61 / 69
陰の章
義信幽閉
しおりを挟む
夏が過ぎ、秋を迎える頃。事態は動き始める。
飯富虎昌が親今川派の家臣の取り纏めに成功したのである。密かに集まり、信玄暗殺の連判状により誓いを新たにしたのである。
「今の御館様は間違っておる。今こそ、武田をあるべき姿に正すときぞ!」
虎昌の言葉に一同は頷きあった。
だが、このとき彼らは気付いていなかった。その様子を密かに盗み見られていることを……。
「飯富殿が首謀者となり、御館様の暗殺及び若殿の家督簒奪を目論んでおるようです」
「そうか……」
素波からの報告は前もって分かっていたとはいえ、信玄の落胆は大きかった。
「それで如何なさいますか?」
「その前に一つ問いたい」
「何なりと」
「此度の一件に義信は関わりは無いのだな?」
「はい。あくまでも飯富殿の独断です」
「そうか……」
その事実は信玄にとって唯一の救いであった。
「これからも虎昌から目を離すな」
「御意」
信玄はこの暗殺計画を如何に止めるかの算段を始めるのだった。
それから三日ほど経った頃、信玄に目通りを申し出た者があった。それは虎昌の弟、飯富昌景であった。
「昌景、如何した?」
「御館様……」
その表情がいつになく硬いのを見て取り、信玄は訝しんだ。
(もしや……)
信玄は口を開こうとしては躊躇い俯くを繰り返す昌景にズバリ問いただした。
「虎昌のことか?」
「!!」
昌景が言葉を失うほど動揺している。それだけで何を告げに来たか信玄には分かった。
「儂の暗殺を計画しているといったところか……」
「御館様、何故それを?」
信玄はため息をついて、昌景に耳打ちをする。それには昌景も心底驚いていたようだ。
「して、如何するおつもりで?」
「そこよ。実は儂もどうすべきか頭を悩ませておる」
「兄は間違っております。今すぐにでも止めねば!!」
昌景の告白に信玄は心を痛めた。
信玄にとって、いや、武田家にとって飯富兄弟はなくてはならない存在である。それは甲斐の黒駒に代表される馬たちの飼育を担っているからだ。武田の機動力はまさに飯富兄弟の賜物と言っても過言ではない。更に義信を中心とした赤備えも虎昌が鍛え上げた部隊である。
「昌景、暫し儂に時をくれぬか?」
「御館様……」
「上手くいくかどうか分からぬが、止める手立てを考える」
自分の肩に手を置き、そう語る信玄に昌景はただただ頷いたのであった。
「で、俺にどうしろって言うのですか?」
「ちょっとばかし手を貸せといっておるだけだ」
「ちょっと、ですか?」
信玄は信之の元を訪れていた。
虎昌を思いとどまらせるための策を考えついたが、上手くいったとしても義信に危険が迫りかねない。だからといって、実直で曲がったことが嫌いな義信に事前に話せば失敗する恐れがある。策士の資質は次男・信親にあるが、今は重騎兵の育成で海野を離れられない。そうなれば、甲府で鉄砲隊を指揮している三男・信之の力を借りるより他なかった。
「先日の一件で義信との仲がギクシャクしておるのだ」
「それは存じております」
「おまけに妙な噂まで流れておる」
「それは自業自得でしょう」
信之の気のない返事に信玄はぐうの音も出ない。それに追い打ちをかけるように信之は言い切った。
「父上は閨の順番を違えて、母上と大喧嘩になったと聞きましたが?」
「あ、あれは……」
まさか、あの夜のことを持ち出されるとは思っていなかったので信玄は慌てふためく。
「で、母上から何を聞いたのですか?」
信之がそれまでと表情を一変して聞き返す。どうやら、信玄が言わんとしていることを既に知っているようである。信玄はため息をつき、知る限りのことを信之に話す。
「多重が兵部を唆しているらしい」
「あの多重が? 何故です?」
「先日の評定で信君が提案した駿河侵攻に義信が真っ向から異を唱えた」
「あれは至極まっとうなことでしょう」
「義信の性格なら当然の反応だ。それに妙な尾ひれが付いて義信を廃嫡して駿河侵攻を強行するとの憶測が流れておる」
信玄が一際大きなため息をつく。さすがの信之も驚いたのか、目を丸くしている。
「いくら何でもそんな馬鹿げた話に乗る者など……」
「いや、親今川派からすれば戯れ言ではすまない」
「なるほど、それで飯富の周辺が騒がしいのですな」
「知っておったのか?」
信之は頷いた。
実は信之が連れて帰ってきて雑賀党・鈴木氏の娘・桔梗は諜報活動も得意としていた。日頃から信之の力になりたいと思っていた桔梗は不測の事態が起きないように目を光らせていたのである。
「なかなか有能な嫁だのぉ」
「直見殿ほどではありませぬ」
信之が知り得ていた情報は直見からもたらされたそれと同等のものであった。
「先日は昌景からも虎昌が儂の暗殺を企てておるようなので止めて欲しいと懇願された」
「それで、父上はどのような手をお考えなのですか?」
信玄は義信と激しく対立し、その結果として蟄居謹慎を命じ、幽閉するつもりであった。そうすることで虎昌らの暗殺の企てを敢えて実行させる機会を与えようというのだ。
「虎昌はそれに乗りましょうか?」
「乗ってくる。そして、義信に接触しようとするだろう」
「それでは失敗すれば兄上もろとも……」
「わかっておる。そうならぬ為にお前に手伝って貰いたいのだ」
信玄は信之に耳打ちをした。
聞き終わると信之は半信半疑と言わんばかりに眉根を寄せる。それでも信玄は上手くいくことを確信していた。
「義信は幼い頃から聡い子であった。僅かな手がかりといえど、必ずや儂の真意に気付いてくれるはずだ」
「その、手がかりをほのめかすのが俺って事ですか……」
「頼むぞ」
期待の籠もった目を向けられては信之も受けざるを得なかった。
信玄はすぐに取りかかり、評定を開くために重臣たちを集める。
「御館様、此度は一体何の為の評定でしょうか?」
「うむ。先日信君が示した駿河侵攻についてだ」
その言葉にざわつく。
前回は信玄も乗り気ではない様子だった上に義信も反対したのだ。当然、あの話は立ち消えとなったと思っていた。それがまさか議題としたがるとは予想だにしていなかったのであろう。
「父上! 本気なのですか?」
「勿論、すぐに攻めるという訳ではない」
「いずれにしても、父上は今川との同盟を破棄するおつもりなのですね」
「それは今川次第だ」
その言葉に義信の表情が険しくなる。まさに一触即発といった雰囲気が場を包む。
「何の根拠があるのでしょうか?」
不意に口を開いたのは虎昌であった。その目はいつになく鋭い。それに気付いた昌景に緊張の色が浮かぶ。信玄は敢えて気付かぬフリをしてその問いに答えた。
「遠江衆が寿桂尼殿の指示で次々と粛正されておる」
「!!」
虎昌の顔色が変わる。信玄の言わんとしていることを感じ取ったからだ。
「このままでは遠江は松平のものとなろう。既に幾人かは松平に仕官したと伝え聞いておる」
「そんなことが……」
「このままでは遠江をかすめ取られる。氏真殿が東奔西走しようが止められぬであろう」
「松平に獲られるくらいなら我ら武田のものにしてしまえば良いと?」
再び眼光鋭くなた虎昌に対して信玄は頷いた。筋の通った話に虎昌は反論出来ない。ましてや、多くの重臣が信玄の意見に賛同のを示しているのは明らかである。虎昌はため息をつき、自身の意見を引っ込めるしかないと判断した。
だが、それに真っ向から異を唱える者が現れた。嫡男・義信だ。
