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『古典的なクエッション』
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『古典的なクエッション』
「う、あ……えと」
時折、薫ちゃんが小さく口を開いて、唇の隙間から声を漏らすもそれは言葉にならない。
それを誤魔化すように、薫ちゃんはカップを手に取る。
何か聞きにくい事を聞こうとしているのか? なら待ってあげようと思いながらオレも自分のカップを取る。
そうして互いのカップだけが軽くなっていく。
うーん、もっとガツガツくるかと思っていただけにオレとしても対応に困る。
薫ちゃんがあの手この手とオレを誘ってきて、オレがそれを思わせぶりなムーブで手のひらコロコロして、可愛くからかってやろう計画など叶いそうにない。
そもそも何をそんなに遠慮するのかと思う。
オレがエロエロビッチという事は夏木さんの会話や、昨日のお尻セクハラでわかっていると思うのだが。
それにこっちはすでに飢えた女教師と露出マゾっ子を相手取った歴戦。
少々のセクハラトークなぞ、むしろ望むところなのだ。
いや、この世界において不良少女というのは、誰も彼もおしとやかなのだろうか?
薫ちゃんの他には夏木さんという一例しか知らないが、それならそれでギャップ萌えである。
だが現状、このままで文字通り話が進まない。
オレは後輩の可愛い巨乳ギャルともっとキャッキャッウフフしたいのだ。
「あ……」
ついに薫ちゃんのカップが空になった。
話も続かない、飲み物もなくなった。
ますます間が持たなくなる。
じわりと薫ちゃんの涙がふくらんだ。
「ん?」
……もしや。
オレのピンクの脳みそが閃いた。
これは、アレか。
単に話題がなくて黙り込んでしまい、なにか話題はないかと焦るもののネタもなく、つい黙り込んでしまって泣きそうになっている、という女性慣れしていた童貞(処女)ムーブ状態なのではなかろうか?
言われてみれば、オレはこの席で自分からあまり話を振っていない。
薫ちゃんの言葉を待ち、それにどう答えようかとワクワクして待ちの姿勢だった。
となれば、クラスどころか学年も違い共通の話題など夏木さんの事ぐらいしかない。
話題が尽きるのも、そりゃあ早いわ。
これはオレが悪い。申し訳ない。
そんなわけで、謎は多分解けた。
このまま放置してイジメるというのはオレが好むイジメ方ではない。
ならばここからは、オレから動いて手のひらコロコロすることにしよう。
この世界、男からのセクハラは大目に見られる事だし、かわいい薫ちゃんの元気な顔を取り戻す為だ。
「薫ちゃん」
「は、はいッス!」
オレから声をかけると嬉しそうに顔を上げる。
「さっきからだんまりだね?」
「う、えと、そのっ!」
「ボクといるのはつまらない?」
「そ、そんなコトないッス! そ、その何を話したらいいか……そのっ!」
焦る薫ちゃん。
やっぱり話題がなくなってしまって、間が持たなくなっただけか。
流れと勢いで、年上の美人先輩(オレの事だ)をお茶に誘えたものの、話題も月て途方に暮れていたというオレの推理は的中だ。
答え合わせも終わった事だし、ここからは年上のオレがリードするとしよう。
「じゃあ、もっとお話しようか。けどボクたちは昨日あったばかりだし、共通の話題もあまりないよね?」
「ッス!」
「だからもっとお互いの事を知れば、もっと仲良くなれると思うんだ」
「ウッス!」
みるみる明るくなっていく薫ちゃんの顔。
やっぱり女の子には笑っていて欲しい。
もっとも、この笑顔を今からオレはセクハラで桃色に染める予定だが。
「ならお互いに質問をしていこう。まず薫ちゃんはボクに聞きたい事ある? どんな事でもいいよ?」
「ど、どんな事っでも……ッスか!?」
「そう。どんな事でも、ね? 何を聞かれても怒らないって約束するよ」
さて。
お題は出したし、怒らないという保証もつけた。
薫ちゃんはどう出るか。
開幕からエロい質問をぶつけてくるか。
それとも本当に怒られないのかと少しずつ距離を詰めるように質問を重ねてくるのだろうか。
楽しみである。
「じゃ、じゃあ、あの、えっと!」
ふふふ。
さっきまで泣きそうだったな瞳が、ランランとした輝きを取り戻して、天井を見ながら質問を考えている。
下着の色や形でも聞かれるか?
それともスリーサイズ? いや、男のスリーサイズって需要あるか?
「で、では! あの、ですね!」
「はいはい」
「お風呂に入った時、どこから洗うんスか!」
……おっと、これは攻めてきた、のか?
