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『死屍累々』
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『死屍累々』
「え、は、ちょっと待ってくださ……ッ」
さすがにここまでされると思っていなかったのか、薫ちゃんが逃げようとしたので再びその手を捕まえる。
そしてそのまま両肩をソファに押し付けるようにして、正面から薫ちゃんを見る。
まるでこれからキスをするかのような体勢だ。
エリちゃんとユリちゃんの視線が刺さっているのが感じる。
「ふふふ」
「え、えっと、み、耳ッスよね?」
「そうだよ?」
オレはさきほど首筋にキスをした時のように覆いかぶさった。
右耳にキスをしながら、左手で抱き寄せた薫ちゃんの顔、その頬に指を這わせていき左耳に触れる。
「ひっひぁ!」
両耳をイジられた薫ちゃんが体を硬直させる。
左手でイジっている耳の穴に指を入れてみる。
「うっ、ひっ」
くすぐったいのだろう。体をねじってもぞもぞと始める。
ではコレはどうだろうか? と右耳の穴を舌で舐めてみる。
「ひゃあああ、ああああっ!?」
悲鳴があがった。
オレはショーコちゃん同様に、こちらも十秒ほど堪能して開放した。
ソファに体を預けてピクリともしなくなったカオルちゃんを、隣でただ見ているしかできなかったエリちゃんがその肩をゆする。
「カ、カオル? 生きてる? これ、何本?」
「ろっ……六本……」
「ダメだ、死んでる」
オレは再び、ダイスを手に取った。
「さ、次いこうか? 次は誰から振るのかな?」
エリちゃんとユリちゃんが同時に手を出した。
ショーコちゃんはプルプルしながら起き上がり。
薫ちゃんも震えながら、テーブルの前へ戻ってくる。
***
それから二十分ほど経っただろうか。
「みんな大丈夫?」
オレの声に答える子はいない。
丸イスに座っていられなくなったショーコちゃんは、床にへたり込んだままだ。
短いスカートからのぞく太ももにはオレのキスマークがある。
ユリちゃんも同様で、オレの首筋にキスマークをつける途中で頭がフットーしそうです、と言いながらオレに抱きかかえながら崩れ落ちた。
エリちゃんは薫ちゃんの耳たぶを共食いした時、自分のダイス運の不幸さに泣き始めてしまったので、オレはサービスで薫ちゃんの耳たぶを甘噛みさせたままにさせて、そのエリちゃんの耳たぶをハミハミしてあげた。
もはや事実上の3Pである。
「ふぐっふぐ!」
オレに耳たぶをかわいがられたエリちゃんは、たまらず薫ちゃんに強く抱き着く。
エリちゃんの口元から嗚咽と一緒にヨダレが垂れ、それが薫ちゃんを襲う。
制服の肩口がその雫でポタポタと染みを作った。
「エリ、きたねぇ! いったぁ!」
なおも薫ちゃんを襲う悲劇。
エリちゃんがつい口に力を込めてしまったらしい。
耳たぶに歯型をつけられた薫ちゃんがエリちゃんの頭をはたいたところで10回目、つまり最後のゲームが終わった。
その結果がこの死屍累々である。
「さて、今日はこれくらいにしておこうか? 薫ちゃんもそろそろ、お家の手伝いの時間でしょ?」
「そ、そうッスね」
オレは三人に大丈夫? と声をかけると虫の鳴くような小さな声で返事が返ってきた。
薫ちゃんが帰る時間も迫っているので、申し訳ないがここで失礼する事にした。
「薫ちゃん、一緒に帰ろうか?」
「あ、は、はいッス!」
薫ちゃんだけを連れて部屋を出る。
料金は先払い済というコトで、ここは彼女たちに恥をかかせない為にも甘える事にする。
ふと、カウンターの前の棚に目が留まった。
お菓子やパーティーグッズなどが並べられている棚で、その中にはさきほど遊んでいたカードゲーム『王様と従者』も並んでいた。
オレは後ろからついてくる薫ちゃんを見て、ふと思いつく。
「すみません、コレ、いただけますか?」
店員さんに支払いをすませて、オレは『王様と従者』を手に店を出る。
あわててついてくる薫ちゃんは不思議そうな顔をして。
「そ、そんなに気に入ったんスか、それ?」
「うん。とっても面白いゲームだったよ。ところで……」
オレは申し訳ないな、と思いつつも、今がチャンスとばかりに薫ちゃんに無理を言った。
「もう少しだけ時間いいかな? ボクと……二人で遊んでみない?」
手にしている『王様と従者』を薫ちゃんに見せながら、ポケットから取り出したサインペンを添える。
すぐにオレの意図を理解した薫ちゃんが、スカートのすそを押さえながら。
「……あ、あと少し、だけなら大丈夫ッス!」
「そっか、良かった。じゃあ、近くでコーヒーでも飲みながらね?」
薫ちゃんと二人きりのデートの始まりだ。