「お待ち下さい! それでは武田は信義にもとると誹られましょう」
「そうであるな」
「ならば!!」
「だが、世情は刻一刻と変わっておるのだ。今日味方である者が明日には敵になる。そのようなこと、日常茶飯事だ」
「だから、武田もそのように掌を返すと?」
「何も殺そうという訳では……」
それ以上信玄が言葉を紡ぐことはなかった。何故なら、激高した義信に胸ぐらを掴まれ、左頬に拳を叩き込まれたからだ。
「若殿!?」
慌てたのは虎昌であった。まさか、この場で義信が父である信玄を殴り飛ばすなど思ってもみなかったからだ。
「おやめ下され」
「下がれ、兵部! 最早我慢ならん!! 言葉で止められぬのなら力尽くで止める!!!」
義信は再び信玄に殴りかかろうとした。虎昌は羽交い締めにして義信を止める。
その様子を見ていた信玄が口元を拭い、ゆらりと立ち上がる。
「兵部、離してやれ」
「しかし!」
「構わぬ。言うて分からぬなら拳で語るまで」
信玄の瞳に獰猛な獣の光が浮かび上がる。虎昌はゴクリと唾を飲み込んだ。今までに見たことのない表情だったからだ。
「この……、分からず屋が!!」
信玄の拳が義信の頬を捕らえる。齢四十五とは思えぬ力で動きで、さすがの義信も避けきれず、後ろに吹き飛んだ。
「若殿!?」
義信の体を受け止めた昌景らが声をかける。それを見下ろすように信玄が近づいてくる。その目はまるで不動明王の如く睨みつけていた。
「義信、そなたには蟄居謹慎を命じる」
「!」
それだけ命じると、背を向けた。悔しさに義信がその拳で床を叩く。
「東光寺に籠もり、頭を冷やせ」
それだけ言い残すとその場を立ち去った。
その後、義信は全ての任を解かれ、東光寺に幽閉されてしまったのである。
武田の天下統一に暗雲が立ちこめ始めたのだった。
飯富虎昌が親今川派の家臣の取り纏めに成功したのである。密かに集まり、信玄暗殺の連判状により誓いを新たにしたのである。
「今の御館様は間違っておる。今こそ、武田をあるべき姿に正すときぞ!」
虎昌の言葉に一同は頷きあった。
だが、このとき彼らは気付いていなかった。その様子を密かに盗み見られていることを……。
「飯富殿が首謀者となり、御館様の暗殺及び若殿の家督簒奪を目論んでおるようです」
「そうか……」
素波からの報告は前もって分かっていたとはいえ、信玄の落胆は大きかった。
「それで如何なさいますか?」
「その前に一つ問いたい」
「何なりと」
「此度の一件に義信は関わりは無いのだな?」
「はい。あくまでも飯富殿の独断です」
「そうか……」
その事実は信玄にとって唯一の救いであった。
「これからも虎昌から目を離すな」
「御意」
信玄はこの暗殺計画を如何に止めるかの算段を始めるのだった。
それから三日ほど経った頃、信玄に目通りを申し出た者があった。それは虎昌の弟、飯富昌景であった。
「昌景、如何した?」
「御館様……」
その表情がいつになく硬いのを見て取り、信玄は訝しんだ。
(もしや……)
信玄は口を開こうとしては躊躇い俯くを繰り返す昌景にズバリ問いただした。
「虎昌のことか?」
「!!」
昌景が言葉を失うほど動揺している。それだけで何を告げに来たか信玄には分かった。
「儂の暗殺を計画しているといったところか……」
「御館様、何故それを?」
信玄はため息をついて、昌景に耳打ちをする。それには昌景も心底驚いていたようだ。
「して、如何するおつもりで?」
「そこよ。実は儂もどうすべきか頭を悩ませておる」
「兄は間違っております。今すぐにでも止めねば!!」
昌景の告白に信玄は心を痛めた。
