【R18】転生先は男女比1:30の貞操逆転世界~ビッチを夢見る三十路の魂~

尾和 ハボレ

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『両手に花』

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『両手に花』

「あ、あの!?」
「もうダイスは振ったでしょ?」

オレはとぼける。焦らすように。

「え、いや、京センパイ、ウチとショーコ、同じ数なんで……」

薫ちゃんのセリフにオレはすっとぼけ顔で首をかしげた。

「なんだ。てっきり同じ数の時は王様が二人になるのかなって思ったよ。もしかして王様と従者は一人ずつじゃないとダメなのかな?」

オレの言葉を一瞬、理解できなかったのか、二人がキョトンとする。

オレはわざとらしくカードの入っていた箱に手を伸ばした。

「ルールブックってこの中に入ってる?」

ユリちゃんが風になり、寸前でオレの前から箱を奪い去って制服の下から胸の谷間に箱を突っ込んだ。

「あ、あー、あっ! そうでした、そうでした! 王様は二人でも三人でもなれるんですよ!」

ショーコちゃんが大きな声で笑う。

薫ちゃんはいかに?

チラチラとカードを見ている。

もともと、手を繋ぎたい、それだけのために先輩を冗談交じりとは言え脅すような真似までしてきた子だ。

「……そ、そうなんスよ! というわけで、今回はウチら二人が王様ってコトでッ!」

落ちた。

オレを自分だけで独り占めしたいという独占欲より、目の前にぶらさげられたスケベアクションに食いついた。

欲望に素直なのは良い事です。

「そっか。じゃあ始めようか? 二人とも、おいで?」

オレがソファに深く腰掛けながら、それぞれを迎えるように両手を広げる。

「し、失礼します!」

右から丸イスをソファにくっつけながらショーコちゃんがオレの右手の中に納まった。

おそるおそるといったふうに身を寄せたショーコちゃん。

オレは少し笑って。

「もっとコッチに」
「はひっ!」

と言って強く抱き寄せる。

夏木さんほどではないが、長い髪がオレの頬を撫でる。ふわりとフレグランスが香る。

「ん? ショーコちゃん香水つけてる?」
「あ、えと……その、キツすぎました?」

ユリちゃんが小声で「タバコの匂い消しなんで強めなんです」と言った。

オレは……つい、嫌悪感を顔に出してしまった。

正直な話、タバコの匂いはあまり好きではない。

仕事のストレスで吸っていた頃を思い出すし、そもそも女性がタバコを吸うことにも否定的な考えを持っている。

男がタバコのせいで肺がんになるのはどうでもいいが、女の人は子供の事もあるし、特にこの世界では出産を望む女性が多いように思えるから余計にそう思う。

「あ、すんません、京君サン、タバコ、お嫌いですか……」
「そうだね。あまり好きじゃないかな?」
「で、ですよねー……」

それまでの盛り上がりも掻き消えたショーコちゃんが、遠慮するように体を離そうとする。

ふと薫ちゃんを見る。

するとこちらは泣きそうになっている。

薫ちゃんも吸うようだ。

夏木さんは吸ってなかったけど、不良娘の面目躍如? か。

んー……。

よし。申し訳ないが、薫ちゃんには禁煙してもらうことにしよう。

なんでって? 

キスした時にタバコの匂いがすると興ざめだから。つまりオレの都合、オレのわがまま。

「薫ちゃん、ショーコちゃん」

オレはカードを見せながら言ってみる。

「ボクね。女の子の甘い香りってすごく好きなんだよね。ボクの為に禁煙する気はある? もちろんボクがお願いしてる事だし、もし聞いてくれたらお返しもするつもりだけど。ちょっと刺激的な、ね? もし他にも吸ってる子がいたら、一緒にどうかな?」

オレのわがままを聞いてもらう以上、ギブにはテイクで返すのが筋だ。

オレが王様ゲームを続行すると知って、二人は顔をあげて喜んだ。

しかも禁煙すれば、エッチっぽいお返しが待つとなれば。

『します!』

お年頃の乙女(肉食系)がうなずいた。

ちなみに双子ちゃん達は吸っていないようだったが、ショーコちゃんが「こいつらは飲兵衛です」と言っていた。まぁ、お酒なら……良くはないけほどほどにね。

「ふふ、ありがと。じゃあお礼の話はちゃんと禁煙できた時にするとして、今はコレ、やってみよっか?」
『お願いします!』

オレは体を離しかけていたショーコちゃんを右手で抱き寄せ、体を小さくしていた薫ちゃんの腕をとると、やや強引に引き寄せて左腕の中に捕まえる。

「ふぁっ」
「はひゃ」

ショーコちゃんの肩に手を回す。

小柄な薫ちゃんはすっぽりとオレの胸の中におさまった。

「まずはショーコちゃんからね」
「ッ! お願い、します!」

暗くなった室内。

右手で捕まえていたショーコちゃんの肩をさらに引き寄せた。

「え?」

オレの胸の中にスッポリと収まるショーコちゃん。

位置的にいえば、オレがショーコちゃんの左耳にキスをすると思っていたのだろう。

だがそんなもったいない事はしない。

オレはそのままショーコちゃんをさらに抱き寄せるようにして、オレのヒザの上に誘導する。

つまりは膝枕だ。

プリン色の髪がオレのスボンの上に広がった。

それを見下ろす薫ちゃんと、ちょっとキツめの姿勢のまま見上げるショーコちゃんの視線が合う。

「え、えっと」
「京センパイ、あの、これって」

なんでこんな恰好に? としいう疑問にオレは答えず、こう言った。

「はい、顔、横に向けて?」

オレは眼下に転がった顔を横に向ける。上にしたのは左耳。

つまりショーコちゃんの眼前には、オレのズボン、それも股間部分が間近にある事だろう。

「ッ!?」

ショーコちゃんが硬直した。

オレはショーコちゃんの頭が乗ったヒザを少し上げて右耳へ唇を寄せて、そのかわいい耳たぶにキスをする。

「あっあっ!」

ショーコちゃんが叫ぶ。

オレはそのまま耳たぶを口の中に入れた。

「いいいいいい!?」

バタバタとショーコちゃんが悶え始める。

アクションカードは『肩を抱き寄せながら耳たぶにキス』だ。

ただしどんなキスかは指定されていない。

オレは暴れ始めたショーコちゃんの肩を強く掴み、動けないようにする。

口の中の耳たぶを甘噛みしながら、舌先でチロチロと舐め続けた。

「あっあ、あっあんっ!」

ショーコちゃんがビクンビクンと跳ねるものの、それもしだいに弱くなっていく。

十秒ほど堪能したところで。

「はい、おしまい」
「あっ……はっふっ……」

ひざの上で動かなくなったショーコちゃんを「しょ、ショーコ?」と、奥の席のユリちゃんが抱き上げた。

「はい。じゃ次、薫ちゃんね?」
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