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第39話 シーン開始
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「まずはマイページに行ってメモリーダストを回収するか。」
「そうですね。」
風呂から出てさっそくシーンに挑む為の準備を始める。シーンに進む為のやり方がわからないからとりあえずはマイページに行くしかないだろう。
俺たちはアプリを開いてオレヒスを始めるーー
アプリを開くと同時に俺たちは転送された。相変わらず夜のような闇に包まれた空間にポツンと建物が建っているだけの殺風景な場所だ。こんなホラー感出てる建物に1人だったら入りたくないな。
建物のドアを開け中へ入るが特に変わった様子はない、そう思った時だった。
「あれ?何だか部屋の中が少し綺麗になってませんか?前はもっと廃墟みたいだったような…」
「そうだっけ?そう言われてみれば綺麗になってるような…」
「うーん…気のせいかもしれませんね。とりあえず箱を開けてみましょうか。」
「そうだね。ちゃんと入ってるだろうな。」
薄汚れた箱を開けてみる。すると、中から眩い七色の光を放つメモリーダストが2個確かに入っていた。
「よし、ちゃんとあるな。じゃあ美波のお言葉に甘えていただくね。」
「はいっ。」
美波は嬉しそうにしながら返事をする。
「さて、これで3つ手に入れたけどどうすればーー」
『シーンへ参加するのですね。』
ーー頭の中に声が響く
「そっちから出て来てくれて助かったよ。で、どうすればいい?」
『田辺慎太郎様のシーン部屋の解放を致しましたのでマイページ入口の隣からお進み下さい。』
俺たちは入口の方を向くと先程まで無かった扉が出現している。俺はその扉を開けてみる。するとそこには宇宙のような空間に繋がっていた。
「うわぁ!綺麗ですね!」
『お気に召して頂けたようでなりよりです。さて、この空間にある扉が田辺慎太郎様の最初のシーンとなります。』
宇宙のような空間の中に扉のような物がある。近づいて確認すると扉の上部にプレートがあり、そこには、
【アスカに対するイジメを阻止しろ ☆】
と書いてある。
「アスカって誰ですか?」
美波がいち早くそれに気づき俺に尋ねてくるが…目にハイライトが無い。えっ?なんで?一体何があった?
「ど、どうした美波?なんだかーー」
「いいから答えて下さい。」
「あ、はい。アスカは幼馴染です。」
「その人の事好きなんですか?」
「えっ?」
なんだ?なんでそんな事を?てかハイライトどこに行った。
「なんでそんなーー」
「いいから。」
「あ、はい。好き…ってのとは違うかな。そういう風に考えた事はなかったから。」
「ふふっ!そうなんですねっ!」
え?ハイライトが戻ってる…だと…?なぜだ…?わからん。女はわからん。
「このタイトルみたいなやつと星マークは何なんだ?」
『それはシーンでのテーマです。そのテーマを達成するとシーンクリアとなります。星は難易度を示しております。』
「星1って事は簡単って事だよな?そんなので歴史を変えちゃっていいのか?」
『構いませんよ。星1をクリアしても大きな変化は無いでしょうが次のシーンに進むためには歴史改変が必須となります。』
「は?次?これで終わりじゃないのか?」
『フフ、そんな甘いわけありませんよ。シーンをクリアしていって望みの未来が手に入るのです。1回で叶う事など皆無でしょう。』
「クリアできなかったらどうなるんですか?」
『ゲームオーバーになったらわかりますよ。きっと大変な事になるでしょうね。フフ。』
嫌な野郎だなコイツ。
でも1回で歴史が変わるなら苦労はしないよな。だからみんなイベントに参加してるんだもんな。
『それと協力する事もできます。』
「協力?」
『支配下プレイヤーをお持ちの主人プレイヤーはシーンに1名連れて行く事ができます。田辺慎太郎様と相葉美波様も”赤い糸”で結ばれておりますので条件は同じです。ただし、ゲームオーバーになったら支配下プレイヤーの方も主人プレイヤーの方もペナルティーとなります。』
おい、ペナルティーって言ったな。やっぱり大変な事になるんじゃねぇか。
「美波どうする?別に無理して来なーー」
「行きます!絶対行きます!!」
「ーーあ、はい。」
美波の物凄い圧に屈してしまった。何でこんな気合入ってんのこの子。
『言い忘れましたが支配下プレイヤーを連れて行くとシーン難易度、つまり星が上がりますがよろしいでしょうか?』
「まぁそりゃあそうだよな。どうする美ーー」
「問題ありません!!」
「ーーですよねー。」
何でこんなに食い気味なんだ。そんなにシーンをやってみたいのかな?
