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『GW編・三日目:7時19分着、満員電車の中での出来事(3)』
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『GW編・三日目:7時19分着、満員電車の中での出来事(3)』
「……うお?」
列車で停車して数人が降りたと思ったら、乗客がなだれ込むようにして入ってきた。
大半は学生。連休とはいえ、部活動はあるだろうし、ご苦労さんだ。
地元の中学生や見た事のない制服の高校生など。この駅周辺は住宅街だろうか?
もっとも、オレのような男子学生がこの車両に乗り込む事は無かったが。
開いたドア付近にいたオレは、その若い津波に押されて奥へ奥へと押されていく。
動きが止まったのは、逆側のドア付近まで連れ去られてきた。
列車の椅子は横に長いタイプで壁に設置されている。
ドア付近の端には縦に長い手すり棒がついていて、オレはなんとかその手すりを確保し体をホールドした。
その間も、右から左から女性たちの柔らかい体……ではなく。
女性客の持っている、カドの固いハンドバックやら、何やら固いものが入っている手提げかばんやらがオレの体に突き刺さる。
控えめにいって痛い。
ラッキースケベどころではない、ただ、ただ、しんどい。
しかも久しぶりの人込みのせいで、息も苦しくなってきた。
そうこうしているうちに扉が閉まり、列車が動き出す。
当然、乗客もバランスを崩したりで、またオレはもみくちゃにされる。
「うぐぐ」
かしてオレは、三分前には熱望していた通りの、ぎゅうぎゅう詰めの電車に揺られている。
顔がつぶれるレベルの混雑は、もはやラッキースケベで密着感を楽しむなんてレベルではない。
捕まっている手すりにもたれかかり、少しでもラクな姿勢をとろうとする。
「はぁはぁ……」
ダメだ。
息が苦しい。
初めての感覚だが、これが貧血だろうか? 頭がボーっとしてきた。
次の駅まであとどれくらいかかるんだろう。
「はぁ、はぁ……」
ついに息も絶え絶えになりながら、なんとか手すりにしがみついていると、その手すり横の席に座っていた女性から声がかけられた。
「き……君、大丈夫か?」
「あ、はい、大丈夫……です……」
まったく大丈夫ではないが、つい反射的にそう答える。
「いや、強がるな。顔が真っ青だぞ。ここに座れ」
「い、いえ、本当に大丈夫……」
と言いかけて、めまいか貧血か、ともかく目の前が暗くなった。
「おっと」
やばい、倒れる! と思った瞬間、抱きとめられた。
とても大きくて柔らかな何かに、オレの顔が埋まっていく感覚。
なんだろうと思いながら手を突き出し探ってたら、指もまたその何かに指が沈み込んだ。
「……んんっ」
「?」
オレがその柔らかいものの中でなんとか顔を上げると、そこにはスーツ姿のOLさんの顔があった。
身長はオレより頭ひとつ高いくらい。
180か……いや、もっと大きい。
かなり高身長な女性だ。今まで気づかなかったのは座っていたからか。
いや、問題はそこじゃない、そうじゃない。
オレの手だ。
ピシッとしたスーツ姿のOLさん、そのジャケットの中にはオレの手がもぐりこみ、しっかりと中にある巨大質量に五指を埋めていた。
「……うお?」
列車で停車して数人が降りたと思ったら、乗客がなだれ込むようにして入ってきた。
大半は学生。連休とはいえ、部活動はあるだろうし、ご苦労さんだ。
地元の中学生や見た事のない制服の高校生など。この駅周辺は住宅街だろうか?
もっとも、オレのような男子学生がこの車両に乗り込む事は無かったが。
開いたドア付近にいたオレは、その若い津波に押されて奥へ奥へと押されていく。
動きが止まったのは、逆側のドア付近まで連れ去られてきた。
列車の椅子は横に長いタイプで壁に設置されている。
ドア付近の端には縦に長い手すり棒がついていて、オレはなんとかその手すりを確保し体をホールドした。
その間も、右から左から女性たちの柔らかい体……ではなく。
女性客の持っている、カドの固いハンドバックやら、何やら固いものが入っている手提げかばんやらがオレの体に突き刺さる。
控えめにいって痛い。
ラッキースケベどころではない、ただ、ただ、しんどい。
しかも久しぶりの人込みのせいで、息も苦しくなってきた。
そうこうしているうちに扉が閉まり、列車が動き出す。
当然、乗客もバランスを崩したりで、またオレはもみくちゃにされる。
「うぐぐ」
かしてオレは、三分前には熱望していた通りの、ぎゅうぎゅう詰めの電車に揺られている。
顔がつぶれるレベルの混雑は、もはやラッキースケベで密着感を楽しむなんてレベルではない。
捕まっている手すりにもたれかかり、少しでもラクな姿勢をとろうとする。
「はぁはぁ……」
ダメだ。
息が苦しい。
初めての感覚だが、これが貧血だろうか? 頭がボーっとしてきた。
次の駅まであとどれくらいかかるんだろう。
「はぁ、はぁ……」
ついに息も絶え絶えになりながら、なんとか手すりにしがみついていると、その手すり横の席に座っていた女性から声がかけられた。
「き……君、大丈夫か?」
「あ、はい、大丈夫……です……」
まったく大丈夫ではないが、つい反射的にそう答える。
「いや、強がるな。顔が真っ青だぞ。ここに座れ」
「い、いえ、本当に大丈夫……」
と言いかけて、めまいか貧血か、ともかく目の前が暗くなった。
「おっと」
やばい、倒れる! と思った瞬間、抱きとめられた。
とても大きくて柔らかな何かに、オレの顔が埋まっていく感覚。
なんだろうと思いながら手を突き出し探ってたら、指もまたその何かに指が沈み込んだ。
「……んんっ」
「?」
オレがその柔らかいものの中でなんとか顔を上げると、そこにはスーツ姿のOLさんの顔があった。
身長はオレより頭ひとつ高いくらい。
180か……いや、もっと大きい。
かなり高身長な女性だ。今まで気づかなかったのは座っていたからか。
いや、問題はそこじゃない、そうじゃない。
オレの手だ。
ピシッとしたスーツ姿のOLさん、そのジャケットの中にはオレの手がもぐりこみ、しっかりと中にある巨大質量に五指を埋めていた。
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