【R18】転生先は男女比１：３０の貞操逆転世界～ビッチを夢見る三十路の魂～

『ＧＷ編・五日目 思わぬ出会い（３）＋今回の新キャラについて補足』

『ＧＷ編・五日目　思わぬ出会い（３）＋今回の新キャラについて補足』

＊今回、メイン登場キャラが男性ですがＢＬ要素はありません。
主人公とこの世界の一般的な男性の考え方などの差異の強調と、今後予定しているダブルデートの為の要員です。
寝取られ等のネガティブな要素もありません。この男性キャラのデート相手もヒロインの友人となります。



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オレを胸の中に抱き、心配してくれる彼の瞳は実に熱いカンジだった。

見た目は不良、中身は正義漢ってヤツか。

パッと見、大人しくて真面目そうなオレが性的被害にあっているの見かねて助けにきてくれたわけだ。

ふむ。

しかし、接客で男性店員を見るの初めてのような気がする。

ここでこの世界の男というものの立場を改めて思い起こす。

基本的に男は働く必要がなく、さらに言うと出費も少ない。

例の保険体育的な冊子にもあったが男性の診療費などは基本一割、場合によっては無料、その他福祉関係でも優遇が止まらない。

公共交通機関なども男子学生の学業定期であれば無料になる。

税金などに関してはまだ調べていないが、結婚するだけで補助が入るぐらいなので、まぁ、想像はつくだろう。

ただ、オレと同じく学生となると話は別だ。

家庭には補助金が入っていたりするはずだが、小遣いにそれが反映されるかは親次第だろう。

そういった理由があって残念なお財布事情を抱えてしまえば、趣味やらなんやらに使う金は自分で稼ぐしかない。

未成年を雇ってくれる場所であれば若い男というだけで職種に限らず自給は高くなる。

ならばわざわざ面倒ごとが起きやすい接客を選ぶ理由はない……のだからこそ、接客の男性スタッフの自給は高くなる。需要と供給だな。

どこどこの店に若い男の子がいる、というだけで宣伝になるのだから多少、時給に色をつけてもマイナスにはならないだろう。

ちなみに大企業が常に男性社員を資格の有無にかかわらず好待遇で募集しているのは、それを目当てにした優秀な女性社員を釣るエサでもある。

求められるのは、若さとルックス。

もちろんこんな赤裸々な事まで例の冊子にも書いていない。

では、なぜオレがそこまで詳しいか？

先生とベッドで色々とお話していた時、将来の進路や希望について聞かれたからだ。

参考までに先生のオススメ――忘れがちだが先生は生活指導員でもあり進路相談も受け持っている――としては、一般的以上の容姿が男性であれば大企業の秘書を候補にあげていた。

あとは冗談交じりにみせかけた真剣な声で『私と結婚して専業主夫もオススメだぞ！』とも言っていたがそれはあえてスルーさせて頂いた。

他には、眉目秀麗であり人目にさらされてもいい覚悟がある場合はモデルや芸能関係がねらい目だとも言っていたな。

宮城ならアナウンサーも狙えるかもしれんな、とも先生はわりと本気で言っていたが、さすがにそういう方向での承認欲求はないし有名になってしまったら一流ビッチへの夢が潰えてしまう。

となれば最初の大企業の秘書。

つまり女社長のお飾り、せいぜいが荷物持ち、というのが実に魅力的だ。

現在は『学生 宮城京～ビッチを夢見る青春編～』だが、某有名な課長のようにいずれは『秘書 宮城京～秘書室での甘い囁き～』みたいな未来をつい夢想してしまう。

ビシっとしたお高いスーツをお仕着せにさせられ、年上の敏腕美人女社長に二人きりになった秘書室で迫られ、オレはなすがままにされ……。

「やぁね。シマ君。ジョーダンよ、冗談。そんな怖い顔しないでよ」

……はっ！？

いかん。

思考が飛びすぎて未来を幻視していた。女神様がくれた秘密のスキルの一つ……というわけでもなさそうだ。