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『幕間:GW編・二日目 夏木青葉の母、涼香(スズカ)の、とある一日(4)』
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『幕間:GW編・二日目 夏木青葉の母、涼香(スズカ)の、とある一日(4)』
もしかしたらやってくるかもしれないチャンスの為に自分でハカ(破瓜)ったな?
いざセックスとなった時に処女だと痛みでまともにできない事が多いし、そんな事でせっかくその気にさせた男を逃がすっていうのは愚の骨頂。
ヤレる時にいつでもヤレるようにしておくのは草食女ですら常識だ。
ただし、胸がデカすぎて男なんて諦めている青葉のような絶食系女子は例外で、ハナから戦線放棄する事が多い。
実際、今までもそうだったし、こればかりは私がどうにかしてやれることでもないと諦めていたものの。
こんな品行方正なイケメンが手に届くかもとくれば腹をくくったか、我が娘よ。
痛かったろうよ、今夜は赤飯でからかってやろう。
そういう事ならせめて私にできる事をするしかない。
ガンガン売り込んでやるか。
「でしたら今日はいつもお世話になっているお礼、という事で」
私はイケメンが持っていたレシートをひょいと取り上げる。
わずかに指と指が触れ合う。
久方ぶりの男の感触にうずきそうになるが、コレは娘のモノだ。今は。
「いえ。お世話になっているのはボクの方ですから、そういうわけにはまいりません、ええと……お姉さま」
取り上げたレシートを持っていた手を優しく握られて、レシートを取り返された。
「っ!?」
いや、それより、この子、今なんて?
お姉……さま?
「あ、失礼しました。急に触れてしまって。ご不快でしたね、ごめんなさい」
「い、いあいあ、こんなオバさんの手なんて、恥ずかしくてね!? あと、お姉さまはいくらなんでもお世辞がミエミエだからやめなさいな。悪い気はしませんけどね?」
「本当に? ……お姉さまでなくて?」
お世辞にしたって、それはやりすぎだぞ、少年。
露骨なヨイショは相手を怒らせると知れよ?
だが逆にここまでくると、一周まわって受け入れられるジョークともとれる。
この子、なかなかトークセンスもいい。
親子丼じゃなくて、チキンライス単品に興味ないかしらねぇ。
「宮城、お前……マジで言ってるな?」
黙って見ていた青葉がイケメン少年の肩に手をかけた。
おい、さすがにそれは一線を越えたセクハラ……と思いきや。
「夏木さん、本当にお姉さんじゃないの?」
少年はまったく気にした素振りも無く娘に問い返している。
はぁー? そんな気軽に触れる仲なのかい!?
「夏木さん。本当に? お母さん? お姉さんじゃなくて?」
「母さんが十九で産んだのがアタシだ。若く見えても四十前だよ」
年をバラすなぁ!
「……」
マジマジと見てくるイケメン君、もとい宮城少年。
やべぇ、メイクなんてまともにしてないぞ、一生の不覚!
「お化粧、お上手? なんですね?」
それを本人に聞く失礼さはともかく、これ以上ない誉め言葉だぞ、宮城少年。
「飲食業だぞ? 母さんはあんまり化粧しねーよ」
「夏木さんとよく似てるよね。へー、なら夏木さん、将来はもっと美人になるんだなー」
おい。
おいおいおい。
この子のお世辞は天井知らずか?
それ以上、踏み込んでみろ。
青葉を巻き込んで一生忘れられない日にするぞ?
一方で青葉はキリっとした顔になって、私が奪われたレシートを宮城少年から取り上げた。
「とにかくこの人はアタシの母さんって事で気が済んだな? あとここはアタシが持つから。それで二人ともいいだろ」
いい落としどころね。
宮城少年に負担させず店にも金は落ちるし、青葉も男の食事代をおごるっていう女らしい見栄が張れる。
「そう? じゃあ、ごちそう様、夏木さん」
「別にいいさ、このくらい」
「ふふふ。じゃあ、今度、体で返すね?」
お? 言うね、宮城少年。
「バっ、おまっ!?」
一方で、そんなジョークにあわてふためく青葉の顔が実にみっともない。
もしかしたらやってくるかもしれないチャンスの為に自分でハカ(破瓜)ったな?