信玄にとって、いや、武田家にとって飯富兄弟はなくてはならない存在である。それは甲斐の黒駒に代表される馬たちの飼育を担っているからだ。武田の機動力はまさに飯富兄弟の賜物と言っても過言ではない。更に義信を中心とした赤備えも虎昌が鍛え上げた部隊である。
「昌景、暫し儂に時をくれぬか?」
「御館様……」
「上手くいくかどうか分からぬが、止める手立てを考える」
自分の肩に手を置き、そう語る信玄に昌景はただただ頷いたのであった。
「で、俺にどうしろって言うのですか?」
「ちょっとばかし手を貸せといっておるだけだ」
「ちょっと、ですか?」
信玄は信之の元を訪れていた。
虎昌を思いとどまらせるための策を考えついたが、上手くいったとしても義信に危険が迫りかねない。だからといって、実直で曲がったことが嫌いな義信に事前に話せば失敗する恐れがある。策士の資質は次男・信親にあるが、今は重騎兵の育成で海野を離れられない。そうなれば、甲府で鉄砲隊を指揮している三男・信之の力を借りるより他なかった。
「先日の一件で義信との仲がギクシャクしておるのだ」
「それは存じております」
「おまけに妙な噂まで流れておる」
「それは自業自得でしょう」
信之の気のない返事に信玄はぐうの音も出ない。それに追い打ちをかけるように信之は言い切った。
「父上は閨の順番を違えて、母上と大喧嘩になったと聞きましたが?」
「あ、あれは……」
まさか、あの夜のことを持ち出されるとは思っていなかったので信玄は慌てふためく。
「で、母上から何を聞いたのですか?」
信之がそれまでと表情を一変して聞き返す。どうやら、信玄が言わんとしていることを既に知っているようである。信玄はため息をつき、知る限りのことを信之に話す。
「多重が兵部を唆しているらしい」
「あの多重が? 何故です?」
「先日の評定で信君が提案した駿河侵攻に義信が真っ向から異を唱えた」
「あれは至極まっとうなことでしょう」
「義信の性格なら当然の反応だ。それに妙な尾ひれが付いて義信を廃嫡して駿河侵攻を強行するとの憶測が流れておる」
信玄が一際大きなため息をつく。さすがの信之も驚いたのか、目を丸くしている。
「いくら何でもそんな馬鹿げた話に乗る者など……」
「いや、親今川派からすれば戯れ言ではすまない」
「なるほど、それで飯富の周辺が騒がしいのですな」
「知っておったのか?」
信之は頷いた。
実は信之が連れて帰ってきて雑賀党・鈴木氏の娘・桔梗は諜報活動も得意としていた。日頃から信之の力になりたいと思っていた桔梗は不測の事態が起きないように目を光らせていたのである。
「なかなか有能な嫁だのぉ」
「直見殿ほどではありませぬ」
信之が知り得ていた情報は直見からもたらされたそれと同等のものであった。
「先日は昌景からも虎昌が儂の暗殺を企てておるようなので止めて欲しいと懇願された」
「それで、父上はどのような手をお考えなのですか?」
信玄は義信と激しく対立し、その結果として蟄居謹慎を命じ、幽閉するつもりであった。そうすることで虎昌らの暗殺の企てを敢えて実行させる機会を与えようというのだ。
「虎昌はそれに乗りましょうか?」
「乗ってくる。そして、義信に接触しようとするだろう」
「それでは失敗すれば兄上もろとも……」
「わかっておる。そうならぬ為にお前に手伝って貰いたいのだ」
信玄は信之に耳打ちをした。
聞き終わると信之は半信半疑と言わんばかりに眉根を寄せる。それでも信玄は上手くいくことを確信していた。
「義信は幼い頃から聡い子であった。僅かな手がかりといえど、必ずや儂の真意に気付いてくれるはずだ」
「その、手がかりをほのめかすのが俺って事ですか……」
「頼むぞ」
期待の籠もった目を向けられては信之も受けざるを得なかった。