オレは体も心も火照っているだろう薫ちゃんに、最後のトドメを指すに相応しい場所を探すべく辺りを見回した。
「え、は、ちょっと待ってくださ……ッ」
さすがにここまでされると思っていなかったのか、薫ちゃんが逃げようとしたので再びその手を捕まえる。
そしてそのまま両肩をソファに押し付けるようにして、正面から薫ちゃんを見る。
まるでこれからキスをするかのような体勢だ。
エリちゃんとユリちゃんの視線が刺さっているのが感じる。
「ふふふ」
「え、えっと、み、耳ッスよね?」
「そうだよ?」
オレはさきほど首筋にキスをした時のように覆いかぶさった。
右耳にキスをしながら、左手で抱き寄せた薫ちゃんの顔、その頬に指を這わせていき左耳に触れる。
「ひっひぁ!」
両耳をイジられた薫ちゃんが体を硬直させる。
左手でイジっている耳の穴に指を入れてみる。
「うっ、ひっ」
くすぐったいのだろう。体をねじってもぞもぞと始める。
ではコレはどうだろうか? と右耳の穴を舌で舐めてみる。
「ひゃあああ、ああああっ!?」
悲鳴があがった。
オレはショーコちゃん同様に、こちらも十秒ほど堪能して開放した。
ソファに体を預けてピクリともしなくなったカオルちゃんを、隣でただ見ているしかできなかったエリちゃんがその肩をゆする。
「カ、カオル? 生きてる? これ、何本?」
「ろっ……六本……」
「ダメだ、死んでる」
オレは再び、ダイスを手に取った。
「さ、次いこうか? 次は誰から振るのかな?」
エリちゃんとユリちゃんが同時に手を出した。
ショーコちゃんはプルプルしながら起き上がり。
薫ちゃんも震えながら、テーブルの前へ戻ってくる。
***
それから二十分ほど経っただろうか。
「みんな大丈夫?」
オレの声に答える子はいない。
丸イスに座っていられなくなったショーコちゃんは、床にへたり込んだままだ。
短いスカートからのぞく太ももにはオレのキスマークがある。
ユリちゃんも同様で、オレの首筋にキスマークをつける途中で頭がフットーしそうです、と言いながらオレに抱きかかえながら崩れ落ちた。
エリちゃんは薫ちゃんの耳たぶを共食いした時、自分のダイス運の不幸さに泣き始めてしまったので、オレはサービスで薫ちゃんの耳たぶを甘噛みさせたままにさせて、そのエリちゃんの耳たぶをハミハミしてあげた。
もはや事実上の3Pである。
「ふぐっふぐ!」
オレに耳たぶをかわいがられたエリちゃんは、たまらず薫ちゃんに強く抱き着く。
エリちゃんの口元から嗚咽と一緒にヨダレが垂れ、それが薫ちゃんを襲う。
制服の肩口がその雫でポタポタと染みを作った。
「エリ、きたねぇ! いったぁ!」
なおも薫ちゃんを襲う悲劇。
エリちゃんがつい口に力を込めてしまったらしい。
耳たぶに歯型をつけられた薫ちゃんがエリちゃんの頭をはたいたところで10回目、つまり最後のゲームが終わった。
その結果がこの死屍累々である。
「さて、今日はこれくらいにしておこうか? 薫ちゃんもそろそろ、お家の手伝いの時間でしょ?」
「そ、そうッスね」
オレは三人に大丈夫? と声をかけると虫の鳴くような小さな声で返事が返ってきた。
薫ちゃんが帰る時間も迫っているので、申し訳ないがここで失礼する事にした。
「薫ちゃん、一緒に帰ろうか?」
「あ、は、はいッス!」
薫ちゃんだけを連れて部屋を出る。
料金は先払い済というコトで、ここは彼女たちに恥をかかせない為にも甘える事にする。
ふと、カウンターの前の棚に目が留まった。
お菓子やパーティーグッズなどが並べられている棚で、その中にはさきほど遊んでいたカードゲーム『王様と従者』も並んでいた。
オレは後ろからついてくる薫ちゃんを見て、ふと思いつく。
「すみません、コレ、いただけますか?」
店員さんに支払いをすませて、オレは『王様と従者』を手に店を出る。
あわててついてくる薫ちゃんは不思議そうな顔をして。
「そ、そんなに気に入ったんスか、それ?」
「うん。とっても面白いゲームだったよ。ところで……」
オレは申し訳ないな、と思いつつも、今がチャンスとばかりに薫ちゃんに無理を言った。
「もう少しだけ時間いいかな? ボクと……二人で遊んでみない?」
手にしている『王様と従者』を薫ちゃんに見せながら、ポケットから取り出したサインペンを添える。
すぐにオレの意図を理解した薫ちゃんが、スカートのすそを押さえながら。
「……あ、あと少し、だけなら大丈夫ッス!」
「そっか、良かった。じゃあ、近くでコーヒーでも飲みながらね?」
薫ちゃんと二人きりのデートの始まりだ。
オレは体も心も火照っているだろう薫ちゃんに、最後のトドメを指すに相応しい場所を探すべく辺りを見回した。
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