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『春に舞い降りた私の天使(春日井crushing11)』
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『春に舞い降りた私の天使(春日井crushing11)』
けれど、ここから宮城君はどうするつもりだろう。
私の事を先生に突き出すなら、ここまでしてくれる意味がない。
まさか本当に口外もせず、この事を黙っていてくれる、とか?
私の期待が高まる中、宮城君がつぶやいた。
「まぁ……アレしかないよねぇ」
「え?」
「春日井さん。うまく口裏を合わせてね?」
「え?」
「ボクにまかせて。ごまかしてあげられると思うから」
私は宮城君の意図がわからず、キョトンとしてしまう。
これからどこかに行って、話を合わせるような雰囲気だ。
「じゃ、行こうか」
私の疑問に対して、すぐに宮城君が行き先を話してくれた。
「え、どこに?」
「職員室」
「……」
血の気が引いた。
「大丈夫。きっとうまくいくから」
「……う、うん」
けれど宮城君は私を安心させるように微笑む。本当に……かばってくれる? 内緒にしてくれるの?
連れられるまま、私は宮城君の後を追う。
途中、掃除道具を片付けるために男子トイレに寄ったのだが、出てきた宮城君は……朝のように濡れていた。
「ど、どうしたの宮城君、すごい濡れて!?」
私はすぐに駆け寄ったが、そこでまた予想外のことをされてしまった。
「はい、バシャー」
「きゃ!」
宮城君が両手ですくうように持っていた水を、私の頭にかけたのだ。
「え、え? なに? ど、どうして?」
困惑。ただ困惑する私。
「まぁまぁ、いいからいいから。じゃあ、職員室に行こう」
「え、あ、う、うん」
再び宮城君が走り出し、私はただその言葉に従って駆けだした。
授業中の校舎、いつもと違って生徒の姿のない廊下を二人で走り。
そして職員室までやってくる。
これから私はどうなるんだろう?
そんな不安で足がすくむが、宮城君はすぐにドアをノックして扉を開けると出入り口で声をあげた。
「冬原先生、いらっしゃいますかー」
宮城君の声に何人もの先生の顔があがる。
その中で唯一立ち上がった見慣れた赤いジャージ姿の冬原先生が驚いた顔でやってくる。
「宮城? どうし……いや、本当にどうした!?」
かけよってきた冬原先生は宮城君と私を交互に見る。
宮城君は……私の事をなんと説明する気なんだろう。
いまだに彼が私をかばう理由がわからず、やっぱり今の私がした犯罪行為を告げられるのではと身を固くした。
「実はまたトイレの蛇口が故障しまして」
――ああ、そんな。
ほんとうに?
私をかばってくれるの? 私を守ってくれるの?
私は宮城君を見た。
輝いて見えた。
本当にこの人は、私の天使なのだ。
けれど、ここから宮城君はどうするつもりだろう。
私の事を先生に突き出すなら、ここまでしてくれる意味がない。
まさか本当に口外もせず、この事を黙っていてくれる、とか?
私の期待が高まる中、宮城君がつぶやいた。
「まぁ……アレしかないよねぇ」
「え?」
「春日井さん。うまく口裏を合わせてね?」
「え?」
「ボクにまかせて。ごまかしてあげられると思うから」
私は宮城君の意図がわからず、キョトンとしてしまう。
これからどこかに行って、話を合わせるような雰囲気だ。
「じゃ、行こうか」
私の疑問に対して、すぐに宮城君が行き先を話してくれた。
「え、どこに?」
「職員室」
「……」
血の気が引いた。
「大丈夫。きっとうまくいくから」
「……う、うん」
けれど宮城君は私を安心させるように微笑む。本当に……かばってくれる? 内緒にしてくれるの?
連れられるまま、私は宮城君の後を追う。
途中、掃除道具を片付けるために男子トイレに寄ったのだが、出てきた宮城君は……朝のように濡れていた。
「ど、どうしたの宮城君、すごい濡れて!?」
私はすぐに駆け寄ったが、そこでまた予想外のことをされてしまった。
「はい、バシャー」
「きゃ!」
宮城君が両手ですくうように持っていた水を、私の頭にかけたのだ。
「え、え? なに? ど、どうして?」
困惑。ただ困惑する私。
「まぁまぁ、いいからいいから。じゃあ、職員室に行こう」
「え、あ、う、うん」
再び宮城君が走り出し、私はただその言葉に従って駆けだした。
授業中の校舎、いつもと違って生徒の姿のない廊下を二人で走り。
そして職員室までやってくる。
これから私はどうなるんだろう?
そんな不安で足がすくむが、宮城君はすぐにドアをノックして扉を開けると出入り口で声をあげた。
「冬原先生、いらっしゃいますかー」
宮城君の声に何人もの先生の顔があがる。
その中で唯一立ち上がった見慣れた赤いジャージ姿の冬原先生が驚いた顔でやってくる。
「宮城? どうし……いや、本当にどうした!?」
かけよってきた冬原先生は宮城君と私を交互に見る。
宮城君は……私の事をなんと説明する気なんだろう。
いまだに彼が私をかばう理由がわからず、やっぱり今の私がした犯罪行為を告げられるのではと身を固くした。
「実はまたトイレの蛇口が故障しまして」
――ああ、そんな。
ほんとうに?
私をかばってくれるの? 私を守ってくれるの?
私は宮城君を見た。
輝いて見えた。
本当にこの人は、私の天使なのだ。
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