『わかりました。ではそのように設定させて頂きます。スキルはイベントとは違い1つだけ装備できます。装備をして行かないとスキル無しとなりますので御注意下さい。また、ラウムは使用不可となりますのでお気をつけ下さい。扉を開けばシーンへと移行致します。御武運を御祈り致しております。』
「早く言えよ。そのまま行ってたら大変な事になってたぞ。」
「そうですよね。オレヒス運営はやっぱり信用できませんね。」
「だね。さて、俺は《剣聖》装備で行くけど美波も《騎士の証》の方がいいよ。何かあったら危険だ。俺が必ず守れるわけではないし。初見なんだから戦闘特化で行こう。」
「わかりましたっ!」
装備も終わり、シーンへ向かおうと扉を見ると、プレートに記載されている難易度が星2に変わっていた。1と2でどれだけ違うかわからないがやるしかないか。
「じゃあ行こうか美波。」
「はいっ!」
俺は扉のノブを回すーー
それと同時に視界が真っ暗になり、意識も遠のいていったーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーまた誰かに呼ばれてる
ーー美波か
ーーいや、違う。何だか懐かしいような声だ
ーーこの声は
「タロウ!!朝だよ!!学校遅刻するよ!!」
脳がそれを認識したと同時に俺は布団から飛び起きた。
「わっ!なにー?起きてたのー?驚かさないでよ、もう!」
「あ、アスカ…?」
「なーに?」
「ほ、本当にアスカなのか…?」
「寝ぼけてるの?変なタロウ。ご飯できてるから食べよ。」
何でアスカがいるんだ…?夢…?いや、違う。オレヒスやってたんだ。シーンの扉をくぐって意識が無くなったんだ。マジで過去に来たのか。この部屋も…間違いない。当時の俺の部屋だ。
「何やってるの!遅刻するでしょ…って、何で泣いてるの!?お腹痛いの!?」
そりゃあ涙も出るだろ。もう2度と会えないと思っていた人に出会えたんだから。
「いや、なんでもないよ。ご飯にしようか。」
「本当に変なタロウ。」
俺のシーン攻略戦が始まるーー
【アスカに対するイジメを止めろ ☆☆】
「そうですね。」
風呂から出てさっそくシーンに挑む為の準備を始める。シーンに進む為のやり方がわからないからとりあえずはマイページに行くしかないだろう。
俺たちはアプリを開いてオレヒスを始めるーー
アプリを開くと同時に俺たちは転送された。相変わらず夜のような闇に包まれた空間にポツンと建物が建っているだけの殺風景な場所だ。こんなホラー感出てる建物に1人だったら入りたくないな。
建物のドアを開け中へ入るが特に変わった様子はない、そう思った時だった。
「あれ?何だか部屋の中が少し綺麗になってませんか?前はもっと廃墟みたいだったような…」
「そうだっけ?そう言われてみれば綺麗になってるような…」
「うーん…気のせいかもしれませんね。とりあえず箱を開けてみましょうか。」
「そうだね。ちゃんと入ってるだろうな。」
薄汚れた箱を開けてみる。すると、中から眩い七色の光を放つメモリーダストが2個確かに入っていた。
「よし、ちゃんとあるな。じゃあ美波のお言葉に甘えていただくね。」
「はいっ。」
美波は嬉しそうにしながら返事をする。
「さて、これで3つ手に入れたけどどうすればーー」
『シーンへ参加するのですね。』
ーー頭の中に声が響く
「そっちから出て来てくれて助かったよ。で、どうすればいい?」
『田辺慎太郎様のシーン部屋の解放を致しましたのでマイページ入口の隣からお進み下さい。』
俺たちは入口の方を向くと先程まで無かった扉が出現している。俺はその扉を開けてみる。するとそこには宇宙のような空間に繋がっていた。
「うわぁ!綺麗ですね!」
『お気に召して頂けたようでなりよりです。さて、この空間にある扉が田辺慎太郎様の最初のシーンとなります。』
宇宙のような空間の中に扉のような物がある。近づいて確認すると扉の上部にプレートがあり、そこには、
【アスカに対するイジメを阻止しろ ☆】
と書いてある。
「アスカって誰ですか?」
美波がいち早くそれに気づき俺に尋ねてくるが…目にハイライトが無い。えっ?なんで?一体何があった?
