318 / 415
『二年一組の朝(2)』
しおりを挟む
『二年一組の朝(2)』
赤いジャージを羽織り、チャックの締められていない下には白いティーシャツ。下も赤いジャージ。
いかにも体育教師らしい装いである。
この世界でも体育教師のスタイルは変わらないようで女子生徒いわく、声がでかくて暑苦しい教師、というイメージらしい。
オレからすると、薄着で眼福なのだが価値観の違いだ。
おっぱいが大きいのが嫌悪対象であれば、自然とスリムな胸が良きものととらえられる風潮である。
実際、冬原先生もスタイルには自信があるといって、ない胸を反らして自信満々にセクシーポーズをとることもあるが、オレとしてはまた違う見解を持ってしまう。
しかし、それはそれ、これはこれ。
まっ平な胸であっても、否、そういうスタイルだからこそ感じる魅力も否定できない。
おっぱいに貴賎なし。質量と価値は比例するわけではないのだ。
教壇に立った冬原先生と目が合った。
「というわけで、京……今日の連絡事項としては――」
目があった瞬間、オレの名前を呼ぶ時のイントネーションになったような気がするのはうぬぼれだろうか。
そう。
この冬原先生もまたオレのセフレである。
年上の女教師と禁断のラブロマンス……いや、ロマンスの部分は皆無だが、すでに何度も体を重ねた関係だ。
年上の美人女教師を、若い色気でメロメロにするビッチな男子高校生。
そんなシチュエーションに憧れたオレは、みずから先生にアプローチしたのだ。
結果としては、婚活に疲れていた冴えない体育教師をエロい男子高校生が誘ったらホイホイついてきた、という流れになってしまった。
仕事の愚痴を言いながら後背位でワンワンをおねだりする冬原先生は面白い人ではあるが、オレが年上女教師に臨んでいた禁断の淫猥さというエッセンスにかけている。
まぁ、けれど。その性欲にまっすぐなところは、なんとも憎めない人だ。
一応、オレが三年になってしばらくしたら、妊活(冬原先生は妊娠を希望している)にともに励むという約束もしている。
朝のホームルームが終わり、冬原先生がチラチラとオレを見ながら出ていった。
オレの機嫌を損ねていないか気がかりなのだろう。
週末は学校から離れた場所で夕食を兼ねたデートの後、先生の家にお泊りする事が多い。
今週もその予定だったし、無理をしなくていいというのにお高い焼肉屋を予約していたと言っていたのだが、昨日、一緒に屋上で弁当を食べていた時、別の用事が入った為にキャンセルと告げられた。
オレがふざけて、ボクよりも大切な用件ならしかたないですね、と気落ちした演技をしたところ、それがとても悪い所に入ってしまい、先生は顔面蒼白になってオレに土下座しようとした。
さすがにそれは冗談にならないので、今度はオレが慌てて土下座を阻止。
本当に怒っていないと伝えても、オレとの妊活の約束を反故にされてしまうのではと震え始めてしまった。
そこからはいかにオレが先生を好ましく思っていて、こういう冗談も気軽に言えるほど仲良くなったんですよと、説得じみた慰めの言葉をかけ続け、なんとか信じて貰えた。
その後、昼休憩の残り少ない時間で、屋上のフェンスをつかんだ先生が、安心して泣き出した顔でワンワンモードに入ったのは仕方ない事だった。
というわけで今週末はあいてしまった。
またゲーセンにいったり、シマ先輩のコーヒーを飲みに行くのもいいかもしれない。
***
昼休み。
一応、コンビニでパンを買ってきてはいるものの。
隣の席の眠り姫が、机に伏せたままチラチラと顔だけをこちらに向けている。
こういう時は、お手製のサンドイッチを作ってきてくれている時だ。
一緒に食べると目立ってしまい夏木さんに迷惑がかかってしまうので、それはできないのだが受け取るだけでも夏木さんは喜んでくれる。
いや表面上は、ぶっきらぼうに押し付けてくるだけだが、美味しかったと後で伝えると耳を赤くしてそっぽを向くのでわかりやすい。
であれば、まずは教室外に出て、人気の少ない場所で待っていようと立ち上がった時。
「あ、宮城君、ごめんなさい。ちょっといいかしら」
クラス委員長の『春日井陽子』が声をかけてきた。
赤いジャージを羽織り、チャックの締められていない下には白いティーシャツ。下も赤いジャージ。
いかにも体育教師らしい装いである。
