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『バージョンアップ提案』
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『バージョンアップ提案』
ダイスは完全に動きを止め、01という数字を皆に見せつけている。
『は?』
ショーコちゃん、エリちゃん、ユリちゃん、三人が魂が抜けたような声をそろって吐き出す中。
「!?」
薫ちゃんが無言で立ち上がり。
座った。
そしておずおずと。
「あ、あの、京センパイ」
「ん?」
薫ちゃんがダイスを指さす。
「ウチが20で。京センパイが振ったサイコロが01という事はですね」
「うん」
「京センパイが従者なので、王様のウチが……コレをですね。その、して頂くというコトになるんですが……」
おずおずと『首筋にキス』というアクションカードを手にとり、両手でオレに差し出した。
「そうだね?」
「そ、そうッスね」
オレはすぐ隣で座る薫ちゃんをジっと見つめる。
薫ちゃんがオレを見つめ返し、顔を真っ赤にさせてオレから顔をそらすように横を向いた。
小柄な薫ちゃん。
その小さな制服に身を包む小さな首筋が、まるでオレを誘うようにあらわになる。
オレはその小さな両肩に手をそえて、逃げられないようにガッシリと掴む。
「え?」
薫ちゃんが戸惑いの吐息を漏らした時に、すでにオレは。
「ひっ、ひゃああああああああ!!」
薫ちゃんにおおいかぶり、その首筋にキスをしていた。
もちろん、ただ唇を振れるだけのキスなどで終わらせない。
1/20という確率の幸運を与えてくれたダイスの女神様へ感謝のキスなのだ。
せめてキスマークの一つや二つがつくほどに、吸い付かねば不信心というものだろう。
なにせ、この世には女神様が実在するのだから、ダイスの女神様だって実在しているかもしれないからね。
「ひあっ! ひあっ! ひあっ!」
オレはやわらかい首筋に何度もキスをしながら強く吸いつく。
薫ちゃんの足が何度も開いたり閉じたりして暴れるが、オレは震えるように暴れる肩を拘束したままキスを続ける。
「あっ、ふっ!」
びくんびくんと痙攣しだす薫ちゃん。
さすがにそこまで激しい反応をするとは思わなかった。
昨日、お尻を揉んだ時も泣いちゃったし、この子はスキンシップに弱いのかもしれない。
首筋に三つほどのキスマークができているのを確認して、オレはようやく薫ちゃんを開放した。
薫ちゃんはグッタリした状態でオレを見ている。
「カ、カオル? 大丈夫?」
反対側の隣に座っているユリちゃんが、おそるおそる薫ちゃんの肩をゆすった。
「あ、あっ、あ、お、おう!」
薫ちゃんが立ち上がった。
それを見上げるオレ。
「ッ!?」
脱力したようにソファに沈んでいく薫ちゃん。
「今ので良かった?」
オレは薫ちゃんが床に落としていた『首筋にキス』と書かれたアクションカードを拾い上げ、その目の前で良く見えるようにひらひらさせる。
「それとも」
ようやく正気を取り戻し始めた薫ちゃんに向かい。
「まだ足りなかった?」
「だ、大丈夫ッス!」
薫ちゃんが立つ。座る。
他の三人がゴクリとノドを鳴らす音が聞こえた。
「さて、続けるのかな?」
ガラステーブルの上にはいくらか減ったとはいえ、アクションカードがまだ積まれている。
「え、えっと、ですね、京君クンさん」
「京サン、カードも少なくなってきましたし」
「一度、シャッフルし直す、というコトで!」
ショーコちゃんがすでにめくられたカードと、残っていた山を回収し始めた。
双子もそれを手伝う。
なるほど、やはりさっきのカードがSSRか。
残りのカードには大したものが入っていないんだろう。
アクションカードの枚数は、めくったもの、めくっていないもの、全部合わせて三十枚ほどだろうか。
シャッフルしてまたアレを待つのもいいが……神様っていうのは、自らを助くる者を助く、という。
であれば、オレは。
「そのカードゲームってまだ使う?」
「え? あっと?」
薫ちゃんが意味がわからないという顔をする。
「誰かものかは知らないんだけど、もしね?」
オレは自分の学生カバンからペンケースを取り出した。
そして黒いペンを取り出して、皆に見せる
「それぞれ好きな内容にカードを書き換えたら……面白いかなと思ってね?」
「え、そ、それは……」
薫ちゃんがオレを止めようとしたのか何かを言いかけるが。
「あ、いいですね! 賛成です! あ、ペン、誰かペンないか!?」
ショーコちゃんが自分のカバンの中身をさらうが、お菓子と化粧品しか出てこない。
これはこれで可愛いが本人は必死だ。それもまた可愛い。
というか、この世界の不良娘は可愛いの塊か。
「ん、使って」
「サンキュ!」
エリちゃんが何本かのペンやボールペンをテーブルに並べた。
ショーコちゃんが早速、カードの一枚を手に取って書き加えている。
エリちゃん、ユリちゃんもペンを手に、カードを持って考え始めた。
薫ちゃんだけが動かない。
「薫ちゃん、このゲーム飽きちゃった?」
「い、いえ! ええと、ウチも書きます!」
乗り気じゃない、というわけでもなさそうだが、はて?
