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『春日井の示す交換条件』
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『春日井の示す交換条件』
「じゃあ、春日井さんは今からボクのペット、それでいいんだね?」
「いいの? 私をペットにしてくれるの?」
「もちろん。ボクだって若い男だからね。女のコに迫られたらやっぱり、ね? だけど」
「……だけど?」
オレは言うべき事はハッキリさせておく。
この状況で春日井さんが断るとは思えないが明言しておくというのは大事だ。
これは口約束ながらも、契約のようなものなのだから。
「ボクは春日井さんの言葉を借りれば、まさに好色漢なんだ。春日井さん以外にもペット……セフレを作るつもりだし、すでに他にもいるかもしれない」
「え……え!?」
これまでで最も驚いた顔になる春日井さん。
「嘘じゃないよ? ボクはそんな男。春日井さんはそんな男のペットになりたい?」
「……え……その……」
とまどうように苦悩する春日井さんだったが。
「……わ、私のお願いも聞いてくれるなら」
「ああ、そう言えばペットになるかわりにお願いがあるって言っていたね。ボクにできる事かな?」
とはいえ、さきほどの会話からおおよその予想はつく。
抱いた男の子を産みたい、と言っていたではないか?
であれば、冬原先生と同じく。
「子供が欲しいの。できれば学校を卒業する頃に……ううん、もちろん宮城君の都合でいいんだけど、できれば、その、学生生活はまっとうしたいから」
やっぱりか。
ビッチとしては深く考える事なく、今がよければいいの精神で承諾するのだろう。
しかしオレとしてはこのあたりはシッカリとしておきたい。
オレが目指しているのは皆が幸せになれる、そんなビッチだ。
前世での男としての責任の所在、そんなものが頭をチラついたの確かだ。
そもそも自分の子供を望んでくれる女性を嫌いになれるわけもないし、そもそも好意的に思っていた相手だ。
うさん臭い本を鵜呑みにしてしまって少しだけゆがんだ性癖が暴走してしまった経緯はあれど、春日井さんに対しては短い付き合いながら良い人だと思っている。
まぁ、なんだ。
つまり少し硬い話になってしまったが。
「……卒業したら、ね」
と、オレは春日井さんを安心させるように微笑みながら告げた。
「ほ、本当!? あ、ありがとう、宮城君、私、私、なんでもするからね! 宮城君に嫌われないように何でもするから!」
オレの手をまたしても太ももでぎゅうぎゅう締め付けながら、何でも何でもと連呼する春日井さん。
「そうだね。春日井さんは何でも言う事を聞いてくれるセフレだものね?」
オレは固い話は終わりとばかりに、少し茶化すようにそうたずねる。
当人同士で今の約束に対する認識に違いがないかの最終確認のつもりだ。
春日井さんは何度もうなずき。
「ええ、ええ。私はもう宮城君のセックスフレンドだから。もちろん何でも言う事を聞くわ。あ、そうだわ。ならさっそく明日から首輪をつけて学校に……」
「何でもいう事を聞いてくれるセフレの春日井さんに最初のお願いだよ。学校で首輪はやめようね」
あいかわらずシフトが五速に入りっぱなしだ。
オレとしては三速、ときおり四速あたりのゆるい街乗りでいいんだけども。
などと、まだ甘い事を考えていたオレはからかうように。
「それとも春日井さんは首輪をしたいのかな? 例えばこんな人気のない公園なんかで露出をさせられた上に、首輪にリードをつけられて散歩したい、とか?」
自分で言いつつ、そこまでのガチ勢であるはずがない、ちょっとエッチな週刊誌に毒された春日井さん。
ちょっと露出が好きで、ちょっとマゾ属性が強めで、だけど真面目で良い子の春日井さん。
そう思っていた。
そう思っていたからこそ、こんなバカげたジョークを口にしたオレは。
「……いいの? そんな事もしてくれるの?」
転生後、最大の失言をした事をようやく悟ったのだった。
好色漢の趣味に合わせとか色々と理由をつけていたものの、彼女は真に……犬属性だった。
「じゃあ、春日井さんは今からボクのペット、それでいいんだね?」
「いいの? 私をペットにしてくれるの?」
「もちろん。ボクだって若い男だからね。女のコに迫られたらやっぱり、ね? だけど」
「……だけど?」
オレは言うべき事はハッキリさせておく。
この状況で春日井さんが断るとは思えないが明言しておくというのは大事だ。
これは口約束ながらも、契約のようなものなのだから。
「ボクは春日井さんの言葉を借りれば、まさに好色漢なんだ。春日井さん以外にもペット……セフレを作るつもりだし、すでに他にもいるかもしれない」
「え……え!?」
これまでで最も驚いた顔になる春日井さん。
「嘘じゃないよ? ボクはそんな男。春日井さんはそんな男のペットになりたい?」
「……え……その……」
とまどうように苦悩する春日井さんだったが。
「……わ、私のお願いも聞いてくれるなら」
「ああ、そう言えばペットになるかわりにお願いがあるって言っていたね。ボクにできる事かな?」
とはいえ、さきほどの会話からおおよその予想はつく。
抱いた男の子を産みたい、と言っていたではないか?
であれば、冬原先生と同じく。
「子供が欲しいの。できれば学校を卒業する頃に……ううん、もちろん宮城君の都合でいいんだけど、できれば、その、学生生活はまっとうしたいから」
やっぱりか。
ビッチとしては深く考える事なく、今がよければいいの精神で承諾するのだろう。
しかしオレとしてはこのあたりはシッカリとしておきたい。
オレが目指しているのは皆が幸せになれる、そんなビッチだ。
前世での男としての責任の所在、そんなものが頭をチラついたの確かだ。
そもそも自分の子供を望んでくれる女性を嫌いになれるわけもないし、そもそも好意的に思っていた相手だ。
うさん臭い本を鵜呑みにしてしまって少しだけゆがんだ性癖が暴走してしまった経緯はあれど、春日井さんに対しては短い付き合いながら良い人だと思っている。
まぁ、なんだ。
つまり少し硬い話になってしまったが。
「……卒業したら、ね」
と、オレは春日井さんを安心させるように微笑みながら告げた。
「ほ、本当!? あ、ありがとう、宮城君、私、私、なんでもするからね! 宮城君に嫌われないように何でもするから!」
オレの手をまたしても太ももでぎゅうぎゅう締め付けながら、何でも何でもと連呼する春日井さん。
「そうだね。春日井さんは何でも言う事を聞いてくれるセフレだものね?」
オレは固い話は終わりとばかりに、少し茶化すようにそうたずねる。
当人同士で今の約束に対する認識に違いがないかの最終確認のつもりだ。
春日井さんは何度もうなずき。
「ええ、ええ。私はもう宮城君のセックスフレンドだから。もちろん何でも言う事を聞くわ。あ、そうだわ。ならさっそく明日から首輪をつけて学校に……」
「何でもいう事を聞いてくれるセフレの春日井さんに最初のお願いだよ。学校で首輪はやめようね」
あいかわらずシフトが五速に入りっぱなしだ。
オレとしては三速、ときおり四速あたりのゆるい街乗りでいいんだけども。
などと、まだ甘い事を考えていたオレはからかうように。
「それとも春日井さんは首輪をしたいのかな? 例えばこんな人気のない公園なんかで露出をさせられた上に、首輪にリードをつけられて散歩したい、とか?」
自分で言いつつ、そこまでのガチ勢であるはずがない、ちょっとエッチな週刊誌に毒された春日井さん。
ちょっと露出が好きで、ちょっとマゾ属性が強めで、だけど真面目で良い子の春日井さん。
そう思っていた。
そう思っていたからこそ、こんなバカげたジョークを口にしたオレは。
「……いいの? そんな事もしてくれるの?」
転生後、最大の失言をした事をようやく悟ったのだった。
好色漢の趣味に合わせとか色々と理由をつけていたものの、彼女は真に……犬属性だった。
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