いざセックスとなった時に処女だと痛みでまともにできない事が多いし、そんな事でせっかくその気にさせた男を逃がすっていうのは愚の骨頂。
ヤレる時にいつでもヤレるようにしておくのは草食女ですら常識だ。
ただし、胸がデカすぎて男なんて諦めている青葉のような絶食系女子は例外で、ハナから戦線放棄する事が多い。
実際、今までもそうだったし、こればかりは私がどうにかしてやれることでもないと諦めていたものの。
こんな品行方正なイケメンが手に届くかもとくれば腹をくくったか、我が娘よ。
痛かったろうよ、今夜は赤飯でからかってやろう。
そういう事ならせめて私にできる事をするしかない。
ガンガン売り込んでやるか。
「でしたら今日はいつもお世話になっているお礼、という事で」
私はイケメンが持っていたレシートをひょいと取り上げる。
わずかに指と指が触れ合う。
久方ぶりの男の感触にうずきそうになるが、コレは娘のモノだ。今は。
「いえ。お世話になっているのはボクの方ですから、そういうわけにはまいりません、ええと……お姉さま」
取り上げたレシートを持っていた手を優しく握られて、レシートを取り返された。
「っ!?」
いや、それより、この子、今なんて?
お姉……さま?
「あ、失礼しました。急に触れてしまって。ご不快でしたね、ごめんなさい」
「い、いあいあ、こんなオバさんの手なんて、恥ずかしくてね!? あと、お姉さまはいくらなんでもお世辞がミエミエだからやめなさいな。悪い気はしませんけどね?」
「本当に? ……お姉さまでなくて?」
お世辞にしたって、それはやりすぎだぞ、少年。
露骨なヨイショは相手を怒らせると知れよ?
だが逆にここまでくると、一周まわって受け入れられるジョークともとれる。
この子、なかなかトークセンスもいい。
親子丼じゃなくて、チキンライス単品に興味ないかしらねぇ。
「宮城、お前……マジで言ってるな?」
黙って見ていた青葉がイケメン少年の肩に手をかけた。
おい、さすがにそれは一線を越えたセクハラ……と思いきや。
「夏木さん、本当にお姉さんじゃないの?」
少年はまったく気にした素振りも無く娘に問い返している。
はぁー? そんな気軽に触れる仲なのかい!?
「夏木さん。本当に? お母さん? お姉さんじゃなくて?」
「母さんが十九で産んだのがアタシだ。若く見えても四十前だよ」
年をバラすなぁ!
「……」
マジマジと見てくるイケメン君、もとい宮城少年。
やべぇ、メイクなんてまともにしてないぞ、一生の不覚!
「お化粧、お上手? なんですね?」
それを本人に聞く失礼さはともかく、これ以上ない誉め言葉だぞ、宮城少年。
「飲食業だぞ? 母さんはあんまり化粧しねーよ」
「夏木さんとよく似てるよね。へー、なら夏木さん、将来はもっと美人になるんだなー」
おい。
おいおいおい。
この子のお世辞は天井知らずか?
それ以上、踏み込んでみろ。
青葉を巻き込んで一生忘れられない日にするぞ?
一方で青葉はキリっとした顔になって、私が奪われたレシートを宮城少年から取り上げた。
「とにかくこの人はアタシの母さんって事で気が済んだな? あとここはアタシが持つから。それで二人ともいいだろ」
いい落としどころね。
宮城少年に負担させず店にも金は落ちるし、青葉も男の食事代をおごるっていう女らしい見栄が張れる。
「そう? じゃあ、ごちそう様、夏木さん」
「別にいいさ、このくらい」
「ふふふ。じゃあ、今度、体で返すね?」
お? 言うね、宮城少年。
「バっ、おまっ!?」
一方で、そんなジョークにあわてふためく青葉の顔が実にみっともない。
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