【R18】転生先は男女比1:30の貞操逆転世界~ビッチを夢見る三十路の魂~

尾和 ハボレ

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『後輩は見た! 硬派の先輩が男と歩いているその現場を!(8)』

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『後輩は見た! 硬派の先輩が男と歩いているその現場を!(8)』

「あ、あのぅ」
「聞こえなかった? 薫ちゃんは先輩を脅したんだよ? だったら、おしおきされるのも当然だよね?」

ウチはとまどいながら、それでも言われた事は理解したし、納得した。

痛い思いってなんだろうか?

叩かれたりするんだろうか?

「な、なるべく、優しく……お願いします」
「ふふふ。いいよ。けど泣かせちゃったらゴメンね?」

握られた手に力がこもる。

ひねり上げられる? けどそうじゃなかった。

「はい、まず、こうして、こうね」
「え、京センパ……? ひあ、ひあっ!?」

なんと京センパイは。

ウチの手を持ったまま、それをウチの腰の後ろへ回すように動いた。

あれだ。

身体測定とかで胸囲や腹囲を計る時の検査員みたいな格好になった。

つまり京センパイは、いま、ウチに抱き着くような格好になってる!

ああああ、やばい、やばいッスよ!

あっ、匂い、すっごい良い匂いあぁぁぁ!

「はい。じゃあ、薫ちゃんは、自分の左手首を自分の右手でしっかり握っててね。離したらもっと痛いおしおきをするからね? お返事は?」
「は、はいッス!」

ウチはよくわからないまま、しかし、言われた通りにする。

手を後ろ手に組むと、自然と姿勢がまっすぐになる。

いかにもセンパイに対する時の姿勢ってカンジになった。

ウチは自分からこういう事はすることはないし、中学でもそれで先輩たちともめて、生意気だなんだとケンカにもなった。

ああ、そういえば夏木センパイにはそういう事、一回もさせられたことないなぁ。

ガキ扱いはするけど、なんてことはない。

ただただ、面倒見のいいセンパイだったから、ウチは好きになったのか。

京センパイがすっとウチの背後にまわりこんだ。

少しはなれた所にいた青葉センパイが、わりと近くまで寄ってきていた。

「あ、青葉センパイ?」

このよくわからない状況から、ウチを助け出しに来てくれたのかなと声をかけるものの。

「薫。自業自得だ。せいぜい帰ったらベッドで後悔しろ。宮城、約束通り、あんまムチャすんなよ」

助けてくれそう……にはないッスねぇ。

けれど、逆に青葉センパイが見過ごすってことは、さほどひどい事はされないという安心があった。

と、同時に、言われた事がよくわからなかった。

帰ったらベッドの上で後悔? まぁ、ウチは布団なんスけど。

「ひっ、あゃ!」

疑問に思っていた時、後ろから京センパイの手がウチのほほをなでた。

あまりに不意をつかれたせいで、とんでもない声をあげてしまった。

「ふふ。かわいい声で鳴くね、薫ちゃんは」
「う、う、ひぁああぁぁ……」

ほほを撫でる京センパイの手がそのまま耳をさすり、うなじを通り、制服越しの背骨にそって下へ下へつたっていく。

それが尻の上あたりまでくると、手がとまった。

耳元で甘い声がする。

「薫ちゃん。悪い子へのおしおきっていうのは、お尻叩きっていうのが相場だよね?」

は? え? し、尻叩き!?

「あ、あのっ、マズいッスよ! 青葉センパイ、これ、マズいッスよ!」

京センパイがとんでもないことを言い出した!

これ以上はいけないっていうのは、ウチでもわかる。

セクハラとかそんな理由で、停学や退学なんてのは最高にダサい!

触られているのはウチの方だが、男が女にセクハラするなんて言い訳が通るはずがない!

ウチは必死に青葉センパイに助けを求める。

「だから言ったろーが。自業自得だ」
「そ、そんなぁ。青葉センパイ、たすけ……」

ウチが絶望してると。

「はい、一回目ー」
「ひぎっ!!」

ペチン、と軽い音が尻から響いた。

叩かれた!?

ウチ、本当に叩かれた!?

男の人に、尻、さわらせちまった!?

停学? 退学? 訴えられたらどうしよう?

頭の中を不安と恐怖がぐるぐる周っている中で、さらに。

「二回目ー」
「い! いっぃぃい……」

痛いわけじゃない、本当に軽くたたかれているだけなのに。

尻から背骨を伝って、頭のテッペンまで強烈な痛みにも似た刺激が走りぬける。

激しい頭痛、かすむ視界、ふらつく足元。

自分の体が自分の思うようにならない。

「三回目、いくよー」

無理、無理ッス!

「京センパイ、すんませんした! もう、もうカンベンしてください!」

ウチはなりふり構わず、泣いてお願いした。

泣いちゃったらゴメンねと、確かに言われていた。

けど、そう言われたときは、ウチが痛みでなくはずなんてないと思っていた。

こんな泣かされ方されるなんて、思いもしなかった!

「ごめんなさい、ごめんなさい! すんませんした!」

もうとっくに涙は止まらない。

自分の涙がボロボロとほほを伝う感覚なんて、どれほどぶりだろう。

幼稚園とかそれくらいの記憶がおぼろげに浮かんでくるほど昔の話でしかない。

「あーあ。泣いちゃった。じゃあ、ここまでにしようかな」
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