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第159話 イチャイチャし過ぎですっ!
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【 美波・慎太郎 組 1日目 AM 9:14 】
1時間ほど歩いてみたが延々と森の中を歩っているだけで何も見つからない。ゼーゲンのおかげで身体能力が強化されているから全然疲れてはいないけど目的地もわからずに彷徨っているのは精神的にくる。
幸いなのは物資は豊富にある事だ。私とタロウさんのラウムの中身を確認した所、以前のトート・シュピールよりも圧倒的に物資は潤っていた。食料と水は十分すぎるほどある。お風呂は残念ながら無かったけど、空間転移トイレはタロウさんのラウムに入っていたのですごく嬉しかった。
あの時はパンとペットボトルの水しか無くて苦労したっけ。でもタロウさんの知恵によって水には困らなかった。本当に頼りになるよねっ。
それにあの頃よりも2人の仲も進展したし…き、キスまでしたしっ…!!このイベントでもっと進展できるといいなっ…!!うん、がんばろうっ!!
「なーんも見つからないな。ずっと同じ景色を見てるみたいだ。」
「そうですよね…ちゃんと進んでいるのかもわからないですし…。ノートゥングはわかる?」
もはや当たり前のように外に出ているノートゥングに尋ねてみる。でもスキルを発動させなくても外に出て来てもらえるのはすごく助かるし心強い。ノートゥングとの関係もずいぶんと変わったよね。最初は攻撃的だったからどうなる事かと思ったけど今じゃ仲良くなれたし。ふふっ、それに可愛いしねっ。
『わからん。妾は道は苦手だ。』
あ、意外かも。ノートゥングって万能だと思ってたから。
「要は方向音痴なわけね。あははは!女王様にも意外な弱点がーーって痛って!?」
タロウさんがノートゥングをからかったからノートゥングがタロウさんの頭をグーで殴る。
『貴様…妾を愚弄しおったな…躾が必要なようだな。』
「はいはいはいはい!やめなさい!」
怒り出すノートゥングを宥めに入る。この子はすぐに怒るんだから。でも今のはタロウさんも悪いかな。
『妾が悪いのではない。この豚が悪いのだ。』
「わかったからやめなさい。タロウさんもですよっ!」
「悪かったよ。人にはそれぞれ弱点があるもんな。いやノートゥングの場合は可愛げが出て長所になったかもな。うんうん。」
『殺すッ…!!』
「うわー!あははは!」
ーー怒ったノートゥングが慎太郎を追いかけ回す。その姿は傍から見ればカップルがイチャついてるようにしか見えなかった。
そして美波の目にも当然そのようにしか映らない。
…さっきからなんなのかな?私は正妻だよ?それなのになんでイチャついてるのを見せつけられないといけないのかな?ムカムカするなぁ。
ーーだが、ここで事態が動く。
ノートゥングが突如足を止める。
『待て。遊びは終わりだ。近くに敵がおるぞ。』
私たちに緊張が走る。体勢を低くし、森の茂みの中へと入る。障害物が多すぎる事で周囲を見渡す事が出来ない。それにより一層緊張感が高まる。
「…気配は感じませんね。どこから来るんでしょうか…?」
「…こっちの事がバレてるかどうかが問題だな。スキルで探知されてるなら隠れてても無駄だから迎え討つしかないが…」
『いや、それは無いな。真っ直ぐこちらへ向かって来ているわけでは無い。結果としてこちらへと来ているだけだな。方角は北西からだ。そちらを見ていれば時期に現れる。』
「…そんな事までわかるの?」
『気配を消して動いているわけでも無い輩の動きを知る事など造作も無い事だ。』
さすがは剣王だ。私には全く気配なんてわからないけどノートゥングには離れていてもそれがわかるという事だ。
「…すごいわね、さすがノートゥング!」
『ふ、フン、別にこの程度の事、妾にすればなんでも無いわ!』
全く嬉しそうな顔しちゃって。こういう所もずいぶん変わったよねっ。ふふっ、可愛い。
「…ツンデレかよ。ーー痛って!!」
タロウさんがボソッと呟くのをノートゥングは見逃さない。
『黙れ豚。』
「…隠れてるんだから殴るのやめてもらえます!?」
「…2人とも静かにして下さいっ!!」
なんか…この2人ってイイ雰囲気になってないかな…?ドラマとかだとこういう雰囲気の2人がくっつくんだよね…
…ダメよ美波。ネガティヴはダメ。あなたは正妻なのよ。もっと余裕を持ちなさい。
「…ごめん。お前のせいで怒られたじゃねーかよ。」
『お前!?貴様誰に向かって口を利いておるのだ?』
タロウさんの物言いに激怒したノートゥングが殴る蹴るの暴行を加える。だけど私にはイチャイチャしてるようにしか見えない。
「痛い痛い!!殴るな!!蹴るな!!」
「うるさーーい!!!」
耐え兼ねた美波の嫉妬が爆発した。
そしてそれにより、こちらへと近づいていたプレイヤーにその存在を知られてしまう。
ーー『声がするぞ!!』
ーー『女の声だ!!』
しまった。またイチャイチャしてるからつい大声を出してしまった。クールにならないといけなかったのに頭に血が上ってしまった。
…でもそれもこれもタロウさんのせいだよねっ。私って正妻がいながらノートゥングとイチャイチャしてるんだもんっ。
「もうっ!!見つかっちゃったじゃないですかっ!!」
「すみません。」
『すまん。』
まったく。この人たちは緊張感が無いよね。さっきからイチャイチャしちゃってさ。そもそもノートゥングは本当に私の味方なのかな?全然アシストしてくれてないよねっ!?私だってイチャイチャしたいのに!!
「向かって来るなら蹴散らすしかありませんっ!!迎え討ちますよっ!!準備して下さいっ!!」
美波が殺気立ってるのを見て慎太郎とノートゥングは気まずそうに目配せをする。
「…ノートゥングのせいで美波怒ってるじゃねーか。」
『…貴様のせいだろ。』
1時間ほど歩いてみたが延々と森の中を歩っているだけで何も見つからない。ゼーゲンのおかげで身体能力が強化されているから全然疲れてはいないけど目的地もわからずに彷徨っているのは精神的にくる。
幸いなのは物資は豊富にある事だ。私とタロウさんのラウムの中身を確認した所、以前のトート・シュピールよりも圧倒的に物資は潤っていた。食料と水は十分すぎるほどある。お風呂は残念ながら無かったけど、空間転移トイレはタロウさんのラウムに入っていたのですごく嬉しかった。
あの時はパンとペットボトルの水しか無くて苦労したっけ。でもタロウさんの知恵によって水には困らなかった。本当に頼りになるよねっ。
それにあの頃よりも2人の仲も進展したし…き、キスまでしたしっ…!!このイベントでもっと進展できるといいなっ…!!うん、がんばろうっ!!
「なーんも見つからないな。ずっと同じ景色を見てるみたいだ。」
「そうですよね…ちゃんと進んでいるのかもわからないですし…。ノートゥングはわかる?」
もはや当たり前のように外に出ているノートゥングに尋ねてみる。でもスキルを発動させなくても外に出て来てもらえるのはすごく助かるし心強い。ノートゥングとの関係もずいぶんと変わったよね。最初は攻撃的だったからどうなる事かと思ったけど今じゃ仲良くなれたし。ふふっ、それに可愛いしねっ。
『わからん。妾は道は苦手だ。』
あ、意外かも。ノートゥングって万能だと思ってたから。
「要は方向音痴なわけね。あははは!女王様にも意外な弱点がーーって痛って!?」
タロウさんがノートゥングをからかったからノートゥングがタロウさんの頭をグーで殴る。
『貴様…妾を愚弄しおったな…躾が必要なようだな。』
「はいはいはいはい!やめなさい!」
怒り出すノートゥングを宥めに入る。この子はすぐに怒るんだから。でも今のはタロウさんも悪いかな。
『妾が悪いのではない。この豚が悪いのだ。』
「わかったからやめなさい。タロウさんもですよっ!」
「悪かったよ。人にはそれぞれ弱点があるもんな。いやノートゥングの場合は可愛げが出て長所になったかもな。うんうん。」
『殺すッ…!!』
「うわー!あははは!」
ーー怒ったノートゥングが慎太郎を追いかけ回す。その姿は傍から見ればカップルがイチャついてるようにしか見えなかった。
そして美波の目にも当然そのようにしか映らない。
…さっきからなんなのかな?私は正妻だよ?それなのになんでイチャついてるのを見せつけられないといけないのかな?ムカムカするなぁ。
ーーだが、ここで事態が動く。
ノートゥングが突如足を止める。
『待て。遊びは終わりだ。近くに敵がおるぞ。』
私たちに緊張が走る。体勢を低くし、森の茂みの中へと入る。障害物が多すぎる事で周囲を見渡す事が出来ない。それにより一層緊張感が高まる。
「…気配は感じませんね。どこから来るんでしょうか…?」
「…こっちの事がバレてるかどうかが問題だな。スキルで探知されてるなら隠れてても無駄だから迎え討つしかないが…」
『いや、それは無いな。真っ直ぐこちらへ向かって来ているわけでは無い。結果としてこちらへと来ているだけだな。方角は北西からだ。そちらを見ていれば時期に現れる。』
「…そんな事までわかるの?」
『気配を消して動いているわけでも無い輩の動きを知る事など造作も無い事だ。』
さすがは剣王だ。私には全く気配なんてわからないけどノートゥングには離れていてもそれがわかるという事だ。
「…すごいわね、さすがノートゥング!」
『ふ、フン、別にこの程度の事、妾にすればなんでも無いわ!』
全く嬉しそうな顔しちゃって。こういう所もずいぶん変わったよねっ。ふふっ、可愛い。
「…ツンデレかよ。ーー痛って!!」
タロウさんがボソッと呟くのをノートゥングは見逃さない。
『黙れ豚。』
「…隠れてるんだから殴るのやめてもらえます!?」
「…2人とも静かにして下さいっ!!」
なんか…この2人ってイイ雰囲気になってないかな…?ドラマとかだとこういう雰囲気の2人がくっつくんだよね…
…ダメよ美波。ネガティヴはダメ。あなたは正妻なのよ。もっと余裕を持ちなさい。
「…ごめん。お前のせいで怒られたじゃねーかよ。」
『お前!?貴様誰に向かって口を利いておるのだ?』
タロウさんの物言いに激怒したノートゥングが殴る蹴るの暴行を加える。だけど私にはイチャイチャしてるようにしか見えない。
「痛い痛い!!殴るな!!蹴るな!!」
「うるさーーい!!!」
耐え兼ねた美波の嫉妬が爆発した。
そしてそれにより、こちらへと近づいていたプレイヤーにその存在を知られてしまう。
ーー『声がするぞ!!』
ーー『女の声だ!!』
しまった。またイチャイチャしてるからつい大声を出してしまった。クールにならないといけなかったのに頭に血が上ってしまった。
…でもそれもこれもタロウさんのせいだよねっ。私って正妻がいながらノートゥングとイチャイチャしてるんだもんっ。
「もうっ!!見つかっちゃったじゃないですかっ!!」
「すみません。」
『すまん。』
まったく。この人たちは緊張感が無いよね。さっきからイチャイチャしちゃってさ。そもそもノートゥングは本当に私の味方なのかな?全然アシストしてくれてないよねっ!?私だってイチャイチャしたいのに!!
「向かって来るなら蹴散らすしかありませんっ!!迎え討ちますよっ!!準備して下さいっ!!」
美波が殺気立ってるのを見て慎太郎とノートゥングは気まずそうに目配せをする。
「…ノートゥングのせいで美波怒ってるじゃねーか。」
『…貴様のせいだろ。』
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