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『春に咲いた花を揺らす胡蝶の如く(10)』
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『春に咲いた花を揺らす胡蝶の如く(10)』
「見てほら、かわいいワンコだね」
反対側から歩いてきていたのは、犬の散歩をしていたオバさんだった。
それは別に不思議じゃない。まだそんなに遅い時間でもないもの。
けれど、まさかこんな状況で見知らぬ人に話しかけるなんて!
いえ、見知っている人だともっと問題があるのだけれど!
私は不自然にならないように同意する。
「そ、そうね、かわいいわ」
宮城君は犬に興味があるのか、近寄ってしゃがみこんだ。
「それってコーギーですよね。ちょっとだけ挨拶してもいいですか?」
「え、ええ、どうぞ」
「おー、なつっこいなー」
犬を撫でる宮城君はとても優しい顔に見とれていると、お尻に当てられていた手に力が入る。
再びお尻をわしづかみにされて引き寄せられた。
「ほら。くすぐったそうにしてる。かわいいね」
「え、ええ、そうね……んっ」
「ほら、こうして撫でるとね」
宮城君が犬を撫でる。
クウン、とかわいく鳴くコーギー。
同時に私のお尻をつかむ手にもますます力が入った。
「んっ……んんっ」
声が漏れる。
まるで私はコーギーと同じ。
撫でられて悦びに鳴く。
本当に犬のよう。
「引き止めてすみません、ありがとうございました」
満足したのか宮城君が立ち上がった。
「さ、行こう。ボクらも……散歩の続きだよ?」
「ん……え、ええ」
散歩のオバさんと別れてからも散歩は続いた。
「……んんんっ! ……ふっぅ、ふぅっ……」
宮城君の指の力はますます強くなっていって、私は自分のお尻の形がもとに戻らないのではと思えるほどに揉みしだかれている。
このままだと、また歩けなくなるのではというくらいに、腰がしびれてきた。
つい宮城君を見る。
どうにかなってしまう前に、どうにかして欲しい、と。
しかし私の視線の先にいたのは、いつもの優しい宮城君ではなく。
「なに、その目?」
すぐに盛ってしまうペットへ、厳しいしつけをする飼い主だった。
またやってしまった!
私は寄りかかっていた彼の腕にすがりついて謝る。
「あ……あっ、あの、ご、ごめんなさいっ!」
「……」
「……春日井さんはボクのなんだっけ?」
冷たい目で私を射抜く宮城君に、私は声を震わせて答えた。
「な、何でも言う事をきく、その、セックスフレンド、です……」
「……ふふ、そうだよね。良かった。春日井さんはお利口なボクのセフレ。なんでもいう事を聞くワンちゃんだよね?」
宮城君が笑う。いえ、いつもより明るく笑ってくれた。
「だけどヤンチャをしたら罰は必要だよね?」
「ば、罰?」
一瞬、ぶたれたりするのかと思ったが、そんな事をする人じゃない。
「ふふ、痛い事とかそういうのじゃないから安心して。そうだね、じゃあ……ブラジャー、とってみようか?」
「え?」
「そのチラチラと見える素敵な黒いブラジャー、とってみようか?」
「え、ブラ? コレを?」
ブラ? ブラジャーなんて、こんなものをどうするのだろう?
私は肩ひもを指でつまみあけで、本当にコレの事かなと確認する。
「うん、それをとって欲しいな」
「……ええ、それはいいけど?」
やっぱり間違っていなかった。
「とったけど……宮城君?」
「じゃあ、それ、預かっておくね。邪魔でしょ?」
宮城君がそう言って、持っていたカバンの口をあけてくれた。
「え、ええ……? ありがとう?」
宮城君が私のブラを丁寧にしまうところを見つつ、首をかしげていると。
「じゃあ、お散歩の続きだよ」
「あんっ! ……ご、ごめんなさい」
ぼうっとしていた私のお尻が叩かれる。
そうして散歩を再開すると、また別の通行人が前からやってきた。
「見てほら、かわいいワンコだね」
反対側から歩いてきていたのは、犬の散歩をしていたオバさんだった。
それは別に不思議じゃない。まだそんなに遅い時間でもないもの。
けれど、まさかこんな状況で見知らぬ人に話しかけるなんて!
いえ、見知っている人だともっと問題があるのだけれど!
私は不自然にならないように同意する。
「そ、そうね、かわいいわ」
宮城君は犬に興味があるのか、近寄ってしゃがみこんだ。
「それってコーギーですよね。ちょっとだけ挨拶してもいいですか?」
「え、ええ、どうぞ」
「おー、なつっこいなー」
犬を撫でる宮城君はとても優しい顔に見とれていると、お尻に当てられていた手に力が入る。
再びお尻をわしづかみにされて引き寄せられた。
「ほら。くすぐったそうにしてる。かわいいね」
「え、ええ、そうね……んっ」
「ほら、こうして撫でるとね」
宮城君が犬を撫でる。
クウン、とかわいく鳴くコーギー。
同時に私のお尻をつかむ手にもますます力が入った。
「んっ……んんっ」
声が漏れる。
まるで私はコーギーと同じ。
撫でられて悦びに鳴く。
本当に犬のよう。
「引き止めてすみません、ありがとうございました」
満足したのか宮城君が立ち上がった。
「さ、行こう。ボクらも……散歩の続きだよ?」
「ん……え、ええ」
散歩のオバさんと別れてからも散歩は続いた。
「……んんんっ! ……ふっぅ、ふぅっ……」
宮城君の指の力はますます強くなっていって、私は自分のお尻の形がもとに戻らないのではと思えるほどに揉みしだかれている。
このままだと、また歩けなくなるのではというくらいに、腰がしびれてきた。
つい宮城君を見る。
どうにかなってしまう前に、どうにかして欲しい、と。
しかし私の視線の先にいたのは、いつもの優しい宮城君ではなく。
「なに、その目?」
すぐに盛ってしまうペットへ、厳しいしつけをする飼い主だった。
またやってしまった!
私は寄りかかっていた彼の腕にすがりついて謝る。
「あ……あっ、あの、ご、ごめんなさいっ!」
「……」
「……春日井さんはボクのなんだっけ?」
冷たい目で私を射抜く宮城君に、私は声を震わせて答えた。
「な、何でも言う事をきく、その、セックスフレンド、です……」
「……ふふ、そうだよね。良かった。春日井さんはお利口なボクのセフレ。なんでもいう事を聞くワンちゃんだよね?」
宮城君が笑う。いえ、いつもより明るく笑ってくれた。
「だけどヤンチャをしたら罰は必要だよね?」
「ば、罰?」
一瞬、ぶたれたりするのかと思ったが、そんな事をする人じゃない。
「ふふ、痛い事とかそういうのじゃないから安心して。そうだね、じゃあ……ブラジャー、とってみようか?」
「え?」
「そのチラチラと見える素敵な黒いブラジャー、とってみようか?」
「え、ブラ? コレを?」
ブラ? ブラジャーなんて、こんなものをどうするのだろう?
私は肩ひもを指でつまみあけで、本当にコレの事かなと確認する。
「うん、それをとって欲しいな」
「……ええ、それはいいけど?」
やっぱり間違っていなかった。
「とったけど……宮城君?」
「じゃあ、それ、預かっておくね。邪魔でしょ?」
宮城君がそう言って、持っていたカバンの口をあけてくれた。
「え、ええ……? ありがとう?」
宮城君が私のブラを丁寧にしまうところを見つつ、首をかしげていると。
「じゃあ、お散歩の続きだよ」
「あんっ! ……ご、ごめんなさい」
ぼうっとしていた私のお尻が叩かれる。
そうして散歩を再開すると、また別の通行人が前からやってきた。
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