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第205話 開かずの間
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【 慎太郎・牡丹 組 2日目 PM 9:35 洋館 北棟 3F 通路 】
ーー楓たちが地下牢での戦いを繰り広げている中、慎太郎と牡丹は山村へ行く為の脱出口探しに奔走しているが未だに下へ降りる事すら出来ないまま北棟へと進行していた。
「これ困ったな。一向に山村に行けねぇんだけど。それどころか下にも行けねぇし。」
「そうですね。どの部屋にも追加の鍵が見当たらないですし困りました。」
ーー西棟にて下へ降りる為の階段は見つけたのだが扉を開ける事が出来なく2人は鍵探しを行なっているのだが依然として鍵は見つからない。
「ここにも無かったら東棟に行くしかなくなるよな。」
「はい。出来れば危険のある東棟へは足を踏み入れたくはありませんね。」
「だよな。」
ーー不安な気持ちを抱えながらも足を進めていると突き当たりになり、左右へ抜ける通路が存在している。
確認すると、左は小部屋、右はまた先の見えない通路になっている。
「小部屋ですね。ここに鍵があるといいのですが。」
「そうだね。ある事を祈って入ってみますか。」
俺はドアのノブを回すが開かない。鍵がかかっているようだ。
「ここも鍵がかかってるのかよ…」
「タロウさん!左側を見て下さい!電子ロックです!」
牡丹が言う方を見ると電子ロックパネルがあった。
「ここが誠一さんって人が言っていたトコか。」
ーー慎太郎がパネルを操作して状況を探る。
「パスコードがわからないと開けようもありませんね…ヒントも無いみたいですし反対側を行きましょうか?」
「俺の仮説、話していい?」
ーー牡丹がこの場を去ろうと慎太郎に提案すると、慎太郎からは違う言葉が返ってくる。
「仮説ですか…?」
「この電子ロックパネル見てみたけどパスコードは一つだけみたいなんだ。」
「一つですか?前回とは違うのですね。」
「ああ。それで俺なりに考えたんだけど牡丹はこの鍵の造形は『ペガサス座』だって言ったよね?」
「はい。」
「で、さっきの謎解きの答えは夏の大三角。天体に関する事がテーマなのかもしれない。そして他にも鍵がある事から察するに全部で鍵は三本あると思うんだ。例えばこれは銀色だけど、金と銅があるみたいな感じで。」
ーー牡丹は慎太郎の説明を無言で聞く。熱っぽい目で。
「ここからが仮説なんだけど、鍵がみんな『ペガサス座』の文様があったとする。そして三本しか無い事と天体をテーマに考えると、俺が思いつくパスコードは一つしかない。秋の大四辺形だ。そうなると…何かわかるかな?」
「……!アンドロメダですね!?」
「そう。ペガサス座のα、β、γ、そしてアンドロメダ座のαを結ぶ秋の大四辺形。一つだけ欠けているのはアンドロメダ座。それを埋めるのはパスコードって落とし所だと仮説を立ててみたんだけどどうかな?」
「素晴らしい推理だと思います!私は感動致しました!」
ーー牡丹が完全に女の顔で慎太郎を見ている。いい加減にしろバカップル。
「殆ど空想の話だよ。他の鍵だってペガサス座じゃないかもしれないし、三本もないかもしれない。」
「いえ、間違い無く正解です。タロウさんが間違えるはずがありません。」
「あはは、ありがとう。試しに打ってみてもいいかな?そんで、不正解のコード入れたらどんなペナルティーがあるかわからないから牡丹は離れてて欲しいんだよ。」
「嫌です。離れません。」
「本当に何が起こるかわかんないからさ、離れててよ。」
「できません。私はどんな時でもあなたの側にいます。死ぬならばあなたと一緒です。」
ーー牡丹の物言いに慎太郎は困ったような表情を浮かべるが、すぐに観念した。
「しょうがないな。牡丹の命を俺に預けてくれるか?」
「はい。私の人生をあなたに捧げます。未来永劫。」
ーー安定の重さを牡丹は放つ。
そして慎太郎はそれを無言で頷き受け入れる。また牡丹の依存度とLove度が上昇した瞬間であった。
ーー慎太郎がパネルを操作し、『アンドロメダ』と入力する。
すると、
ーーガチャン
「開きました!開きましたよ!!」
牡丹が興奮した様子ではしゃいでいる。可愛い。押し倒したい。子作りしたい。
「牡丹の前でカッコつけられたから良かったよ。」
「タロウさんはいつでも格好良いです。」
ーー爆ぜろバカップル。
俺は解除されたドアのノブを回す。よし、今度は回る。そしてそのままドアを押す。