前世でも女性が入浴時にどこから体を洗うのかというエロトークがあったが、正直オレ個人としてはあまり興奮度の高いものではなかっただけに、自分に投げかけられても疑問が残る。
あの質問の意図する所は、相手の全裸を妄想しながら洗うシーンを想像して興奮を得る。
もしくは体の特定部位を相手に喋らせることによる隠語プレイの変形とオレは認識している。
悪い趣向ではないのは理解するが、共感するにはオレの主義がズレているのか、はたまたオレの修行が足りないのか。
だが薫ちゃんがそれを望むというのであれば、オレは満足いく回答をプレゼントするだけだ。
愛のこもったセクハラを込めて。
「う、あ……えと」
時折、薫ちゃんが小さく口を開いて、唇の隙間から声を漏らすもそれは言葉にならない。
それを誤魔化すように、薫ちゃんはカップを手に取る。
何か聞きにくい事を聞こうとしているのか? なら待ってあげようと思いながらオレも自分のカップを取る。
そうして互いのカップだけが軽くなっていく。
うーん、もっとガツガツくるかと思っていただけにオレとしても対応に困る。
薫ちゃんがあの手この手とオレを誘ってきて、オレがそれを思わせぶりなムーブで手のひらコロコロして、可愛くからかってやろう計画など叶いそうにない。
そもそも何をそんなに遠慮するのかと思う。
オレがエロエロビッチという事は夏木さんの会話や、昨日のお尻セクハラでわかっていると思うのだが。
それにこっちはすでに飢えた女教師と露出マゾっ子を相手取った歴戦。
少々のセクハラトークなぞ、むしろ望むところなのだ。
いや、この世界において不良少女というのは、誰も彼もおしとやかなのだろうか?
薫ちゃんの他には夏木さんという一例しか知らないが、それならそれでギャップ萌えである。
だが現状、このままで文字通り話が進まない。
オレは後輩の可愛い巨乳ギャルともっとキャッキャッウフフしたいのだ。
「あ……」
ついに薫ちゃんのカップが空になった。
話も続かない、飲み物もなくなった。
ますます間が持たなくなる。
じわりと薫ちゃんの涙がふくらんだ。
「ん?」
……もしや。
オレのピンクの脳みそが閃いた。
これは、アレか。
単に話題がなくて黙り込んでしまい、なにか話題はないかと焦るもののネタもなく、つい黙り込んでしまって泣きそうになっている、という女性慣れしていた童貞(処女)ムーブ状態なのではなかろうか?
言われてみれば、オレはこの席で自分からあまり話を振っていない。
薫ちゃんの言葉を待ち、それにどう答えようかとワクワクして待ちの姿勢だった。
となれば、クラスどころか学年も違い共通の話題など夏木さんの事ぐらいしかない。
話題が尽きるのも、そりゃあ早いわ。
これはオレが悪い。申し訳ない。
そんなわけで、謎は多分解けた。
このまま放置してイジメるというのはオレが好むイジメ方ではない。
ならばここからは、オレから動いて手のひらコロコロすることにしよう。
この世界、男からのセクハラは大目に見られる事だし、かわいい薫ちゃんの元気な顔を取り戻す為だ。
「薫ちゃん」
「は、はいッス!」
オレから声をかけると嬉しそうに顔を上げる。
「さっきからだんまりだね?」
「う、えと、そのっ!」
「ボクといるのはつまらない?」
「そ、そんなコトないッス! そ、その何を話したらいいか……そのっ!」
焦る薫ちゃん。
やっぱり話題がなくなってしまって、間が持たなくなっただけか。
流れと勢いで、年上の美人先輩(オレの事だ)をお茶に誘えたものの、話題も月て途方に暮れていたというオレの推理は的中だ。
答え合わせも終わった事だし、ここからは年上のオレがリードするとしよう。
「じゃあ、もっとお話しようか。けどボクたちは昨日あったばかりだし、共通の話題もあまりないよね?」
「ッス!」
「だからもっとお互いの事を知れば、もっと仲良くなれると思うんだ」
「ウッス!」
みるみる明るくなっていく薫ちゃんの顔。
やっぱり女の子には笑っていて欲しい。
もっとも、この笑顔を今からオレはセクハラで桃色に染める予定だが。
「ならお互いに質問をしていこう。まず薫ちゃんはボクに聞きたい事ある? どんな事でもいいよ?」
「ど、どんな事っでも……ッスか!?」
「そう。どんな事でも、ね? 何を聞かれても怒らないって約束するよ」
さて。
お題は出したし、怒らないという保証もつけた。
薫ちゃんはどう出るか。
開幕からエロい質問をぶつけてくるか。
それとも本当に怒られないのかと少しずつ距離を詰めるように質問を重ねてくるのだろうか。
楽しみである。
「じゃ、じゃあ、あの、えっと!」
ふふふ。
さっきまで泣きそうだったな瞳が、ランランとした輝きを取り戻して、天井を見ながら質問を考えている。
下着の色や形でも聞かれるか?
それともスリーサイズ? いや、男のスリーサイズって需要あるか?
「で、では! あの、ですね!」
「はいはい」
「お風呂に入った時、どこから洗うんスか!」
……おっと、これは攻めてきた、のか?
前世でも女性が入浴時にどこから体を洗うのかというエロトークがあったが、正直オレ個人としてはあまり興奮度の高いものではなかっただけに、自分に投げかけられても疑問が残る。
あの質問の意図する所は、相手の全裸を妄想しながら洗うシーンを想像して興奮を得る。
もしくは体の特定部位を相手に喋らせることによる隠語プレイの変形とオレは認識している。
悪い趣向ではないのは理解するが、共感するにはオレの主義がズレているのか、はたまたオレの修行が足りないのか。
だが薫ちゃんがそれを望むというのであれば、オレは満足いく回答をプレゼントするだけだ。
愛のこもったセクハラを込めて。
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