まぁいい。様子を見ておいおい対応を考えよう。
少なくともイヤがってるわけじゃないのは確かだ。
オレが首につけたキスマークを何度もさすってニヤニヤしてるのだから。
「じゃあ、それぞれ……二枚ずつくらい書いていこうか」
『はい!』
四人がとても良いお返事をする。
薫ちゃんもやると決めたら、皆と同じように真剣に考え始めた。
オレはちらりと時計を見る。
すでに18時を回っている。
彼女たちに門限があるかどうかはともかく。
「あ、薫ちゃんは時間まだいいの? お家のお手伝いをしてるって聞いたけど」
確かこの子は家の居酒屋の手伝いをしていると聞いた覚えがある。
「大丈夫ッス!」
「そう? じゃあ十回ぐらいやって今日はお開きにしようか? みんなが書いたものが出ても出なくてもね? それと、せっかくだしそれぞれが何を書いたか見ずに始めようか? もう書けたかな?」
オレは皆が書き終えたカードを見ないように回収し、自分のカードも混ぜる。
オレを含めて五人がそれぞれ二枚ずつ書き加えたので、手書きは十枚。
アクションカードが全部で三十枚と過程すると、だいたい三回に一度は誰かのお手製のカードが出てくる計算だ。
ダイスは完全に動きを止め、01という数字を皆に見せつけている。
『は?』
ショーコちゃん、エリちゃん、ユリちゃん、三人が魂が抜けたような声をそろって吐き出す中。
「!?」
薫ちゃんが無言で立ち上がり。
座った。
そしておずおずと。
「あ、あの、京センパイ」
「ん?」
薫ちゃんがダイスを指さす。
「ウチが20で。京センパイが振ったサイコロが01という事はですね」
「うん」
「京センパイが従者なので、王様のウチが……コレをですね。その、して頂くというコトになるんですが……」
おずおずと『首筋にキス』というアクションカードを手にとり、両手でオレに差し出した。
「そうだね?」
「そ、そうッスね」
オレはすぐ隣で座る薫ちゃんをジっと見つめる。
薫ちゃんがオレを見つめ返し、顔を真っ赤にさせてオレから顔をそらすように横を向いた。
小柄な薫ちゃん。
その小さな制服に身を包む小さな首筋が、まるでオレを誘うようにあらわになる。
オレはその小さな両肩に手をそえて、逃げられないようにガッシリと掴む。
「え?」
薫ちゃんが戸惑いの吐息を漏らした時に、すでにオレは。
「ひっ、ひゃああああああああ!!」
薫ちゃんにおおいかぶり、その首筋にキスをしていた。
もちろん、ただ唇を振れるだけのキスなどで終わらせない。
1/20という確率の幸運を与えてくれたダイスの女神様へ感謝のキスなのだ。
せめてキスマークの一つや二つがつくほどに、吸い付かねば不信心というものだろう。
なにせ、この世には女神様が実在するのだから、ダイスの女神様だって実在しているかもしれないからね。
「ひあっ! ひあっ! ひあっ!」
オレはやわらかい首筋に何度もキスをしながら強く吸いつく。
薫ちゃんの足が何度も開いたり閉じたりして暴れるが、オレは震えるように暴れる肩を拘束したままキスを続ける。
「あっ、ふっ!」
びくんびくんと痙攣しだす薫ちゃん。
さすがにそこまで激しい反応をするとは思わなかった。
昨日、お尻を揉んだ時も泣いちゃったし、この子はスキンシップに弱いのかもしれない。
首筋に三つほどのキスマークができているのを確認して、オレはようやく薫ちゃんを開放した。
薫ちゃんはグッタリした状態でオレを見ている。
「カ、カオル? 大丈夫?」
反対側の隣に座っているユリちゃんが、おそるおそる薫ちゃんの肩をゆすった。
「あ、あっ、あ、お、おう!」
薫ちゃんが立ち上がった。
それを見上げるオレ。
「ッ!?」
脱力したようにソファに沈んでいく薫ちゃん。
