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『GW編・六日目 私服の彼女は意外と攻めていた(1)』
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『GW編・六日目 私服の彼女は意外と攻めていた(1)』
というわけで最終日。
「まぁ今日も予定はないんですけどね!」
オレは結局、前世とさほど変わらないゴールデンウィークの最終日を迎えていた。
家にいても仕方ないというのと、せっかくできた同性の友人に会うべく、昨日から引き続きシマ先輩の働いている駅前商店街のコーヒーショップに来ている。
「ほい、カフェオレ、お待ち。しかしお前も寂しいヤツだな」
「え?」
カウンターでシマ先輩の煎れてくれたカフェオレとドーナツの乗ったトレイを受け取ると、かわいそうな子をみる目で見られしまった。
これはアレか。
せっかくの休みなのに彼女もいないことに同情されたのだろうか?
この世界、男は積極的に自分から女性と関わらない。
シマ先輩は昨日のオバはんに対する態度からして、貞操観念の堅い人だと思ったが、意外と青春謳歌系の人なのだろうか。
「カフェに付き合ってくれるダチはいないのか? 男同士の語らいってのは大事だぞ?」
「……あー、実はボク、今月、こちらに転入してきたばかりでして」
やはりシマ先輩もこの世界の男という事らしい。
こちらの世界では男同士でカフェでダベるというは一般的なのか。
いわば女子会みたいなものだろうか。
野郎同士でスイーツを囲んで恋の話で盛り上がる? うーん、いまいち想像がつかない。
男同士との会話というのは得てして、今期のヒロイン最萌決定戦だとか、出の早い中段とガード不能の超必殺技はどちらが有用かとか、そういった硬質でとがったもののはずだ。
少なくとも山田君との会話はそんなのばかりだった。
懐かしい。
灰色とは言わないけど、彩の少ない青春に価値がなかったわけじゃない。
思い出せば確かに楽しかった。得るものがなかっただけだ。
「ですから知り合いもクラスメートくらいしかいませんし、それにクラスに男子はボク一人ですから」
などと、やや郷愁に吹かれながらしゃべっていたせいか、どこか悲しげな声になってしまった。
それをシマ先輩がどう勘違いしたのか。
「……そっか。なかなかシンドイな」
さきほどの軽い感じではなく、こちらを慮ったような顔でそう言った。
愚痴を言い合える、もしくは助け合える男友達がいない、という事を気にかけてくれているのならそのお心遣いはまったくもって杞憂であると伝えたいが、オレは空気の読める人間である。
「ですから、昨日はシマ先輩と知り合えてとても嬉しかったです。なので調子にのって今日もお邪魔してしまいました。ご迷惑でなければいいんですが」
狙ったわけではないが180センチを超えるシマ先輩を見ると、自然と上目遣いになってしまう。
年下で知り合いもいない孤独な美少年が自分を慕ってくるというのはこの世界ではどうなんだろうか。
マリア様が見ていたりするカンジだろうか。
こちらでもアッーなカンジなのだろうか。
前者であればかまわないが、後者であるならばすぐさま面舵いっぱいである。
というわけで最終日。
「まぁ今日も予定はないんですけどね!」
オレは結局、前世とさほど変わらないゴールデンウィークの最終日を迎えていた。
家にいても仕方ないというのと、せっかくできた同性の友人に会うべく、昨日から引き続きシマ先輩の働いている駅前商店街のコーヒーショップに来ている。
「ほい、カフェオレ、お待ち。しかしお前も寂しいヤツだな」
「え?」
カウンターでシマ先輩の煎れてくれたカフェオレとドーナツの乗ったトレイを受け取ると、かわいそうな子をみる目で見られしまった。
これはアレか。
せっかくの休みなのに彼女もいないことに同情されたのだろうか?
この世界、男は積極的に自分から女性と関わらない。
シマ先輩は昨日のオバはんに対する態度からして、貞操観念の堅い人だと思ったが、意外と青春謳歌系の人なのだろうか。
「カフェに付き合ってくれるダチはいないのか? 男同士の語らいってのは大事だぞ?」
「……あー、実はボク、今月、こちらに転入してきたばかりでして」
やはりシマ先輩もこの世界の男という事らしい。
こちらの世界では男同士でカフェでダベるというは一般的なのか。
いわば女子会みたいなものだろうか。
野郎同士でスイーツを囲んで恋の話で盛り上がる? うーん、いまいち想像がつかない。
男同士との会話というのは得てして、今期のヒロイン最萌決定戦だとか、出の早い中段とガード不能の超必殺技はどちらが有用かとか、そういった硬質でとがったもののはずだ。
少なくとも山田君との会話はそんなのばかりだった。
懐かしい。
灰色とは言わないけど、彩の少ない青春に価値がなかったわけじゃない。
思い出せば確かに楽しかった。得るものがなかっただけだ。
「ですから知り合いもクラスメートくらいしかいませんし、それにクラスに男子はボク一人ですから」
などと、やや郷愁に吹かれながらしゃべっていたせいか、どこか悲しげな声になってしまった。
それをシマ先輩がどう勘違いしたのか。
「……そっか。なかなかシンドイな」
さきほどの軽い感じではなく、こちらを慮ったような顔でそう言った。
愚痴を言い合える、もしくは助け合える男友達がいない、という事を気にかけてくれているのならそのお心遣いはまったくもって杞憂であると伝えたいが、オレは空気の読める人間である。
「ですから、昨日はシマ先輩と知り合えてとても嬉しかったです。なので調子にのって今日もお邪魔してしまいました。ご迷惑でなければいいんですが」
狙ったわけではないが180センチを超えるシマ先輩を見ると、自然と上目遣いになってしまう。
年下で知り合いもいない孤独な美少年が自分を慕ってくるというのはこの世界ではどうなんだろうか。
マリア様が見ていたりするカンジだろうか。
こちらでもアッーなカンジなのだろうか。
前者であればかまわないが、後者であるならばすぐさま面舵いっぱいである。
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