この世界でも体育教師のスタイルは変わらないようで女子生徒いわく、声がでかくて暑苦しい教師、というイメージらしい。
オレからすると、薄着で眼福なのだが価値観の違いだ。
おっぱいが大きいのが嫌悪対象であれば、自然とスリムな胸が良きものととらえられる風潮である。
実際、冬原先生もスタイルには自信があるといって、ない胸を反らして自信満々にセクシーポーズをとることもあるが、オレとしてはまた違う見解を持ってしまう。
しかし、それはそれ、これはこれ。
まっ平な胸であっても、否、そういうスタイルだからこそ感じる魅力も否定できない。
おっぱいに貴賎なし。質量と価値は比例するわけではないのだ。
教壇に立った冬原先生と目が合った。
「というわけで、京……今日の連絡事項としては――」
目があった瞬間、オレの名前を呼ぶ時のイントネーションになったような気がするのはうぬぼれだろうか。
そう。
この冬原先生もまたオレのセフレである。
年上の女教師と禁断のラブロマンス……いや、ロマンスの部分は皆無だが、すでに何度も体を重ねた関係だ。
年上の美人女教師を、若い色気でメロメロにするビッチな男子高校生。
そんなシチュエーションに憧れたオレは、みずから先生にアプローチしたのだ。
結果としては、婚活に疲れていた冴えない体育教師をエロい男子高校生が誘ったらホイホイついてきた、という流れになってしまった。
仕事の愚痴を言いながら後背位でワンワンをおねだりする冬原先生は面白い人ではあるが、オレが年上女教師に臨んでいた禁断の淫猥さというエッセンスにかけている。
まぁ、けれど。その性欲にまっすぐなところは、なんとも憎めない人だ。
一応、オレが三年になってしばらくしたら、妊活(冬原先生は妊娠を希望している)にともに励むという約束もしている。
朝のホームルームが終わり、冬原先生がチラチラとオレを見ながら出ていった。
オレの機嫌を損ねていないか気がかりなのだろう。
週末は学校から離れた場所で夕食を兼ねたデートの後、先生の家にお泊りする事が多い。
今週もその予定だったし、無理をしなくていいというのにお高い焼肉屋を予約していたと言っていたのだが、昨日、一緒に屋上で弁当を食べていた時、別の用事が入った為にキャンセルと告げられた。
オレがふざけて、ボクよりも大切な用件ならしかたないですね、と気落ちした演技をしたところ、それがとても悪い所に入ってしまい、先生は顔面蒼白になってオレに土下座しようとした。
さすがにそれは冗談にならないので、今度はオレが慌てて土下座を阻止。
本当に怒っていないと伝えても、オレとの妊活の約束を反故にされてしまうのではと震え始めてしまった。
そこからはいかにオレが先生を好ましく思っていて、こういう冗談も気軽に言えるほど仲良くなったんですよと、説得じみた慰めの言葉をかけ続け、なんとか信じて貰えた。
その後、昼休憩の残り少ない時間で、屋上のフェンスをつかんだ先生が、安心して泣き出した顔でワンワンモードに入ったのは仕方ない事だった。
というわけで今週末はあいてしまった。
またゲーセンにいったり、シマ先輩のコーヒーを飲みに行くのもいいかもしれない。
***
昼休み。
一応、コンビニでパンを買ってきてはいるものの。
隣の席の眠り姫が、机に伏せたままチラチラと顔だけをこちらに向けている。
こういう時は、お手製のサンドイッチを作ってきてくれている時だ。
一緒に食べると目立ってしまい夏木さんに迷惑がかかってしまうので、それはできないのだが受け取るだけでも夏木さんは喜んでくれる。
いや表面上は、ぶっきらぼうに押し付けてくるだけだが、美味しかったと後で伝えると耳を赤くしてそっぽを向くのでわかりやすい。
であれば、まずは教室外に出て、人気の少ない場所で待っていようと立ち上がった時。
「あ、宮城君、ごめんなさい。ちょっといいかしら」
クラス委員長の『春日井陽子』が声をかけてきた。
32
お気に入りに追加
893
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
転生したら男女逆転世界
美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。
※カクヨム様にも掲載しております


転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる