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『GW編・初日 かつての戦場で煽情の狼となるオレ(1)』
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『GW編・初日 かつての戦場で煽情の狼となるオレ(1)』
結局、ノープランで迎えたゴールデンウィークの初日。
前世と同じくゲームセンターに向かう事にした。
地元の駅から電車に乗り、数駅先のちょっとばかり都会へ向かう。
前世ではよく通ったゲーセンはコッチの世界でもあるだろうか?
「ゲーム漬けの何が悪いのか、いいや、悪くない」
かつては格闘ゲームやリズムゲームにハマりこんだものである。
スマホゲームやネット環境の充実もあり昔ほどの隆盛はないが、それでもこちらの世界ではゲーム環境の変遷期なのか前世ほどゲームセンターはすたれていなかった。
「懐かしいね。台パン、台蹴り、灰皿ソニック……」
かつてその界隈を生きたおっさんであれば、懐かしく感じる単語を口にしつつ電車に揺られる。
ちなみに男性専用車両が当然のように存在していた。
物見珍しくつい利用してしまったが。
「……ラッキースケベに逆痴漢。そういうのもありますねぇ」
と、やや混んでいる一般車両を見る。
だが付き添いやお年寄りぐらいしか男性は乗っていないし、あそこに理由なく若い男が乗車するのは悪目立ちするだろう。
それに空いている男性車両に乗らない理由もない。
自然と普通車両に乗る理由が欲しい所だ。
「ま、今日はいいや」
オレの心は今、十割ゲームセンターに向けられている。
目的の駅で降りたあと、少し歩いて街中の大きなゲームセンターへやってきた。
流石に二十世紀末ごろのようなケンカやカツアゲが横行していたり、格闘ゲームをやっていたら後ろからシ〇ナー所持者に応援をされるというほど無法地帯ではないだろうが、やはり古き思い出に心が躍るものを感じる。
「おー、色々あるなー」
まず入り口付近で客の目を引くのは景品系のプライズと呼ばれるもの。
クレーンで景品をつかむものから、何がどうなったらゲットになるのかわからない筐体までズラリと並んでいる。
その中身ははやりのアニメやゲームのグッズなど。
昔は必死になって好きなキャラクターのフィギュアなどを狙ってがんばっていたものだが、今はさほど興味がない。
というのも、どうしたってこの男女比であれば美少女フィギュアではなく美少年フィギュアばかりなのだ。
一応、男性向けの美少女ゲームなどもあったが、かつて生きた世界ほどのめり込めるものではなかった。
作品の絶対数が少ないためか競争原理が十分に働いておらず、流通している作品には洗練さや奥深さが欠け、そこに人生も哲学も感じられなかった。
そうなると自然、興味も薄れてしまうものだ。
前世でクンフーを積みすぎたのが皮肉にもこちらの世界でのサブカルに対して早々に見切りをつける鑑識眼を養っていたのだ。
要するに物足りないからまぁいいや、と。
よって美少年フィギュアにも偏見はないし、半裸イケメンフィギュアやポスターが張られている空間でも自然とふるまうオレだ。
むしろこの空気は落ち着くまである。
ただ周りの女性客はオレのようなイケメンが卑猥一歩手前の美少年フィギュアを眺めてみて回るのが奇異に映ったのか、それまで張り付いていた筐体から逃げて行ってしまった。
「うーむ。お邪魔してしまったかな」
確かに自分が美少女フィギュアを血走った目で狙っているときに、横でリアル美少女に観察されていたら逃げ出すな。
これ以上、こちらの世界の同胞の安息を乱すことは本意ではないので、オレはゲームセンターの奥へと足を踏み入れた。
結局、ノープランで迎えたゴールデンウィークの初日。
前世と同じくゲームセンターに向かう事にした。
地元の駅から電車に乗り、数駅先のちょっとばかり都会へ向かう。
前世ではよく通ったゲーセンはコッチの世界でもあるだろうか?
「ゲーム漬けの何が悪いのか、いいや、悪くない」
かつては格闘ゲームやリズムゲームにハマりこんだものである。
スマホゲームやネット環境の充実もあり昔ほどの隆盛はないが、それでもこちらの世界ではゲーム環境の変遷期なのか前世ほどゲームセンターはすたれていなかった。
「懐かしいね。台パン、台蹴り、灰皿ソニック……」
かつてその界隈を生きたおっさんであれば、懐かしく感じる単語を口にしつつ電車に揺られる。
ちなみに男性専用車両が当然のように存在していた。
物見珍しくつい利用してしまったが。
「……ラッキースケベに逆痴漢。そういうのもありますねぇ」
と、やや混んでいる一般車両を見る。
だが付き添いやお年寄りぐらいしか男性は乗っていないし、あそこに理由なく若い男が乗車するのは悪目立ちするだろう。
それに空いている男性車両に乗らない理由もない。
自然と普通車両に乗る理由が欲しい所だ。
「ま、今日はいいや」
オレの心は今、十割ゲームセンターに向けられている。
目的の駅で降りたあと、少し歩いて街中の大きなゲームセンターへやってきた。
流石に二十世紀末ごろのようなケンカやカツアゲが横行していたり、格闘ゲームをやっていたら後ろからシ〇ナー所持者に応援をされるというほど無法地帯ではないだろうが、やはり古き思い出に心が躍るものを感じる。
「おー、色々あるなー」
まず入り口付近で客の目を引くのは景品系のプライズと呼ばれるもの。
クレーンで景品をつかむものから、何がどうなったらゲットになるのかわからない筐体までズラリと並んでいる。
その中身ははやりのアニメやゲームのグッズなど。
昔は必死になって好きなキャラクターのフィギュアなどを狙ってがんばっていたものだが、今はさほど興味がない。
というのも、どうしたってこの男女比であれば美少女フィギュアではなく美少年フィギュアばかりなのだ。
一応、男性向けの美少女ゲームなどもあったが、かつて生きた世界ほどのめり込めるものではなかった。
作品の絶対数が少ないためか競争原理が十分に働いておらず、流通している作品には洗練さや奥深さが欠け、そこに人生も哲学も感じられなかった。
そうなると自然、興味も薄れてしまうものだ。
前世でクンフーを積みすぎたのが皮肉にもこちらの世界でのサブカルに対して早々に見切りをつける鑑識眼を養っていたのだ。
要するに物足りないからまぁいいや、と。
よって美少年フィギュアにも偏見はないし、半裸イケメンフィギュアやポスターが張られている空間でも自然とふるまうオレだ。
むしろこの空気は落ち着くまである。
ただ周りの女性客はオレのようなイケメンが卑猥一歩手前の美少年フィギュアを眺めてみて回るのが奇異に映ったのか、それまで張り付いていた筐体から逃げて行ってしまった。
「うーむ。お邪魔してしまったかな」
確かに自分が美少女フィギュアを血走った目で狙っているときに、横でリアル美少女に観察されていたら逃げ出すな。
これ以上、こちらの世界の同胞の安息を乱すことは本意ではないので、オレはゲームセンターの奥へと足を踏み入れた。
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