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『春日井の嗚咽と謝罪』
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『春日井の嗚咽と謝罪』
どうしたのかと振り返った時、そこには立ち尽くす春日井さんがいた。
「どうしたの、春日井さん?」
「……う、ひっく……うぇ……」
春日井さんはひざあたりでスカートを強く握りしめたまま、涙を流す瞳でオレを見ていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ひっく、ごめんなさい」
……まぁ、そうなるか。
今の彼女の立場を前世のオレに置き換えるて考えてみる。
移動教室で施錠されている教室に委員長という立場で預かっていた鍵を使って侵入。
そして異性の机を使って自慰行為、さらに潮吹きまで粗相をするもその異性本人にそれを目撃される。
さらに汚してしまった床を一緒に掃除してもらったあげく、水をかぶったり、先生に嘘をついたりまでして誤魔化してもらったという状況だ。
うーん。
ひどい。
客観的かつ多角的に見てもフォローのしようがない。
気にしないでいいよって気楽に言えるレベルではない事だけは確かだ。
もしこんな事がクラスにバレたらイジメか不登校の分岐ルートしかないぞ。
「うっ、ひぐッ……ごめんなさい、ごめんなさい……」
しかもやらかしたのが、まさかまさかの委員長の春日井さん。
真面目な性格だろう彼女なら、思いつめたあげく背中に翼が無くても屋上から飛び立つ可能性もある。
今、オレがどれだけ優しく諭したとしても本人がここまで自責の念に駆られていると実に不安だ。
「……む」
しかしここでオレのピンク色の頭脳が妙案をひらめく。
――逆に考えるんだ、これは好機。
春日井さんを落とす絶好のチャンスじゃないかと。
オレは彼女を好意で助けたのではない、下心あって助けたのだと思わせればいい。
上手くやれば彼女はオレの机でオナっていた加害者から一転、オレに脅されてエッチな事をさせられる被害者になれるのだ。
そう、まるでエロ同人みたいに!
オレの机でイタすくらいだから、オレ本人とイタすのもオッケーなはずだ。
だが逆に、こんな事をする人だと思わなかった! とか言われてみたい気もする。
……いや、どうだろう? 本気で嫌がられるなら、それはちょっとかわいそうな気がする。
しかし泣き顔の春日井さんは、なんというか、そそる。
「よし」
オレのピンクの脳細胞が結論を出し意気込みを言葉にしたのだが、それに反応して春日井さんがビクリとした。
こうまで脅える彼女を本意ではないとは言え、ここからさらに追い詰めないといめないというのは……なかなかに覚悟がいるな。
だがこれは彼女の為でもある。オレは心を鬼にして、彼女にこう要求するのだ。
『黙っていてほしければ何でもいう事をきくセフレになってね』と。
そんな内心の覚悟を秘めつつ、泣いて立ち止まったままの春日井さんに寄りそう。
力いっぱいスカートをにぎりしめて、白くなっていた指先にオレはそっと手を重ねた。
「さ、こんなところにいつまでも立っていると不審がられるよ。保健室で冬原先生が来るのを待ってよう?」
「う、うん。ごめんね、宮城君、ごめんね……」
べっそべそで顔じゅう涙まみれの春日井さんの手をひきながら保健室へ向かう。
「さ、もう泣き止んで。せっかくうまく誤魔化せたのに山崎先生何かあったかと思われちゃうよ?」
保健室の前で春日井さんの顔をハンカチで拭いてあげると、春日井さんは必死に泣き止もうとしていた。さすがにこのままでは何事かと思われてしまう。
春日井さんが落ち着いた頃合いを見て保健室の扉をノックすると『どうぞ』という、やや、しわがれた声が返ってきた。
どうしたのかと振り返った時、そこには立ち尽くす春日井さんがいた。
「どうしたの、春日井さん?」
「……う、ひっく……うぇ……」
春日井さんはひざあたりでスカートを強く握りしめたまま、涙を流す瞳でオレを見ていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ひっく、ごめんなさい」
……まぁ、そうなるか。
今の彼女の立場を前世のオレに置き換えるて考えてみる。
移動教室で施錠されている教室に委員長という立場で預かっていた鍵を使って侵入。
そして異性の机を使って自慰行為、さらに潮吹きまで粗相をするもその異性本人にそれを目撃される。
さらに汚してしまった床を一緒に掃除してもらったあげく、水をかぶったり、先生に嘘をついたりまでして誤魔化してもらったという状況だ。
うーん。
ひどい。
客観的かつ多角的に見てもフォローのしようがない。
気にしないでいいよって気楽に言えるレベルではない事だけは確かだ。
もしこんな事がクラスにバレたらイジメか不登校の分岐ルートしかないぞ。
「うっ、ひぐッ……ごめんなさい、ごめんなさい……」
しかもやらかしたのが、まさかまさかの委員長の春日井さん。
真面目な性格だろう彼女なら、思いつめたあげく背中に翼が無くても屋上から飛び立つ可能性もある。
今、オレがどれだけ優しく諭したとしても本人がここまで自責の念に駆られていると実に不安だ。
「……む」
しかしここでオレのピンク色の頭脳が妙案をひらめく。
――逆に考えるんだ、これは好機。
春日井さんを落とす絶好のチャンスじゃないかと。
オレは彼女を好意で助けたのではない、下心あって助けたのだと思わせればいい。
上手くやれば彼女はオレの机でオナっていた加害者から一転、オレに脅されてエッチな事をさせられる被害者になれるのだ。
そう、まるでエロ同人みたいに!
オレの机でイタすくらいだから、オレ本人とイタすのもオッケーなはずだ。
だが逆に、こんな事をする人だと思わなかった! とか言われてみたい気もする。
……いや、どうだろう? 本気で嫌がられるなら、それはちょっとかわいそうな気がする。
しかし泣き顔の春日井さんは、なんというか、そそる。
「よし」
オレのピンクの脳細胞が結論を出し意気込みを言葉にしたのだが、それに反応して春日井さんがビクリとした。
こうまで脅える彼女を本意ではないとは言え、ここからさらに追い詰めないといめないというのは……なかなかに覚悟がいるな。
だがこれは彼女の為でもある。オレは心を鬼にして、彼女にこう要求するのだ。
『黙っていてほしければ何でもいう事をきくセフレになってね』と。
そんな内心の覚悟を秘めつつ、泣いて立ち止まったままの春日井さんに寄りそう。
力いっぱいスカートをにぎりしめて、白くなっていた指先にオレはそっと手を重ねた。
「さ、こんなところにいつまでも立っていると不審がられるよ。保健室で冬原先生が来るのを待ってよう?」
「う、うん。ごめんね、宮城君、ごめんね……」
べっそべそで顔じゅう涙まみれの春日井さんの手をひきながら保健室へ向かう。
「さ、もう泣き止んで。せっかくうまく誤魔化せたのに山崎先生何かあったかと思われちゃうよ?」
保健室の前で春日井さんの顔をハンカチで拭いてあげると、春日井さんは必死に泣き止もうとしていた。さすがにこのままでは何事かと思われてしまう。
春日井さんが落ち着いた頃合いを見て保健室の扉をノックすると『どうぞ』という、やや、しわがれた声が返ってきた。
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