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『高嶺の花にはトゲがある(7)』
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『高嶺の花にはトゲがある(7)』
「その、ね? やっぱり私だけそういう姿で撮るというのも恥ずかしいし……貴女は、その例の男性と、その、アレでアレなら、下着姿も恥ずかしくないでしょう?」
遠まわしに確認してみる。
「セックスですか? もちろんしています。下着姿も別に恥ずかしくありませんけれど」
「……そ、そう」
春日井さんは無表情のまま即答した。
そして一つうなずく。
「確かに会長の不安もごもっともですね。もし私の言う事が全てウソだったら、会長の下着姿を撮った私がそれを何かに使うかもと、そう思われることは自然な事です」
「え」
ん? どういう事かしら?
「ご実家が資産家というのも大変ですね。私も配慮が足りませんでした、申し訳ありません」
……あ。
なるほど、確かにそういう事も考えられるか。
春日井さんが言う、その彼の存在や、その彼を紹介してくれるというのも、すべてこの場の出まかせだって可能性もある。
春日井さんがそんなことをするはずもないと思いこんでいたが、言われて見れば確かにありえない話でもない。
春日井さん自身が今も言ったが、私の家は資産家だ。
私自身にどうこうではなくとも、母や祖母のビジネス上の敵なんて人たちがいるだろう。
その娘、もしくは孫が学園の中で半裸になって写真を撮られている、なんて知られたら醜聞だ。
だが、撮影者である春日井さんも一緒に映ってくれれば、そういう可能性は少なくなる。
と、春日井さんはそう言っているのだ。
私は最初からそういった発想すらなかったけれど、この子しっかりしているわ。
「じゃあ、その、いいかしら?」
「はい。それに私も一緒に映れば、彼にもっとアピールできますし」
そう言って春日井さんは机の上にケータイをうまくセットしたあと、窓際に立っていた私のそばに来るなり、スカートをストンと落とした。
まったくの躊躇もなく。
ちなみに下着は白のシルクだった。
陰毛が少し透けて、黒いものがうっすら見えている。
年下とは思えない妖艶さが漂っていて、私は同性の裸だというのにツバを飲み込んだ。
これが、経験者、の発するオーラというものなのかしら。
「会長もどうぞ。私だけ脱いでも仕方ありませんよ?」
「そ、そうね」
私はあわててスカートのホックを外して、スカートを下ろす。
……う。
並んで立つと、春日井さんの下着と比較されてしまう。
私の下着は上下セットのスポーツタイプで、色もグレーと実に地味だ。
少なくとも勝負下着なんていう存在とはかけ離れたもので、男性の目にいれていいようなものじゃない。
「あ、あの春日井さん。やっぱり写真は日を改めてもらった方が」
「確かにあまり目を引く下着ではないですね」
別に慰めやフォローを期待していたわけじゃないけれど、春日井さんは意外と厳しいようだ。
「ですが私の意見と彼の嗜好は別です。もし今の会長の下着が彼の好みでないのであれば、後程、彼に選んでもらう事もできますから、いい機会になるかもしれませんし」
「だ、男性に下着を選んでもらうの!?」
春日井さんがとんでもない事を言いだす。
そんなことをする男性がいるはずもないし、そんな事をさせたらセクハラどころの騒ぎじゃないでしょう!?
「彼は案外、喜んで選んでくれるかもしれません……私も頼んでみようかしら」
言葉の最後に小声でそう言ったのを私は確かに聞いた。
春日井さん自身が、その彼に頼むというのであれば本当にそんな事をする相手がいるという事……。
「会長、ともかく今は撮影を済ませましょうか」
「そ、そうね、ええ。こんな格好でいるところを他の人に見られると大変だわ」
生徒会室という密室で半裸の女が二人きりともなると、不純同性交遊の疑いをかけられる。
私は他人が女性同士でそういう関係になるのをあえてどうこういうつもりはないが、自分自身が女性と付き合うつもりはないので、そうと思われるのは遠慮したい。
春日井さんは机の上にケータイをセットして、カメラをこちらに向けた。
いくら他に誰も見てはいないとはいえ、半裸状態でよくそんな恥ずかしげもなくテキパキと動けるものだと感心してしまう。
「その、ね? やっぱり私だけそういう姿で撮るというのも恥ずかしいし……貴女は、その例の男性と、その、アレでアレなら、下着姿も恥ずかしくないでしょう?」
遠まわしに確認してみる。
「セックスですか? もちろんしています。下着姿も別に恥ずかしくありませんけれど」
「……そ、そう」
春日井さんは無表情のまま即答した。
そして一つうなずく。
「確かに会長の不安もごもっともですね。もし私の言う事が全てウソだったら、会長の下着姿を撮った私がそれを何かに使うかもと、そう思われることは自然な事です」
「え」
ん? どういう事かしら?
