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『GW編・五日目 思わぬ出会い(2)』
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『GW編・五日目 思わぬ出会い(2)』
カウンターで注文した後、受け取ったカフェオレとフルーツサンドののったトレイを受け取り、座る場所を求めて店内を見回してたいた時。
「うーん、時間的にもっと空いてると思ってたけどなぁ」
ほとんどが若い女性客で満席の中、トレイを持ったまま店内をウロウロとさまよっていると。
「あー、お兄ちゃん、一人?」
「ご一緒しなーい?」
と、やけに軽い声を横からかけられた。
声の方を見れば四人掛けのボックス席に三十代中ごろぐらいの女性が二人、だらしくなく座ったまま恰好でこちらを見てニヤニヤとしていた。
金髪で化粧も濃く、無駄に自分を大きく見せようと態度も尊大だ。
男女に限らず、あまりお近づきになりたくないタイプである。
前世換算で言えばチンピラエロ親父だろうか。
年齢はぜんぜん守備範囲内だが、たとえこの二人が二十歳だったとしてもこういう下品枠は遠慮したい。
「お断りします」
タメで話しかけられたが、一応こちらは言葉を整えておく。
「まー、そう言わずに」
「ちょっとぐらいいいじゃない?」
かまわずスルーしようとしたところ、服のはしをつかまれる。
両手でトレイを保持していたため、カフェオレをこぼさないようにと動きを止めてしまった。
そこにもう一人が立ち上がり、オレの腰に手をまわして席の奥に座らせようとする。
奥に座ってしまったら簡単には返してもらえない。勧誘でよく使われる手だな。
基本的にチキンなオレもさすがに女性相手に腕力で気おくれはしない。
ここまでされて抵抗しないのは、女性には優しくケガをさせてはいけない、前世での意識や記憶がそうなじんでいるだけだ。
だがここまでされたら力ずくで解決したとして、状況的にもこの世界の常識的にも許されるだろう。
まず座っている方のオバはんにトレイごとカフェオレとフルーツサンドをごちそうし、マイプリティケツを触りだしたこっちのババアは足を払って床に転がすか? と思っていたら。
「うわ?」
不意にぐいっと後ろに体を引かれた。
あわやという所でなんとかトレイを保持する。
後ろに振られたオレの背中は、ガッシリとした腕に受け止められた。
新手のオバハンか? と振り返れば。
「アンタら何度も言ってるだろ。店で騒ぐな。あとナンパはやめろ、迷惑行為だぞ」
ハッキリと、しかし迫力のある低い。
簡単に言うとドスの効いた声が二人のオバはんにかけられる。
オレを抱きとめていたのは黒いエプロンをつけた男性店員だった。
金髪に染めた髪を後ろで結び、耳にはいくつもピアスが並んでいる。
いかにもヤンキーな風体だが男のヤンキーは初めてだ。
彼は厳しい顔のままオバはんたちをにらみつけつつ、オレを自分の背中へとかばう。
そして。
「大丈夫か?」
と、キリっとした声でオレを気にかけてくれた。
やだ、イケメン。
カウンターで注文した後、受け取ったカフェオレとフルーツサンドののったトレイを受け取り、座る場所を求めて店内を見回してたいた時。
「うーん、時間的にもっと空いてると思ってたけどなぁ」
ほとんどが若い女性客で満席の中、トレイを持ったまま店内をウロウロとさまよっていると。
「あー、お兄ちゃん、一人?」
「ご一緒しなーい?」
と、やけに軽い声を横からかけられた。
声の方を見れば四人掛けのボックス席に三十代中ごろぐらいの女性が二人、だらしくなく座ったまま恰好でこちらを見てニヤニヤとしていた。
金髪で化粧も濃く、無駄に自分を大きく見せようと態度も尊大だ。
男女に限らず、あまりお近づきになりたくないタイプである。
前世換算で言えばチンピラエロ親父だろうか。
年齢はぜんぜん守備範囲内だが、たとえこの二人が二十歳だったとしてもこういう下品枠は遠慮したい。
「お断りします」
タメで話しかけられたが、一応こちらは言葉を整えておく。
「まー、そう言わずに」
「ちょっとぐらいいいじゃない?」
かまわずスルーしようとしたところ、服のはしをつかまれる。
両手でトレイを保持していたため、カフェオレをこぼさないようにと動きを止めてしまった。
そこにもう一人が立ち上がり、オレの腰に手をまわして席の奥に座らせようとする。
奥に座ってしまったら簡単には返してもらえない。勧誘でよく使われる手だな。
基本的にチキンなオレもさすがに女性相手に腕力で気おくれはしない。
ここまでされて抵抗しないのは、女性には優しくケガをさせてはいけない、前世での意識や記憶がそうなじんでいるだけだ。
だがここまでされたら力ずくで解決したとして、状況的にもこの世界の常識的にも許されるだろう。
まず座っている方のオバはんにトレイごとカフェオレとフルーツサンドをごちそうし、マイプリティケツを触りだしたこっちのババアは足を払って床に転がすか? と思っていたら。
「うわ?」
不意にぐいっと後ろに体を引かれた。
あわやという所でなんとかトレイを保持する。
後ろに振られたオレの背中は、ガッシリとした腕に受け止められた。
新手のオバハンか? と振り返れば。
「アンタら何度も言ってるだろ。店で騒ぐな。あとナンパはやめろ、迷惑行為だぞ」
ハッキリと、しかし迫力のある低い。
簡単に言うとドスの効いた声が二人のオバはんにかけられる。
オレを抱きとめていたのは黒いエプロンをつけた男性店員だった。
金髪に染めた髪を後ろで結び、耳にはいくつもピアスが並んでいる。
いかにもヤンキーな風体だが男のヤンキーは初めてだ。
彼は厳しい顔のままオバはんたちをにらみつけつつ、オレを自分の背中へとかばう。
そして。
「大丈夫か?」
と、キリっとした声でオレを気にかけてくれた。
やだ、イケメン。
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