【R18】転生先は男女比1:30の貞操逆転世界~ビッチを夢見る三十路の魂~

尾和 ハボレ

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『仕事先の社長さんと面接』

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『仕事先の社長さんと面接』

先生に氷雨さんの名刺を渡した三日後。

つまり週をまたいだ月曜日。

昼休みの屋上に呼び出されたオレは先生と昼食をとっていた。

「氷雨先輩と段取りをつけてきた。今週の放課後で空いている日はあるか? ほら、今度は卵焼きだ、あーん」
「今週ですか? いつでも大丈夫ですよ。あーん」

先生のひざの上の大きな弁当箱から卵焼きをあーんされながら、オレはいつでも大丈夫だと予定を伝える。

「よし、では金曜以外にしよう。水曜あたりでどうだ?」
「どうして金曜以外なんですか?」

金曜日なら時間が遅くなってもいいし、気楽だと思うが。

「約束しただろ! 先週のぶんまで今週末は執事服を着てワンワンしてくれると言ったじゃないか!」
「そういえばそうでした。少しばかり約束内容がアレンジされていますけど」

執事コスプレは本気だったようだ。衣装の調達はどうしたものか。

例のアダルトショップにもさすがに置いてないだろうしなぁ。

「それに次の日が休みだと先輩にお持ち帰りされるかもしれん。良識と常識のある人だが、先輩も女だからな? お前のような若いイケメン相手に理性が勝つ保証もない。その場合、私が力づくで時間を稼ぐから逃げろ」

腕っぷしでは勝てない相手らしい。それはともかく。

「ボクだって女性と見れば誰でも彼でもついていくわけではありませんよ? 次、から揚げがいいです」
「どの口が言うのか。この減らず口か。ほれ、あーん」

口の中に入る、先生お手製のから揚げ。

冷めても美味しいのは弁当のおかず七不思議だ。

「けど先生」

この話が出た後、オレは色々と考え、あえて確認する事にした。

「ん?」
「お持ち帰りがどうとかおっしゃいますけど、先生が紹介してくれるという事は――諸々、含めてオッケーという事ですよね? ボクがセフレを増やしたいというお話は以前にもしていますし」

そうでなければ、アルバイト先とは言え、女性の先輩をわざわざ紹介してくれるはずがない。

「……宮城」

先生が箸をおいて、オレを見る。

「私だってお前を独り占めできる時間を減らしたくない。だが私の知らない所で変な女にひっかかるより、お前のタメになる相手を紹介した方がいいと判断した」

先生は魔法瓶から暖かいお茶をカップに注いでオレに差し出す。

「氷雨先輩は本当に尊敬できるお人だ。興した会社も新進気鋭と言われ、飛ぶ鳥を落とす勢いだし、卒業後のお前の進路の一つとしても有望だ。後々お前が望む進路が進学であれ、就職であれ、社会的立場の高い相手に伝手は作っておいて損はない」
「あ、そこまで考えてくださっていたんですか」

根は真面目な先生である。

「もちろん押し付けるつもりはないぞ。先輩と会ってみてお前の好みに合えば、後はお前の自由意思に任せる。進路も含めてな。その結果がどうあれ、私はこの女心を痛めつつも歓迎する。女の独占欲を男が嫌悪するのはわかっているが愚痴ぐらいは言わせてくれ」
「先生のような寛大で包容力のある女性は大好きですよ」
「おべっかはいい。しかし本当にお前は氷雨先輩の容姿、というか、身長や胸囲に対してマイナスイメージがないのか? 氷雨先輩の容姿はお世辞にも男性に好かれるものではないのだが……」

いまだ信じられないという顔の先生。

「むしろプラスイメージしかありませんよ」
「そ、そうか……」

ちらりと自分の胸に視線を落とす冬原先生。

「先生の胸も大好きですよ?」
「そうか!」

この世界の美意識というものは、転生していまだ数か月のオレにとって一生馴染む事はないだろう。

おっぱいに貴賎なし。

前世で培った貴い思想がこの世界に広がる事はないとしても。

せめてオレだけは孤独な性者、もとい聖者として、この手で揉める範囲のおっぱい、もといこの手が届く範囲の女性にはそう接したい。

「では水曜日の放課後はいいか? 私も同席するから車で送ってやる」
「本当に付き添いを? ボクが無理やりお持ち帰りされるかもしれないからですか?」
「違う。いや、それも違わないが、女が男性相手に面談や面接をする場合、密室を避け、三人以上の場を設けるのが常識だ。先だって、私がお前を進路指導室に呼んだ時も山崎先生が同席していただろう?」
「ああ。ありましたね、そんな事も」

まだ一か月ぐらい前の事なのに、妙に懐かしい。

「密室で男女が二人きりだとトラブルになりやすい。男性がセクハラを受けたとか、女性がえん罪に巻き込まれたとか、そういった事の防止策だよ。いや、お前がどうこうという話じゃないぞ。あくまで一般論だし、氷雨先輩も常識的な対応として私に同席を依頼してきた」
「どちらかというとボクがセクハラする方ですからね」
「減らず口め。この一番デカい唐揚げで黙らせてやる」
「あーん」

というわけで明後日の水曜日、オレは例の氷雨社長との面接が決まった。



---お知らせ---

明日の夜(21時ぐらいを予定)よりノクターンノベルにて改稿修正版の転載を始めます。
以前お伝えしたように、大きな変更点は三つです。
・タイトルを変更(こちらは元に戻すかもしれません)
・空手部廃部→存続
・春日井のチート削除→素のエロさで主人公のチートに対抗
上記の設定が反映されるのは氷雨の次のヒロインの話からとなります。
本筋は変わりませんので、ノクターン版をわざわざ読み返して頂く必要はありませんが、アルファポリス版の方での修正は困難のためこのままとさせて頂きます。ご了承ください
ノクターン版に関しては明日、改めてURLなど活動報告にて更新いたしますので、よろしければご覧ください。
それでは今後ともよろしくお願いいたします。
今日はもう一話あがります。
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