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『GW編・六日目 私服の彼女は意外と攻めていた(10)』
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『GW編・六日目 私服の彼女は意外と攻めていた(10)』
「さて、と」
オレはわざとらしく一息つき、拳ひとつほどだけ離れる。
体温が伝わるほど密着していたわけでもないとういうのに、急に肌が寂しくなる感覚。
「……あ」
春日井さんも同じような気持ちだったらしく、小さな声を漏らしたがオレはかまわずテーブルの上に視線をやって笑う。
「難しい話をしたら甘いモノが欲しくなるね。他にもいろいろと聞きたいし、先に食べちゃわない?」
「そ、そうね。そうしましょう」
オレたちは横並びのまま、コーヒーとドーナツ、そしてシマ先輩のおごりであるマフィンに手をつける。
その後はオレが学園生活で困っていないかとか、このあたりの地理には慣れたかといった話題に終始した。
オレもあえて夏木さんとの関係を問い詰めたりしない。
とはいえ、気にならないといえばウソになるので、タイミングを見て夏木さんに聞いてみようとは思う。
以前、夏木さんの口から春日井さんの家が近いと聞いたときに感じたものとは少し違う雰囲気もある。
そもそも互いに嫌悪しているのであれば、夏木さんもわざわざ家が近いになんて自分から言い出さないだろうし、春日井さんも委員長だからといってあれほどしつこくかまったりしないと思う。
もし春日井さんがセフレになってくれたら、どうしたって夏木さんの事もバレるだろう。
であるならば、必要以上に険悪にならないように仲直りをしてもらいたい。
そうなれば、クラスメート二人との複数プレイだって可能になるかもしれないからね?
しかも真面目な委員長と硬派な不良娘のコラボレーション。
エロゲだってここまで直球で攻めてこないって組み合わせにこのビッチ心が高まらないわけがない。
ただ、今の段階では取らぬセフレの皮算用。
確かに夏木さんの話が出るまでは、ゴリ押しもできそうな雰囲気だったような気もするが。
「マフィン、ごちそうさまでした。女の私が本当は出さなきゃいけないのに」
「いえいえ。このお店に知り合いの先輩がいて、その人のおごりだから」
すると春日井さんは驚く。
「越してきたばかりでしょう? 結構通ってるのね? 常連なの? ……あの男性スタッフ、よね?」
「そうそう。あそこの金髪でガラの悪い人」
オレがクスクスと笑いながら、こちらを見て見ぬふりをしているシマ先輩を指さす。
するとシマ先輩が怪訝な顔をしたので、笑顔で手を振っておいた。
「仲、いいのね。普通、男性で接客をする人ってもっと無愛想だけど」
「男同士だし、ちょっと気も合って」
「ああ、そういう事もあるのね。女にはわからない話だわ、ふふ、男の友情って言うんでしょ?」
こんな和やかになってしまった不雰囲気の中、急にセフレなんて言い出したら、逃げだすか、怒り出すか、先生に言いつけられるか。
服装はだけど派手だけど、根は真面目で優しい性格のようだからなー。
副委員長というポジションを活用して、ゆっくりと、しかし確実にがんばりますかね。
その後も春日井さんとは楽しく歓談し、そうしてゴールデンウィークの最終日は終わった。
店を出たところで春日井さんとは別れ、オレは一人で自分のアパートへ戻る。
夕焼けを見る。
「……んー、前世だったらものすごい虚無感に襲われてるんだけど」
いつもであれば連休が終わった日の夕日というのは、明日からの絶望を象徴するものだ。
しかしオレには目指すべき、気高い目標ができた。
不良娘と委員長のコラボ、そしてゆくゆくは女教師がそこに加わったとしたら?
無論。それは簡単な事じゃない。
相当に厳しく難しい戦いが待ち受けているだろうが。
だからこそ、挑戦する価値がある。
オレが駆けあがるにふさわしいビッチの坂道がそこにある。
登り始めたばかりのこの先、その高みにあるだろうまだ見ぬ桃源郷を目指して、オレは駆け上がっていくのだ!