「ど、どうした美波?なんだかーー」
「いいから答えて下さい。」
「あ、はい。アスカは幼馴染です。」
「その人の事好きなんですか?」
「えっ?」
なんだ?なんでそんな事を?てかハイライトどこに行った。
「なんでそんなーー」
「いいから。」
「あ、はい。好き…ってのとは違うかな。そういう風に考えた事はなかったから。」
「ふふっ!そうなんですねっ!」
え?ハイライトが戻ってる…だと…?なぜだ…?わからん。女はわからん。
「このタイトルみたいなやつと星マークは何なんだ?」
『それはシーンでのテーマです。そのテーマを達成するとシーンクリアとなります。星は難易度を示しております。』
「星1って事は簡単って事だよな?そんなので歴史を変えちゃっていいのか?」
『構いませんよ。星1をクリアしても大きな変化は無いでしょうが次のシーンに進むためには歴史改変が必須となります。』
「は?次?これで終わりじゃないのか?」
『フフ、そんな甘いわけありませんよ。シーンをクリアしていって望みの未来が手に入るのです。1回で叶う事など皆無でしょう。』
「クリアできなかったらどうなるんですか?」
『ゲームオーバーになったらわかりますよ。きっと大変な事になるでしょうね。フフ。』
嫌な野郎だなコイツ。
でも1回で歴史が変わるなら苦労はしないよな。だからみんなイベントに参加してるんだもんな。
『それと協力する事もできます。』
「協力?」
『支配下プレイヤーをお持ちの主人プレイヤーはシーンに1名連れて行く事ができます。田辺慎太郎様と相葉美波様も”赤い糸”で結ばれておりますので条件は同じです。ただし、ゲームオーバーになったら支配下プレイヤーの方も主人プレイヤーの方もペナルティーとなります。』
おい、ペナルティーって言ったな。やっぱり大変な事になるんじゃねぇか。
「美波どうする?別に無理して来なーー」
「行きます!絶対行きます!!」
「ーーあ、はい。」
美波の物凄い圧に屈してしまった。何でこんな気合入ってんのこの子。
『言い忘れましたが支配下プレイヤーを連れて行くとシーン難易度、つまり星が上がりますがよろしいでしょうか?』
「まぁそりゃあそうだよな。どうする美ーー」
「問題ありません!!」
「ーーですよねー。」
何でこんなに食い気味なんだ。そんなにシーンをやってみたいのかな?
『わかりました。ではそのように設定させて頂きます。スキルはイベントとは違い1つだけ装備できます。装備をして行かないとスキル無しとなりますので御注意下さい。また、ラウムは使用不可となりますのでお気をつけ下さい。扉を開けばシーンへと移行致します。御武運を御祈り致しております。』
「早く言えよ。そのまま行ってたら大変な事になってたぞ。」
「そうですよね。オレヒス運営はやっぱり信用できませんね。」
「だね。さて、俺は《剣聖》装備で行くけど美波も《騎士の証》の方がいいよ。何かあったら危険だ。俺が必ず守れるわけではないし。初見なんだから戦闘特化で行こう。」
「わかりましたっ!」
装備も終わり、シーンへ向かおうと扉を見ると、プレートに記載されている難易度が星2に変わっていた。1と2でどれだけ違うかわからないがやるしかないか。
「じゃあ行こうか美波。」
「はいっ!」
俺は扉のノブを回すーー
それと同時に視界が真っ暗になり、意識も遠のいていったーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーまた誰かに呼ばれてる
ーー美波か
ーーいや、違う。何だか懐かしいような声だ
ーーこの声は
「タロウ!!朝だよ!!学校遅刻するよ!!」
脳がそれを認識したと同時に俺は布団から飛び起きた。
「わっ!なにー?起きてたのー?驚かさないでよ、もう!」
「あ、アスカ…?」
「なーに?」
「ほ、本当にアスカなのか…?」
「寝ぼけてるの?変なタロウ。ご飯できてるから食べよ。」
何でアスカがいるんだ…?夢…?いや、違う。オレヒスやってたんだ。シーンの扉をくぐって意識が無くなったんだ。マジで過去に来たのか。この部屋も…間違いない。当時の俺の部屋だ。
「何やってるの!遅刻するでしょ…って、何で泣いてるの!?お腹痛いの!?」
そりゃあ涙も出るだろ。もう2度と会えないと思っていた人に出会えたんだから。
「いや、なんでもないよ。ご飯にしようか。」
「本当に変なタロウ。」
俺のシーン攻略戦が始まるーー
【アスカに対するイジメを止めろ ☆☆】
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