「今ので良かった?」
オレは薫ちゃんが床に落としていた『首筋にキス』と書かれたアクションカードを拾い上げ、その目の前で良く見えるようにひらひらさせる。
「それとも」
ようやく正気を取り戻し始めた薫ちゃんに向かい。
「まだ足りなかった?」
「だ、大丈夫ッス!」
薫ちゃんが立つ。座る。
他の三人がゴクリとノドを鳴らす音が聞こえた。
「さて、続けるのかな?」
ガラステーブルの上にはいくらか減ったとはいえ、アクションカードがまだ積まれている。
「え、えっと、ですね、京君クンさん」
「京サン、カードも少なくなってきましたし」
「一度、シャッフルし直す、というコトで!」
ショーコちゃんがすでにめくられたカードと、残っていた山を回収し始めた。
双子もそれを手伝う。
なるほど、やはりさっきのカードがSSRか。
残りのカードには大したものが入っていないんだろう。
アクションカードの枚数は、めくったもの、めくっていないもの、全部合わせて三十枚ほどだろうか。
シャッフルしてまたアレを待つのもいいが……神様っていうのは、自らを助くる者を助く、という。
であれば、オレは。
「そのカードゲームってまだ使う?」
「え? あっと?」
薫ちゃんが意味がわからないという顔をする。
「誰かものかは知らないんだけど、もしね?」
オレは自分の学生カバンからペンケースを取り出した。
そして黒いペンを取り出して、皆に見せる
「それぞれ好きな内容にカードを書き換えたら……面白いかなと思ってね?」
「え、そ、それは……」
薫ちゃんがオレを止めようとしたのか何かを言いかけるが。
「あ、いいですね! 賛成です! あ、ペン、誰かペンないか!?」
ショーコちゃんが自分のカバンの中身をさらうが、お菓子と化粧品しか出てこない。
これはこれで可愛いが本人は必死だ。それもまた可愛い。
というか、この世界の不良娘は可愛いの塊か。
「ん、使って」
「サンキュ!」
エリちゃんが何本かのペンやボールペンをテーブルに並べた。
ショーコちゃんが早速、カードの一枚を手に取って書き加えている。
エリちゃん、ユリちゃんもペンを手に、カードを持って考え始めた。
薫ちゃんだけが動かない。
「薫ちゃん、このゲーム飽きちゃった?」
「い、いえ! ええと、ウチも書きます!」
乗り気じゃない、というわけでもなさそうだが、はて?
まぁいい。様子を見ておいおい対応を考えよう。
少なくともイヤがってるわけじゃないのは確かだ。
オレが首につけたキスマークを何度もさすってニヤニヤしてるのだから。
「じゃあ、それぞれ……二枚ずつくらい書いていこうか」
『はい!』
四人がとても良いお返事をする。
薫ちゃんもやると決めたら、皆と同じように真剣に考え始めた。
オレはちらりと時計を見る。
すでに18時を回っている。
彼女たちに門限があるかどうかはともかく。
「あ、薫ちゃんは時間まだいいの? お家のお手伝いをしてるって聞いたけど」
確かこの子は家の居酒屋の手伝いをしていると聞いた覚えがある。
「大丈夫ッス!」
「そう? じゃあ十回ぐらいやって今日はお開きにしようか? みんなが書いたものが出ても出なくてもね? それと、せっかくだしそれぞれが何を書いたか見ずに始めようか? もう書けたかな?」
オレは皆が書き終えたカードを見ないように回収し、自分のカードも混ぜる。
オレを含めて五人がそれぞれ二枚ずつ書き加えたので、手書きは十枚。
アクションカードが全部で三十枚と過程すると、だいたい三回に一度は誰かのお手製のカードが出てくる計算だ。
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