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『GW編・初日 かつての闘技場は様変わりしていた(1)』
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『GW編・初日 かつての闘技場は様変わりしていた(1)』
三人の子たちと別れた後、オレはゲームセンターのさらに奥地へと向かった。
プライズ、リズムゲームに追いやられるようにして、店内の奥まった場所に設置されているのは、かつて主役であったビデオゲームたちだ。
ビデオゲームというと主に対戦格闘ゲームを指すが、落ちモノパズルにシューティングなども連綿と歴史をつむいでいる。
オレも広くプレイするタイプだったが、やはりメインは格闘ゲームだ。
当時は山田君と連れ添って切磋琢磨したものだ。
投げキャラしか使わない山田君とタメキャラメインのオレでは色々とトラブルもあった。
ゲーム画面で間合いをとるキャラ以上に友情にも距離ができたが、今ではいい思い出である。
社会人になってからゲームをする事は少なくなっていたが、汗と涙と空腹に耐えて磨き上げた腕はそうそうさび付くまい。
オレはそれなりに盛り上がっている対戦コーナーへと踏み出した。
そして。
「……なるほど。こうなるのもわからん事はない」
格闘ゲームがない。
いや、あるにはあるが、対戦台ではなくCPU戦のシングルプレイ台だった。
一方、周囲で盛り上がっている対戦ゲームはさきほど述べた落ちモノパズルゲーム。
真剣な表情をした女の子同士が格闘ゲームよりも激しくレバーを操り、画面の上から落ちてくる、形によって色分けされたブロックを操っている。
その落ちる速度は目に見えないレベルだ。
「前世でも女の子ってパズルゲームの猛者が多かったからね」
世界が変われば品も変わる、と。
人口比が女性に大きく偏っている以上、女性が好むゲームが増えるのも当然だろう。
むしろ、対戦ビデオゲームというものが存在している事が奇跡かもしれない。
「まぁ……知らないゲームってわけでもないし、一戦くらいやってみますかね」
格闘ゲームをしたいというより、久々に対戦そのものをしたいという気持ちが強いので、ゲームの種類は関係ない。
対戦台の向こうに座っている、顔も見えない、名前も知らない相手と一戦交えるというのが楽しいのだ。
オレは空いている対戦台を探す。
すると、おなじく落ちモノパズルゲームであるが、ブロックではなく軟体生物が二匹組み合わさったものが落ちてくる対戦台が空いていた。
山田君のお姉さんが恐ろしくうまかったゲームでもある。
一度対戦した事があるが、回転なしのハンデをもらってもまったく勝てなかった。
さすがにあのレベルがゴロゴロいるとは思えない。
現役で最前線を張っている相手だろうと、少なくとも試合にはなるはずだ。
「ん?」
椅子に座ってお金を入れ、左手で握ったレバーに違和感を感じた。
「……レバー、短いな」
女性の手の大きさに合わせて仕様が変わっているのか。
あと、レバーとボタンの距離も心無しか短い。
操作に影響するかどうかは微妙だが、フレーム単位での操作が求められるわけでもないしいけるだろう。
「などと考えていた時期がオレにもありました……」
一戦を終えて席を立つオレ。
まったく歯が立たなかった。
ここは山田君のお姉さんレベルがごろごろいる修羅の世界だった。
ゆっくり組んで五連鎖が精いっぱいのオレは、雪崩のごとき連鎖攻撃になすすべもなく散った。
せめて対戦相手の顔をおがんでやろうと対戦台の向こうを見る。
ちなみにこのムーブはあんまりマナーの良いものではない。
だいたいこういう事からもめごとになったりケンカになったりするので、素人にはオススメできない。
もっともオレとしては文句を言ったり、揉める事を望んではない。
ただの興味本位だ。
そんなわけで、チラリと相手の顔を覗き見た所そこには。
三人の子たちと別れた後、オレはゲームセンターのさらに奥地へと向かった。
プライズ、リズムゲームに追いやられるようにして、店内の奥まった場所に設置されているのは、かつて主役であったビデオゲームたちだ。
ビデオゲームというと主に対戦格闘ゲームを指すが、落ちモノパズルにシューティングなども連綿と歴史をつむいでいる。
オレも広くプレイするタイプだったが、やはりメインは格闘ゲームだ。
当時は山田君と連れ添って切磋琢磨したものだ。
投げキャラしか使わない山田君とタメキャラメインのオレでは色々とトラブルもあった。
ゲーム画面で間合いをとるキャラ以上に友情にも距離ができたが、今ではいい思い出である。
社会人になってからゲームをする事は少なくなっていたが、汗と涙と空腹に耐えて磨き上げた腕はそうそうさび付くまい。
オレはそれなりに盛り上がっている対戦コーナーへと踏み出した。
そして。
「……なるほど。こうなるのもわからん事はない」
格闘ゲームがない。
いや、あるにはあるが、対戦台ではなくCPU戦のシングルプレイ台だった。
一方、周囲で盛り上がっている対戦ゲームはさきほど述べた落ちモノパズルゲーム。
真剣な表情をした女の子同士が格闘ゲームよりも激しくレバーを操り、画面の上から落ちてくる、形によって色分けされたブロックを操っている。
その落ちる速度は目に見えないレベルだ。
「前世でも女の子ってパズルゲームの猛者が多かったからね」
世界が変われば品も変わる、と。
人口比が女性に大きく偏っている以上、女性が好むゲームが増えるのも当然だろう。
むしろ、対戦ビデオゲームというものが存在している事が奇跡かもしれない。
「まぁ……知らないゲームってわけでもないし、一戦くらいやってみますかね」
格闘ゲームをしたいというより、久々に対戦そのものをしたいという気持ちが強いので、ゲームの種類は関係ない。
対戦台の向こうに座っている、顔も見えない、名前も知らない相手と一戦交えるというのが楽しいのだ。
オレは空いている対戦台を探す。
すると、おなじく落ちモノパズルゲームであるが、ブロックではなく軟体生物が二匹組み合わさったものが落ちてくる対戦台が空いていた。
山田君のお姉さんが恐ろしくうまかったゲームでもある。
一度対戦した事があるが、回転なしのハンデをもらってもまったく勝てなかった。
さすがにあのレベルがゴロゴロいるとは思えない。
現役で最前線を張っている相手だろうと、少なくとも試合にはなるはずだ。
「ん?」
椅子に座ってお金を入れ、左手で握ったレバーに違和感を感じた。
「……レバー、短いな」
女性の手の大きさに合わせて仕様が変わっているのか。
あと、レバーとボタンの距離も心無しか短い。
操作に影響するかどうかは微妙だが、フレーム単位での操作が求められるわけでもないしいけるだろう。
「などと考えていた時期がオレにもありました……」
一戦を終えて席を立つオレ。
まったく歯が立たなかった。
ここは山田君のお姉さんレベルがごろごろいる修羅の世界だった。
ゆっくり組んで五連鎖が精いっぱいのオレは、雪崩のごとき連鎖攻撃になすすべもなく散った。
せめて対戦相手の顔をおがんでやろうと対戦台の向こうを見る。
ちなみにこのムーブはあんまりマナーの良いものではない。
だいたいこういう事からもめごとになったりケンカになったりするので、素人にはオススメできない。
もっともオレとしては文句を言ったり、揉める事を望んではない。
ただの興味本位だ。
そんなわけで、チラリと相手の顔を覗き見た所そこには。
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