴えかける。
「どうした?」
ーーみくの行動が理解出来ない慎太郎はみくに尋ねる。
「ん。」
ーー再度みくは無言でポンポンと膝を叩く。
慎太郎はそれを理解してか、みくへと近づき、みくの膝の上に頭を乗せる。
「詳しく教えて。何て言われたん?」
「…そのまま密告しないでわざわざ部屋まで来たのは身体目当てだろみたいな。」
「それで?」
「…だから俺ってそういう奴に見えるのかなーって。それならみくと美波も怖かったんだろうなーって。」
「タロチャンはアホやな。」
ーーそう言いながらみくは慎太郎の頭を撫でる。
「ウチはそんな事思ってもいないよ。ただただ嬉しかっただけ。それにタロチャンが女の子に何かしようと考えてるなんて思ってない事ぐらいわかっとるよ。美波チャンだってそれは同じだよ。」
「…おう。」
「まーさ、他の誰がタロチャンの事をどう思っても、ウチはタロチャンの本心わかっとるよ。それだけはずっと変わらない。」
「…なんかわからんけど泣きそうなんだけど。」
「アハハっ。泣いてもええよ。ウチの膝で泣きなー。」
「絵面最低だろ。34のおっさんが現役女子高生に膝枕してもらって泣いてるとか。」
「タロチャンは周りを気にしすぎだよ。そんな気にする事なんて無いよ。ウチらが良ければええんやから。」
「…おう。」
「今日はウチがヨシヨシして寝てあげるからね。お風呂入る?」
「…入る。」
「じゃ一緒に入ろっか。」
「…それはダメだって。」
ーーおい、なんでハッキリ拒絶しないんだよ。ちょっと考えてんじゃねーよ。
「お互いタオル巻いて入ればえーやん。頭洗って身体洗ってあげるから。」
「…みんなには絶対内緒だぞ?」
ーーおい。
「もちろん。そんじゃ準備して入ろ。」
ーー急速に仲を深めていく慎太郎とみく。だらしの無い慎太郎はみくのように積極的な子にはめっぽう弱いのであった。
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