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『性癖染色、さらに詳しく』
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『性癖染色、さらに詳しく』
カンが良いとはどう言う事か?
『ご自分で気づいたのでご褒美の補足説明です』
どうやら女神様はずいぶんとご機嫌だ。
『染色は性交のその都度、貴方か相手か、その時に性欲の強い側が行います。今回であれば少女の隠し持っていた性衝動が貴方に影響を与えた結果、そういった性交となったわけです。つまりさっきまでの貴方は、自ら望む性交だと思い込み、喜びを感じていた憐れな腰振り人形だったわけです』
「……詳しい説明、どうもありがとうございます」
『ええ。もっと感謝するように』
女神様には嫌味も皮肉も通じない。
しかしこれは……なかなか厄介じゃないか?
少なくともスキルというほど便利なものじゃない気がする。
パッと聞くだけだと、自分の好きなプレイを相手によらず楽しめる、もしくは相手の好みのプレイをオレも楽しめるようになるように聞こえるが……。
『ふふふ。その顔。本質に気付いていますね?』
「……相手の性欲が勝っている場合、今回のようにオレが相手に引っ張られる、という事ですよね? そして本来は自分の趣味でもないセックスでもそうと思わず楽しんでしまう、と」
『ええ。その通りです。貴方の不安と恐怖は正しい。貴方程度の軟弱で保守的な変態であれば染色される側も構いませんが、猟奇的嗜好の持ち主と知らずに性交すると、最悪、命の危険もあります』
「……」
つい無言になってしまった。
そこまでは考えていなかった。
オレが戦慄していたのは、スカでトロな人と知らずに無意識に乗っ取られて茶色いプレイを楽しんでしまったらどうしようと思って脅えていたのだが……これはちょっと考え甘かったか?
確かに世の中にはサイコでパスな人だっているわけだし、普段は理性でそういう性癖を押さえていたとしても、このわけのわからないスキルのせいで、オレがそういう性癖を無意識にさらす可能性だってある。
「女神様。これはスキル、というにはちょっと……」
常人にはない力を与えてもらっておいて文句を言うつもりはないが、せっかく拾ってもらった命に危険が及ぶようなスキルはちょっと遠慮したい。
『基本的に先輩が貴方に与えたスキルはサキュバスたちが吸精に使うようなものを雑にてんこ盛りでしたからね。淫魔からすれば相手なり自分なりに性癖を合わせるというのは精を吸うのに都合が良いのです。例え猟奇的な趣味の人間が襲い掛かってきても魔族であれば返り討ちにできますし』
「残念ながらボクはそういうエッチな悪魔ではないので……」
来るもの拒まずというのであれば、便利なスキルなんだろうけどなぁ。
『確かに人間である貴方には不向きかもしれませんがね。貴方にスキルを授けられた先輩はとても優秀で慈悲深く聡明で美しい方ですが雑なところが珠に瑕なのですよ』
確かに前世の女神様はあんまり難しい事を考えているような口調ではなかったな。
『少々脅かしすぎましたか? 実際の所、命の危険などよほどの事が無い限りありません。それに貴方であれば制御、もしくは使いこなせるのでは?』
「……うまく付き合っていくことにします。自分か相手の性癖に流されているのかが自覚できない、というのが厄介ですけど」
『慣れればわかるようになりますよ? 今回のようにまずは違和感として、次第に確信めいた感覚として。実際、この力は今、目覚めたというわけではありませんからね? これまでの性交を思い返してみなさい。特に、その少女と初めての時の事を。最初に性癖染色が発動した時ですよ?』
「……夏木さんとの?」
『具体的には貴方の初体験の時です。彼女は実にいじらしく貴方を愛し、初々しくも名前で呼び合ったでしょう?』
「ええ、確かに」
京クン、青葉、と呼び合って初めての愛を知った、めでたい脱童貞の日。
忘れるはずのない、素晴らしい思い出の日だが……もしや、あれも?
カンが良いとはどう言う事か?
『ご自分で気づいたのでご褒美の補足説明です』
どうやら女神様はずいぶんとご機嫌だ。
『染色は性交のその都度、貴方か相手か、その時に性欲の強い側が行います。今回であれば少女の隠し持っていた性衝動が貴方に影響を与えた結果、そういった性交となったわけです。つまりさっきまでの貴方は、自ら望む性交だと思い込み、喜びを感じていた憐れな腰振り人形だったわけです』
「……詳しい説明、どうもありがとうございます」
『ええ。もっと感謝するように』
女神様には嫌味も皮肉も通じない。
しかしこれは……なかなか厄介じゃないか?
少なくともスキルというほど便利なものじゃない気がする。
パッと聞くだけだと、自分の好きなプレイを相手によらず楽しめる、もしくは相手の好みのプレイをオレも楽しめるようになるように聞こえるが……。
『ふふふ。その顔。本質に気付いていますね?』
「……相手の性欲が勝っている場合、今回のようにオレが相手に引っ張られる、という事ですよね? そして本来は自分の趣味でもないセックスでもそうと思わず楽しんでしまう、と」
『ええ。その通りです。貴方の不安と恐怖は正しい。貴方程度の軟弱で保守的な変態であれば染色される側も構いませんが、猟奇的嗜好の持ち主と知らずに性交すると、最悪、命の危険もあります』
「……」
つい無言になってしまった。
そこまでは考えていなかった。
オレが戦慄していたのは、スカでトロな人と知らずに無意識に乗っ取られて茶色いプレイを楽しんでしまったらどうしようと思って脅えていたのだが……これはちょっと考え甘かったか?
確かに世の中にはサイコでパスな人だっているわけだし、普段は理性でそういう性癖を押さえていたとしても、このわけのわからないスキルのせいで、オレがそういう性癖を無意識にさらす可能性だってある。
「女神様。これはスキル、というにはちょっと……」
常人にはない力を与えてもらっておいて文句を言うつもりはないが、せっかく拾ってもらった命に危険が及ぶようなスキルはちょっと遠慮したい。
『基本的に先輩が貴方に与えたスキルはサキュバスたちが吸精に使うようなものを雑にてんこ盛りでしたからね。淫魔からすれば相手なり自分なりに性癖を合わせるというのは精を吸うのに都合が良いのです。例え猟奇的な趣味の人間が襲い掛かってきても魔族であれば返り討ちにできますし』
「残念ながらボクはそういうエッチな悪魔ではないので……」
来るもの拒まずというのであれば、便利なスキルなんだろうけどなぁ。
『確かに人間である貴方には不向きかもしれませんがね。貴方にスキルを授けられた先輩はとても優秀で慈悲深く聡明で美しい方ですが雑なところが珠に瑕なのですよ』
確かに前世の女神様はあんまり難しい事を考えているような口調ではなかったな。
『少々脅かしすぎましたか? 実際の所、命の危険などよほどの事が無い限りありません。それに貴方であれば制御、もしくは使いこなせるのでは?』
「……うまく付き合っていくことにします。自分か相手の性癖に流されているのかが自覚できない、というのが厄介ですけど」
『慣れればわかるようになりますよ? 今回のようにまずは違和感として、次第に確信めいた感覚として。実際、この力は今、目覚めたというわけではありませんからね? これまでの性交を思い返してみなさい。特に、その少女と初めての時の事を。最初に性癖染色が発動した時ですよ?』
「……夏木さんとの?」
『具体的には貴方の初体験の時です。彼女は実にいじらしく貴方を愛し、初々しくも名前で呼び合ったでしょう?』
「ええ、確かに」
京クン、青葉、と呼び合って初めての愛を知った、めでたい脱童貞の日。
忘れるはずのない、素晴らしい思い出の日だが……もしや、あれも?
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