信玄はすぐに取りかかり、評定を開くために重臣たちを集める。
「御館様、此度は一体何の為の評定でしょうか?」
「うむ。先日信君が示した駿河侵攻についてだ」
その言葉にざわつく。
前回は信玄も乗り気ではない様子だった上に義信も反対したのだ。当然、あの話は立ち消えとなったと思っていた。それがまさか議題としたがるとは予想だにしていなかったのであろう。
「父上! 本気なのですか?」
「勿論、すぐに攻めるという訳ではない」
「いずれにしても、父上は今川との同盟を破棄するおつもりなのですね」
「それは今川次第だ」
その言葉に義信の表情が険しくなる。まさに一触即発といった雰囲気が場を包む。
「何の根拠があるのでしょうか?」
不意に口を開いたのは虎昌であった。その目はいつになく鋭い。それに気付いた昌景に緊張の色が浮かぶ。信玄は敢えて気付かぬフリをしてその問いに答えた。
「遠江衆が寿桂尼殿の指示で次々と粛正されておる」
「!!」
虎昌の顔色が変わる。信玄の言わんとしていることを感じ取ったからだ。
「このままでは遠江は松平のものとなろう。既に幾人かは松平に仕官したと伝え聞いておる」
「そんなことが……」
「このままでは遠江をかすめ取られる。氏真殿が東奔西走しようが止められぬであろう」
「松平に獲られるくらいなら我ら武田のものにしてしまえば良いと?」
再び眼光鋭くなた虎昌に対して信玄は頷いた。筋の通った話に虎昌は反論出来ない。ましてや、多くの重臣が信玄の意見に賛同のを示しているのは明らかである。虎昌はため息をつき、自身の意見を引っ込めるしかないと判断した。
だが、それに真っ向から異を唱える者が現れた。嫡男・義信だ。
「お待ち下さい! それでは武田は信義にもとると誹られましょう」
「そうであるな」
「ならば!!」
「だが、世情は刻一刻と変わっておるのだ。今日味方である者が明日には敵になる。そのようなこと、日常茶飯事だ」
「だから、武田もそのように掌を返すと?」
「何も殺そうという訳では……」
それ以上信玄が言葉を紡ぐことはなかった。何故なら、激高した義信に胸ぐらを掴まれ、左頬に拳を叩き込まれたからだ。
「若殿!?」
慌てたのは虎昌であった。まさか、この場で義信が父である信玄を殴り飛ばすなど思ってもみなかったからだ。
「おやめ下され」
「下がれ、兵部! 最早我慢ならん!! 言葉で止められぬのなら力尽くで止める!!!」
義信は再び信玄に殴りかかろうとした。虎昌は羽交い締めにして義信を止める。
その様子を見ていた信玄が口元を拭い、ゆらりと立ち上がる。
「兵部、離してやれ」
「しかし!」
「構わぬ。言うて分からぬなら拳で語るまで」
信玄の瞳に獰猛な獣の光が浮かび上がる。虎昌はゴクリと唾を飲み込んだ。今までに見たことのない表情だったからだ。
「この……、分からず屋が!!」
信玄の拳が義信の頬を捕らえる。齢四十五とは思えぬ力で動きで、さすがの義信も避けきれず、後ろに吹き飛んだ。
「若殿!?」
義信の体を受け止めた昌景らが声をかける。それを見下ろすように信玄が近づいてくる。その目はまるで不動明王の如く睨みつけていた。
「義信、そなたには蟄居謹慎を命じる」
「!」
それだけ命じると、背を向けた。悔しさに義信がその拳で床を叩く。
「東光寺に籠もり、頭を冷やせ」
それだけ言い残すとその場を立ち去った。
その後、義信は全ての任を解かれ、東光寺に幽閉されてしまったのである。
武田の天下統一に暗雲が立ちこめ始めたのだった。
0
お気に入りに追加
444
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる