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『女神様通信』
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『女神様通信』
「おっと」
「……ぅぁ」
口からヨダレを垂らしたまま、朦朧とした目の夏木さんを抱きかかえたまま、オレはゆっくりとその体を便座に座らせる。
「夏木さん?」
「……」
虚ろな目をした夏木さんはオレの声に反応するでもなく、体を小さく痙攣させている。
「……女神様、おまたせしました」
『まったくです。ずいぶんと待ちましたよ』
「申し訳ありません。けど女神様も毎回こういう時に……」
『女神みずからのありがたい言葉を無下にすると? 女神たる私に人間一匹の都合を考えろと?』
単位は匹であった。
であれば、逆らうなんてもっての他だ。
「いいえ。女神様のお慈悲、ありがたくたまわりたく存じます」
『最初からそう言えばよいのです。さて、そこの少女の乱れ具合。そしてあなた自身の心情変化。具体的にはそのつもりのなかった嗜虐的な性交に違和感を感じていましたね?』
「はい」
そう。
先生相手であればともかく、夏木さんにまでお尻を叩いてのプレイというのは考えていなかった。
クセで叩いていしまったというのもあったと思うが、オレは夏木さんから、イジメられたい、もっと乱暴にして欲しい、そんな雰囲気を感じていたのも事実だ。
『性癖染色です』
「性癖染色?」
あいかわらず無理やり四字熟語っぽくしてくるネーミングセンスだ。
今までもそうだったから、他のスキルとこんがらがってくるぞ。
絶頂吐精、絶倫吐精、性癖開闢……で、今度は性癖染色、だって?
言葉の響きからなんとなく想像はつくとは思いながら、女神様の詳細な説明を待つ。
『ええ。自分の望む性癖、性交、そういった欲情を相手に無意識に伝え、忖度させる。そういったものです』
「忖度?」
だいたい予想通りであるものの、あまり色気のない単語も出てくる。
というか、説明が回りくどい。
オレの不満顔を理解できていない苦悩顔と勘違いしたらしい女神様が鼻で笑う。
『ふふっ、よく理解できていないという顔ですね。もっと知能の低い方向けの説明の方が良いですか?』
「……お願いします」
いちいちイラっとする言い方をしてくださる女神様である。
『仕方ないですね。では簡単に言いましょう。自分の望む性交を相手に促す、というものです』
「……ふむ……ふむ?」
ふーむ? 促す? 命じるでもなく、催眠でもなく、か?
『大した事のないスキル、と思っていますか?』
「……オレが望むプレイを相手が無意識に受け入れる、という話ですか?」
『ふふふ?』
肯定でも否定でもなし。そんなシンプルなものじゃないのか。
女神様の声が露骨に胡散臭い。
今ぐったりしている夏木さんとのお楽しみの話で言えば、オレがサドっぽい行為を望んだから、本来は望まないプレイだったのに、お尻を叩かれて感じていたという事になる。
「……うぅ」
本当に?
何かひっかかる。
「もしかして?」
本人は否定していたが、本当は夏木さんがああいうプレイを望んだため、オレが促された側となり無意識にお尻を叩いた、とか?
つまり夏木さんの望んだシチュエーションに、オレが引っ張られたとか?
『カンはいいようですね』
女神様の声が面白そうにはずんだ。正解だったらしい。
「おっと」
「……ぅぁ」
口からヨダレを垂らしたまま、朦朧とした目の夏木さんを抱きかかえたまま、オレはゆっくりとその体を便座に座らせる。
「夏木さん?」
「……」
虚ろな目をした夏木さんはオレの声に反応するでもなく、体を小さく痙攣させている。
「……女神様、おまたせしました」
『まったくです。ずいぶんと待ちましたよ』
「申し訳ありません。けど女神様も毎回こういう時に……」
『女神みずからのありがたい言葉を無下にすると? 女神たる私に人間一匹の都合を考えろと?』
単位は匹であった。
であれば、逆らうなんてもっての他だ。
「いいえ。女神様のお慈悲、ありがたくたまわりたく存じます」
『最初からそう言えばよいのです。さて、そこの少女の乱れ具合。そしてあなた自身の心情変化。具体的にはそのつもりのなかった嗜虐的な性交に違和感を感じていましたね?』
「はい」
そう。
先生相手であればともかく、夏木さんにまでお尻を叩いてのプレイというのは考えていなかった。
クセで叩いていしまったというのもあったと思うが、オレは夏木さんから、イジメられたい、もっと乱暴にして欲しい、そんな雰囲気を感じていたのも事実だ。
『性癖染色です』
「性癖染色?」
あいかわらず無理やり四字熟語っぽくしてくるネーミングセンスだ。
今までもそうだったから、他のスキルとこんがらがってくるぞ。
絶頂吐精、絶倫吐精、性癖開闢……で、今度は性癖染色、だって?
言葉の響きからなんとなく想像はつくとは思いながら、女神様の詳細な説明を待つ。
『ええ。自分の望む性癖、性交、そういった欲情を相手に無意識に伝え、忖度させる。そういったものです』
「忖度?」
だいたい予想通りであるものの、あまり色気のない単語も出てくる。
というか、説明が回りくどい。
オレの不満顔を理解できていない苦悩顔と勘違いしたらしい女神様が鼻で笑う。
『ふふっ、よく理解できていないという顔ですね。もっと知能の低い方向けの説明の方が良いですか?』
「……お願いします」
いちいちイラっとする言い方をしてくださる女神様である。
『仕方ないですね。では簡単に言いましょう。自分の望む性交を相手に促す、というものです』
「……ふむ……ふむ?」
ふーむ? 促す? 命じるでもなく、催眠でもなく、か?
『大した事のないスキル、と思っていますか?』
「……オレが望むプレイを相手が無意識に受け入れる、という話ですか?」
『ふふふ?』
肯定でも否定でもなし。そんなシンプルなものじゃないのか。
女神様の声が露骨に胡散臭い。
今ぐったりしている夏木さんとのお楽しみの話で言えば、オレがサドっぽい行為を望んだから、本来は望まないプレイだったのに、お尻を叩かれて感じていたという事になる。
「……うぅ」
本当に?
何かひっかかる。
「もしかして?」
本人は否定していたが、本当は夏木さんがああいうプレイを望んだため、オレが促された側となり無意識にお尻を叩いた、とか?
つまり夏木さんの望んだシチュエーションに、オレが引っ張られたとか?
『カンはいいようですね』
女神様の声が面白そうにはずんだ。正解だったらしい。
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