「さて、と」
オレはわざとらしく一息つき、拳ひとつほどだけ離れる。
体温が伝わるほど密着していたわけでもないとういうのに、急に肌が寂しくなる感覚。
「……あ」
春日井さんも同じような気持ちだったらしく、小さな声を漏らしたがオレはかまわずテーブルの上に視線をやって笑う。
「難しい話をしたら甘いモノが欲しくなるね。他にもいろいろと聞きたいし、先に食べちゃわない?」
「そ、そうね。そうしましょう」
オレたちは横並びのまま、コーヒーとドーナツ、そしてシマ先輩のおごりであるマフィンに手をつける。
その後はオレが学園生活で困っていないかとか、このあたりの地理には慣れたかといった話題に終始した。
オレもあえて夏木さんとの関係を問い詰めたりしない。
とはいえ、気にならないといえばウソになるので、タイミングを見て夏木さんに聞いてみようとは思う。
以前、夏木さんの口から春日井さんの家が近いと聞いたときに感じたものとは少し違う雰囲気もある。
そもそも互いに嫌悪しているのであれば、夏木さんもわざわざ家が近いになんて自分から言い出さないだろうし、春日井さんも委員長だからといってあれほどしつこくかまったりしないと思う。
もし春日井さんがセフレになってくれたら、どうしたって夏木さんの事もバレるだろう。
であるならば、必要以上に険悪にならないように仲直りをしてもらいたい。
そうなれば、クラスメート二人との複数プレイだって可能になるかもしれないからね?
しかも真面目な委員長と硬派な不良娘のコラボレーション。
エロゲだってここまで直球で攻めてこないって組み合わせにこのビッチ心が高まらないわけがない。
ただ、今の段階では取らぬセフレの皮算用。
確かに夏木さんの話が出るまでは、ゴリ押しもできそうな雰囲気だったような気もするが。
「マフィン、ごちそうさまでした。女の私が本当は出さなきゃいけないのに」
「いえいえ。このお店に知り合いの先輩がいて、その人のおごりだから」
すると春日井さんは驚く。
「越してきたばかりでしょう? 結構通ってるのね? 常連なの? ……あの男性スタッフ、よね?」
「そうそう。あそこの金髪でガラの悪い人」
オレがクスクスと笑いながら、こちらを見て見ぬふりをしているシマ先輩を指さす。
するとシマ先輩が怪訝な顔をしたので、笑顔で手を振っておいた。
「仲、いいのね。普通、男性で接客をする人ってもっと無愛想だけど」
「男同士だし、ちょっと気も合って」
「ああ、そういう事もあるのね。女にはわからない話だわ、ふふ、男の友情って言うんでしょ?」
こんな和やかになってしまった不雰囲気の中、急にセフレなんて言い出したら、逃げだすか、怒り出すか、先生に言いつけられるか。
服装はだけど派手だけど、根は真面目で優しい性格のようだからなー。
副委員長というポジションを活用して、ゆっくりと、しかし確実にがんばりますかね。
その後も春日井さんとは楽しく歓談し、そうしてゴールデンウィークの最終日は終わった。
店を出たところで春日井さんとは別れ、オレは一人で自分のアパートへ戻る。
夕焼けを見る。
「……んー、前世だったらものすごい虚無感に襲われてるんだけど」
いつもであれば連休が終わった日の夕日というのは、明日からの絶望を象徴するものだ。
しかしオレには目指すべき、気高い目標ができた。
不良娘と委員長のコラボ、そしてゆくゆくは女教師がそこに加わったとしたら?
無論。それは簡単な事じゃない。
相当に厳しく難しい戦いが待ち受けているだろうが。
だからこそ、挑戦する価値がある。
オレが駆けあがるにふさわしいビッチの坂道がそこにある。
登り始めたばかりのこの先、その高みにあるだろうまだ見ぬ桃源郷を目指して、オレは駆け上がっていくのだ!
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