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理由
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「……と、言うわけだ」
「なるほどな~、車がわからない以上、間違える可能性がある……だから攻撃できないわけか……」
俺、雄馬は宗太郎にこれ以上、犯人を追わない訳を説明した。今まで俺たちは、乗っている車がリムジンだと断定できていたおかげで、追えていただけだ。だが、それがわからなくなると話は変わる。近くに来たとしても、他の車がカモフラージュになるおかげで、犯人を見つけるのは困難を極めるだろう。
「ん……? 待てよ? それを探すために索敵スキルを持ったチェス隊員と通信をつないだんじゃなかったのか?」
宗太郎がまたしても疑問をぶつけてくる。確かに、その程度のこと、索敵スキル保持者に場所を聞けば、車体関係なしに正確な位置を特定できるだろう。
だが、俺がそのことを考えなかったわけがない。それを踏まえた上で、俺は逃げられてしまうと判断したのだ。
「それは無理だな……」
「なんでだよ? 索敵スキルだろ?」
「索敵スキルにも種類はあると言う事だ……パーキングエリアの時、優斗がこぼした言葉を思い出してみろ」
「言葉……? え~っと……"反応が2つ"だっけか?」
「そうだ。俺はその発言から、通信しているチェス隊のスキルをある程度、理解できたんだ」
ここまでくれば、ピンとくるかと思ったが、宗太郎はそこまでピンと来ていないようだ。
(……まぁ、そこまで頭が切れるタイプじゃないからな……仕方あるまい)
「優斗は……犯人がどこにいるかの説明ではなく、反応と言ったんだ……つまり、そもそもチェス隊員の索敵スキルは俺たちが思っていたような、位置が手に取るようにわかるスキルじゃない……敵がどこにいるか……その場所が反応するスキルだったわけだ」
「んん……?」
「……言い方を変えよう。探したい人物の位置をしっかりと正確に見据え、シルエットもわかる。そんなスキルと、頭の中に地図が浮かび、特定したい人物の位置が発光するスキル……今回の任務に合うスキルはなんだと思う?」
「そりゃぁ前者のスキルだろ。より正確な位置がわかったほうがやりやすいし…………ん?てことは……」
(さすがに気づいたか……)
「今回のスキル保持者って……後者の方だったってことか?」
「そういう事だ」
そうじゃないとしたら、リムジンから移動したことを気づかない訳がない。それに加えて、反応と言う単語。それが決定的だった。バラバラだったパズルとパズルがつながった瞬間である。
「なんでそんな奴に異能大臣は頼んだんだ?スキル内容を知らんわけじゃないだろうし……」
「それは異能大臣に聞かなければわからない」
(そもそも今回の任務、不自然なところだらけだった……一体何が起こってる?異能大臣は何が目的だ?)
異能大臣に聞かなければと決意を固め、ゆっくりと夜は更けていく……
「なるほどな~、車がわからない以上、間違える可能性がある……だから攻撃できないわけか……」
俺、雄馬は宗太郎にこれ以上、犯人を追わない訳を説明した。今まで俺たちは、乗っている車がリムジンだと断定できていたおかげで、追えていただけだ。だが、それがわからなくなると話は変わる。近くに来たとしても、他の車がカモフラージュになるおかげで、犯人を見つけるのは困難を極めるだろう。
「ん……? 待てよ? それを探すために索敵スキルを持ったチェス隊員と通信をつないだんじゃなかったのか?」
宗太郎がまたしても疑問をぶつけてくる。確かに、その程度のこと、索敵スキル保持者に場所を聞けば、車体関係なしに正確な位置を特定できるだろう。
だが、俺がそのことを考えなかったわけがない。それを踏まえた上で、俺は逃げられてしまうと判断したのだ。
「それは無理だな……」
「なんでだよ? 索敵スキルだろ?」
「索敵スキルにも種類はあると言う事だ……パーキングエリアの時、優斗がこぼした言葉を思い出してみろ」
「言葉……? え~っと……"反応が2つ"だっけか?」
「そうだ。俺はその発言から、通信しているチェス隊のスキルをある程度、理解できたんだ」
ここまでくれば、ピンとくるかと思ったが、宗太郎はそこまでピンと来ていないようだ。
(……まぁ、そこまで頭が切れるタイプじゃないからな……仕方あるまい)
「優斗は……犯人がどこにいるかの説明ではなく、反応と言ったんだ……つまり、そもそもチェス隊員の索敵スキルは俺たちが思っていたような、位置が手に取るようにわかるスキルじゃない……敵がどこにいるか……その場所が反応するスキルだったわけだ」
「んん……?」
「……言い方を変えよう。探したい人物の位置をしっかりと正確に見据え、シルエットもわかる。そんなスキルと、頭の中に地図が浮かび、特定したい人物の位置が発光するスキル……今回の任務に合うスキルはなんだと思う?」
「そりゃぁ前者のスキルだろ。より正確な位置がわかったほうがやりやすいし…………ん?てことは……」
(さすがに気づいたか……)
「今回のスキル保持者って……後者の方だったってことか?」
「そういう事だ」
そうじゃないとしたら、リムジンから移動したことを気づかない訳がない。それに加えて、反応と言う単語。それが決定的だった。バラバラだったパズルとパズルがつながった瞬間である。
「なんでそんな奴に異能大臣は頼んだんだ?スキル内容を知らんわけじゃないだろうし……」
「それは異能大臣に聞かなければわからない」
(そもそも今回の任務、不自然なところだらけだった……一体何が起こってる?異能大臣は何が目的だ?)
異能大臣に聞かなければと決意を固め、ゆっくりと夜は更けていく……
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