するとーー
『お待ちしておりましたヨ。タナベシンタロウサマ、シマムラボタンサマ。』
俺たちの前に居たのは仮面をつけたモノだった。
ーー楓たちが地下牢での戦いを繰り広げている中、慎太郎と牡丹は山村へ行く為の脱出口探しに奔走しているが未だに下へ降りる事すら出来ないまま北棟へと進行していた。
「これ困ったな。一向に山村に行けねぇんだけど。それどころか下にも行けねぇし。」
「そうですね。どの部屋にも追加の鍵が見当たらないですし困りました。」
ーー西棟にて下へ降りる為の階段は見つけたのだが扉を開ける事が出来なく2人は鍵探しを行なっているのだが依然として鍵は見つからない。
「ここにも無かったら東棟に行くしかなくなるよな。」
「はい。出来れば危険のある東棟へは足を踏み入れたくはありませんね。」
「だよな。」
ーー不安な気持ちを抱えながらも足を進めていると突き当たりになり、左右へ抜ける通路が存在している。
確認すると、左は小部屋、右はまた先の見えない通路になっている。
「小部屋ですね。ここに鍵があるといいのですが。」
「そうだね。ある事を祈って入ってみますか。」
俺はドアのノブを回すが開かない。鍵がかかっているようだ。
「ここも鍵がかかってるのかよ…」
「タロウさん!左側を見て下さい!電子ロックです!」
牡丹が言う方を見ると電子ロックパネルがあった。
「ここが誠一さんって人が言っていたトコか。」
ーー慎太郎がパネルを操作して状況を探る。
「パスコードがわからないと開けようもありませんね…ヒントも無いみたいですし反対側を行きましょうか?」
「俺の仮説、話していい?」
ーー牡丹がこの場を去ろうと慎太郎に提案すると、慎太郎からは違う言葉が返ってくる。
「仮説ですか…?」
「この電子ロックパネル見てみたけどパスコードは一つだけみたいなんだ。」
「一つですか?前回とは違うのですね。」
「ああ。それで俺なりに考えたんだけど牡丹はこの鍵の造形は『ペガサス座』だって言ったよね?」
「はい。」
「で、さっきの謎解きの答えは夏の大三角。天体に関する事がテーマなのかもしれない。そして他にも鍵がある事から察するに全部で鍵は三本あると思うんだ。例えばこれは銀色だけど、金と銅があるみたいな感じで。」
ーー牡丹は慎太郎の説明を無言で聞く。熱っぽい目で。
「ここからが仮説なんだけど、鍵がみんな『ペガサス座』の文様があったとする。そして三本しか無い事と天体をテーマに考えると、俺が思いつくパスコードは一つしかない。秋の大四辺形だ。そうなると…何かわかるかな?」
「……!アンドロメダですね!?」
「そう。ペガサス座のα、β、γ、そしてアンドロメダ座のαを結ぶ秋の大四辺形。一つだけ欠けているのはアンドロメダ座。それを埋めるのはパスコードって落とし所だと仮説を立ててみたんだけどどうかな?」
「素晴らしい推理だと思います!私は感動致しました!」
ーー牡丹が完全に女の顔で慎太郎を見ている。いい加減にしろバカップル。
「殆ど空想の話だよ。他の鍵だってペガサス座じゃないかもしれないし、三本もないかもしれない。」
「いえ、間違い無く正解です。タロウさんが間違えるはずがありません。」
「あはは、ありがとう。試しに打ってみてもいいかな?そんで、不正解のコード入れたらどんなペナルティーがあるかわからないから牡丹は離れてて欲しいんだよ。」
「嫌です。離れません。」
「本当に何が起こるかわかんないからさ、離れててよ。」
「できません。私はどんな時でもあなたの側にいます。死ぬならばあなたと一緒です。」
ーー牡丹の物言いに慎太郎は困ったような表情を浮かべるが、すぐに観念した。
「しょうがないな。牡丹の命を俺に預けてくれるか?」
「はい。私の人生をあなたに捧げます。未来永劫。」
ーー安定の重さを牡丹は放つ。
そして慎太郎はそれを無言で頷き受け入れる。また牡丹の依存度とLove度が上昇した瞬間であった。
ーー慎太郎がパネルを操作し、『アンドロメダ』と入力する。
すると、
ーーガチャン
「開きました!開きましたよ!!」
牡丹が興奮した様子ではしゃいでいる。可愛い。押し倒したい。子作りしたい。
「牡丹の前でカッコつけられたから良かったよ。」
「タロウさんはいつでも格好良いです。」
ーー爆ぜろバカップル。
俺は解除されたドアのノブを回す。よし、今度は回る。そしてそのままドアを押す。
するとーー
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