【R18】転生先は男女比１：３０の貞操逆転世界～ビッチを夢見る三十路の魂～

『ＧＷ編・二日目 夏木青葉の隠し事（８）』

『ＧＷ編・二日目　夏木青葉の隠し事（８）』

「イケメン好きだろ？」
「……うん、まぁ、それはアタシも女だし」

だからついこんな関係になったんだけども。

本当に顔はいいからなぁ。

「とにかく、なんでも協力してやるし、一晩どっか出ていって欲しい日があれば遠慮なく言いな！」
「……」

言えるか。

一日まるっとアイツにつきあったら、何回気絶させられるかわからない。

アタシの部屋での初めての時を思い出して、頭の中がゆだりそうになる。

「アンタがいらないなら私が先に……」
「ダ、ダメだって！　あ……」

母さんの冗談に対して、つい声をあげてしまった。

「アンタがうまくやってくれれば、もしかしてあの子が義理の息子で初孫の父親になるかもしれないだろ、気合入れな！」

……アタシだって、その。

結婚、とかさ、考えた事がないわけでもないよ。

けどアイツに結婚なんて束縛は無理だ。

アイツは前にも冬原に興味を示していたし、他にアタシの知らない女も狙ってるに違いない。

アタシはアイツを独り占めとか、そこまで望んでない。

今みたいなゆがんだ関係で満足ってわけでもないけど……アタシにしちゃ望外ってヤツだ。文句をいったらバチがあたる。

それに、母さんの今の言葉じゃないけども、今の調子だったら子供が出来てもおかしくない。

ひ、避妊っていうか。

アイツは絶対にアタシの口に出すけど、アタシが妊娠を望めば、多分、その、そういうふうにしてくれると思う。

すぐってわけじゃないけど、そうなったらそれで充分に幸せになれる。

「……孫はともかく結婚は無理だよ」

だから、つい心中がついこぼれた。

母さんが、にたぁ、と笑った。

「よし、今から新しい下着を買いに行こう！　小さく見せる女神のブラのヤツ！」
「え、あれ、高いやつじゃん」
「先行投資だよ、なんだよ、欲しくないのか？」

昔は欲しかったけど今は別に、それほど。

母さんにはもうバレバレだし、素直に理由を話す。

「……別にいいや。アイツ、胸デカくても気にしないみたいだし」
「確かにそうだったわね」

母さんはアタシと自分の胸を見ながら納得していた。

「なら下着はいいか」
「……いや、買ってくれるなら欲しい。ちょっと……色のついたヤツ」

自前で二セットは買ったが、店の手伝いでもらう小遣いだってあんなものをポンポン買うにはちょっと厳しい。

買ってもらえるものならありがたい。なんせ宮城の好みそうな下着は高いんだ。

「良し、じゃ、店を閉めたら、さっそく行くよ！」
「あ、うん」

母さんは特に疑問をいだかなかったようだが。

「私も買おうかな。あの子、何色が好きそう？　やっぱり赤とか黒？」
「は？　母さん？」

なんでそんな具体的な色が出てくるのか……あー、これはアタシのタンスの中のアレを見たか。

「まかせておきな。一週間ローテできる数くらいそろえてやるから」
「あ、ありがと」

詳しい理由を追求されるまでもなく、アイツの気を引こうとしていると納得したらしい。

実際には気を引く為じゃなくてアイツのめんどくさい要求なんだが、そこまで説明すると、親には言えない関係まで話すハメになる。

「さあ、とっとと片づけて出かけるよ！　アンタはシンクの洗い物やって」
「あ、うん」

そうしてアタシは、クラスメートの男子といい仲になっている娘、というポジションをなんとか維持したまま母さんからの追求を逃れた。

休み明け、学校で会ったら、母さんには絶対に今の関係をバラすなと念を押さなきゃいけない。

あと青葉ちゃん呼びは絶対に許さない。

……二人だけの時なら、まぁ、許してやらない事もないけどな。