「ご実家が資産家というのも大変ですね。私も配慮が足りませんでした、申し訳ありません」
……あ。
なるほど、確かにそういう事も考えられるか。
春日井さんが言う、その彼の存在や、その彼を紹介してくれるというのも、すべてこの場の出まかせだって可能性もある。
春日井さんがそんなことをするはずもないと思いこんでいたが、言われて見れば確かにありえない話でもない。
春日井さん自身が今も言ったが、私の家は資産家だ。
私自身にどうこうではなくとも、母や祖母のビジネス上の敵なんて人たちがいるだろう。
その娘、もしくは孫が学園の中で半裸になって写真を撮られている、なんて知られたら醜聞だ。
だが、撮影者である春日井さんも一緒に映ってくれれば、そういう可能性は少なくなる。
と、春日井さんはそう言っているのだ。
私は最初からそういった発想すらなかったけれど、この子しっかりしているわ。
「じゃあ、その、いいかしら?」
「はい。それに私も一緒に映れば、彼にもっとアピールできますし」
そう言って春日井さんは机の上にケータイをうまくセットしたあと、窓際に立っていた私のそばに来るなり、スカートをストンと落とした。
まったくの躊躇もなく。
ちなみに下着は白のシルクだった。
陰毛が少し透けて、黒いものがうっすら見えている。
年下とは思えない妖艶さが漂っていて、私は同性の裸だというのにツバを飲み込んだ。
これが、経験者、の発するオーラというものなのかしら。
「会長もどうぞ。私だけ脱いでも仕方ありませんよ?」
「そ、そうね」
私はあわててスカートのホックを外して、スカートを下ろす。
……う。
並んで立つと、春日井さんの下着と比較されてしまう。
私の下着は上下セットのスポーツタイプで、色もグレーと実に地味だ。
少なくとも勝負下着なんていう存在とはかけ離れたもので、男性の目にいれていいようなものじゃない。
「あ、あの春日井さん。やっぱり写真は日を改めてもらった方が」
「確かにあまり目を引く下着ではないですね」
別に慰めやフォローを期待していたわけじゃないけれど、春日井さんは意外と厳しいようだ。
「ですが私の意見と彼の嗜好は別です。もし今の会長の下着が彼の好みでないのであれば、後程、彼に選んでもらう事もできますから、いい機会になるかもしれませんし」
「だ、男性に下着を選んでもらうの!?」
春日井さんがとんでもない事を言いだす。
そんなことをする男性がいるはずもないし、そんな事をさせたらセクハラどころの騒ぎじゃないでしょう!?
「彼は案外、喜んで選んでくれるかもしれません……私も頼んでみようかしら」
言葉の最後に小声でそう言ったのを私は確かに聞いた。
春日井さん自身が、その彼に頼むというのであれば本当にそんな事をする相手がいるという事……。
「会長、ともかく今は撮影を済ませましょうか」
「そ、そうね、ええ。こんな格好でいるところを他の人に見られると大変だわ」
生徒会室という密室で半裸の女が二人きりともなると、不純同性交遊の疑いをかけられる。
私は他人が女性同士でそういう関係になるのをあえてどうこういうつもりはないが、自分自身が女性と付き合うつもりはないので、そうと思われるのは遠慮したい。
春日井さんは机の上にケータイをセットして、カメラをこちらに向けた。
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