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『幕間:GW編・二日目 夏木青葉の母、涼香(スズカ)の、とある一日(6)』
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『幕間:GW編・二日目 夏木青葉の母、涼香(スズカ)の、とある一日(6)』
「母さん!」
お、なんか文句ある顔だな。
いや、それはあるだろうけど、その前に。
「アンタ、なんであの子の事隠してたのさ?」
「う」
「私が入院している時だって、ひと言もなかったね?」
「……それは、その。転入してきたの、つい最近の事だし」
転入生か。
まー確かにあんな子が二年間も近くの学校に通っていれば、近くで喫茶店なんてやっている以上、なんかしら耳に入ってくるか。
それはともかく、肝心な事は。
「アンタ、惚れたのかい?」
「……そういうわけじゃない。けど、別に、嫌いじゃない」
ほっぺ赤くしやがって。
完全にイカれてる顔してんだよ、アンタ。
あーもー、まだるっこしい。
「あんな露骨に向こうからアピってきてるんだから、逃す手はないよ!?」
「う、まぁ、その。わかってるけどさ」
「イケメン好きだろ?」
「……うん、まぁ、それはアタシも女だし」
イケメンが嫌いな女なんていやしない。
「とにかく、なんでも協力してやるし、一晩どっか出ていって欲しい日があれば遠慮なく言いな!」
「……」
さらに顔を赤くする初心な娘に私は先が思いやられる。
「アンタがいらないなら私が先に……」
「なに言ってんだ、ダ、ダメだって! あ……」
にやぁ、と私は微笑む。このぐらい自覚させてないと臆病者の娘は動かない。
「アンタがうまくやってくれれば、もしかしてあの子が義理の息子で初孫の父親になるかもしれないだろ、気合入れな!」
「……孫はともかく結婚は無理だよ」
……は?
孫はともかく? だって?
おいおい、なんだかんだでこの子もヤル気じゃないか!
「よし、今から新しい下着を買いに行こう! 小さく見せる女神のブラのヤツ!」
「え、あれ、高いやつじゃん」
「先行投資だよ、なんだよ、欲しくないのか?」
「……別にいいや。アイツ、胸デカくても気にしないみたいだし」
「確かにそうだったね」
そういえばそうだった。
「なら下着はいいか」
「……いや、買ってくれるなら欲しい。ちょっと……色のついたヤツ」
私はまたも、にやぁ、と笑ってしまった。
そうか。そっちで攻めるか。
悪くない、悪くない発想だ。
学生がゴージャスな下着で責めるのは金銭的に厳しいだろうが、意外性としての効果はあるはずだ。
乳がデカいっていうハンデを言葉通り抱えてるんだから、なんでもしてやってみないと。
「良し、じゃ、店を閉めたら、さっそく行くよ!」
「あ、うん」
「私も買おうかな。あの子、何色が好きそう? やっぱり赤とか黒?」
「は? 母さん?」
知っている。
そう、私は知っていた。
娘の下着がしまってあるタンスの奥に、見慣れない派手な形と色の下着が二着ある事を。
最初、なんでこんなものがと思ったが。
なるほど、あの子といざ本番となった時、白とかベージュでは、カッコつかないだろうからね。
いつその時がやってくるかわからないなら普段からつけてなきゃならんし、そうすれば替えも数がいるだろう。二着ではとても心もとない。
「まかせておきな。一週間ローテできる数くらいそろえてやるから」
「あ、ありがと」
入院費やなんやらで物入りだったし、正直、財布的には痛い。
だが、血のつながった初孫の為の投資となれば否やはない。
場合によっては義理の息子チャンスでもある。金を惜しむ所じゃないだろう。
「さあ、とっとと片づけて出かけるよ! アンタはシンクの洗い物やって」
「あ、うん」
そうして私は娘を急かして閉店作業を終えた後、買い物へと出かけたのだった。
「母さん!」
お、なんか文句ある顔だな。
いや、それはあるだろうけど、その前に。
「アンタ、なんであの子の事隠してたのさ?」
「う」
「私が入院している時だって、ひと言もなかったね?」
「……それは、その。転入してきたの、つい最近の事だし」
転入生か。
まー確かにあんな子が二年間も近くの学校に通っていれば、近くで喫茶店なんてやっている以上、なんかしら耳に入ってくるか。
それはともかく、肝心な事は。
「アンタ、惚れたのかい?」
「……そういうわけじゃない。けど、別に、嫌いじゃない」
ほっぺ赤くしやがって。
完全にイカれてる顔してんだよ、アンタ。
あーもー、まだるっこしい。
「あんな露骨に向こうからアピってきてるんだから、逃す手はないよ!?」
「う、まぁ、その。わかってるけどさ」
「イケメン好きだろ?」
「……うん、まぁ、それはアタシも女だし」
イケメンが嫌いな女なんていやしない。
「とにかく、なんでも協力してやるし、一晩どっか出ていって欲しい日があれば遠慮なく言いな!」
「……」
さらに顔を赤くする初心な娘に私は先が思いやられる。
「アンタがいらないなら私が先に……」
「なに言ってんだ、ダ、ダメだって! あ……」
にやぁ、と私は微笑む。このぐらい自覚させてないと臆病者の娘は動かない。
「アンタがうまくやってくれれば、もしかしてあの子が義理の息子で初孫の父親になるかもしれないだろ、気合入れな!」
「……孫はともかく結婚は無理だよ」
……は?
孫はともかく? だって?
おいおい、なんだかんだでこの子もヤル気じゃないか!
「よし、今から新しい下着を買いに行こう! 小さく見せる女神のブラのヤツ!」
「え、あれ、高いやつじゃん」
「先行投資だよ、なんだよ、欲しくないのか?」
「……別にいいや。アイツ、胸デカくても気にしないみたいだし」
「確かにそうだったね」
そういえばそうだった。
「なら下着はいいか」
「……いや、買ってくれるなら欲しい。ちょっと……色のついたヤツ」
私はまたも、にやぁ、と笑ってしまった。
そうか。そっちで攻めるか。
悪くない、悪くない発想だ。
学生がゴージャスな下着で責めるのは金銭的に厳しいだろうが、意外性としての効果はあるはずだ。
乳がデカいっていうハンデを言葉通り抱えてるんだから、なんでもしてやってみないと。
「良し、じゃ、店を閉めたら、さっそく行くよ!」
「あ、うん」
「私も買おうかな。あの子、何色が好きそう? やっぱり赤とか黒?」
「は? 母さん?」
知っている。
そう、私は知っていた。
娘の下着がしまってあるタンスの奥に、見慣れない派手な形と色の下着が二着ある事を。
最初、なんでこんなものがと思ったが。
なるほど、あの子といざ本番となった時、白とかベージュでは、カッコつかないだろうからね。
いつその時がやってくるかわからないなら普段からつけてなきゃならんし、そうすれば替えも数がいるだろう。二着ではとても心もとない。
「まかせておきな。一週間ローテできる数くらいそろえてやるから」
「あ、ありがと」
入院費やなんやらで物入りだったし、正直、財布的には痛い。
だが、血のつながった初孫の為の投資となれば否やはない。
場合によっては義理の息子チャンスでもある。金を惜しむ所じゃないだろう。
「さあ、とっとと片づけて出かけるよ! アンタはシンクの洗い物やって」
「あ、うん」
そうして私は娘を急かして閉店作業を終えた後、買い物へと出かけたのだった。
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