上 下
130 / 412

『クラスに舞い降りた小悪魔と交わす契約(冬原interval24)』

しおりを挟む
『クラスに舞い降りた小悪魔と交わす契約(冬原interval24)』

呆けている間に、宮城が私の手から氷も解け切ったグラスを取り上げ、自分のグラスと一緒にベッド下の床のトレーに戻した。

転がっているブラックサンダーも一緒にベッドから降ろしながら、こんな事を言い放った。

「血で汚した方がマシだった、なんて思えるほどこのシーツ、ビショビショしてしてあげますよ」
「お、お前はどこでそういう言葉遣いを……うむ……うんんんんんん!?」

そして三回目が始まった。

キスをされるだけで全身が痺れる。

いや、感じやすくなっていた体が、キスだけで絶頂を迎えてしまった。

こんな事、ありえないだろう? 私は今夜、本当に壊れてしまうかもしれない。

「派手にイキましたね? 教え子とのキス、興奮しましたか?」
「な、なんだ、こんなキスだけで? ありえんぞ……私はどこかおかしくなったのか?」
「おかしくなってもいいじゃないですか。ボク以外にもそうなったら妬いちゃいますけどね?」

他の男?

お前以外の男だと?

今さら、そんな事、考えもつかない。

どんな男を抱いても、きっとこんなふうにはならないはずだ。

宮城だから、私の体はこんなに悦んでいるんだろう。

「い、いや、そんな事はないぞ。私にはきっとお前だけだ」

だから素直にこう言った。

言ってから、まるで結婚をせがむような言葉になってしまった。

だが、もしかしたら。

万が一、宮城なら。

そんな期待も芽生え始めていたから、こんな言葉を吐いてしまった。

その結果がこれだ。

「うれしいです。だけどボクは先生だけじゃなくて他の子とも遊んじゃいますよ」
「……え?」

だがそんな淡い期待は裏切られた。

「言ったでしょう。性欲をもてあましているって」
「だ、だから私がこうして……」
「ボクは先生がとても好きです」
「す、好き……私を……」
「けれどボクは先生だけがいればいいっていう男でもないんです。ガッカリしましたか? ビッチなんです。先生はボクに結婚や認知を求めない、そう言いましたよね?」
「う、うう」

裏切りなんて言葉は正しくなかった。

宮城は最初から私が出した条件に基づいて、関係を持ったのだから。

信じられないほどの幸運をつかんで、つい舞い上がってしまい結果として宮城を困らせてしまった。

「先生はイヤですか?」
「な、なにがだ?」
「他の子も抱いているビッチな教え子に抱かれるのがイヤですか?」
「……う、うう」

そりゃあイヤだよ!

だけどそんな事は言えない。

そんな事を言おうものなら。

「なら、ボクの関係は今夜きりにします?」
「い、イヤだ、それはダメだ!」

やはりそうなるだろう。

私達は互いに体を求めあう仲でしかないのだ。

こういう関係をなんと言ったか……確か……。

「でしたらボクのいう事をおりこうさんに聞いてくれますね? ……セフレの美雪さん?」
「セ、セフレ? セックスフレンドという事か? う、うあっ、あひっ!」

そう、セックスフレンドだ。

それは恋人や結婚相手では、決してない。

だがそんな仲の相手がたくさんできたとして、私はどうなる?

きっとコイツは同世代の若い娘たちに手を出すはずだ。はるか年上の私なんて捨てられるに違いない。

そうなれば一年半後から始まる妊活の約束だって反故にされるかもしれない。

「そんなに深く考えないで下さい。他の子がいても先生との関係を無くすことなんて考えていませんよ」
「ほ、本当か? 他の女と言ってもどうせ学内の生徒だろう? 若い娘に比べられた私なんて」
「美雪さんみたいなマゾ女なんてめったにいないでしょう? 手放しませんよ」
「あっ、ふぅ……っ」

本当だろうか?

年上で、しかも自分で驚くような変態的な趣味をさらした私と本当に交際を続けてくれるんだろうか?

「先生はマゾですよね? 初めてなのに教え子に目隠しされて、後ろから犯されて、気を失うほど感じてしまう、マゾ女ですよね?」
「……わ、私は」

関係を維持してくれるなら、私は宮城の望む女になろう。

マゾと呼ばれてもいいし、名前を呼び捨てられても構わない。

……正直、どちらも気持ちいいしな。
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

シン・三毛猫現象 〜自然出産される男が3万人に1人の割合になった世界に帰還した僕はとんでもなくモテモテになったようです〜

ミコガミヒデカズ
ファンタジー
 気軽に読めるあべこべ、男女比モノです。  以前、私がカクヨム様で書いていた小説をリメイクしたものです。  とあるきっかけで異世界エニックスウェアに転移した主人公、佐久間修。彼はもう一人の転移者と共に魔王との決戦に挑むが、 「儂の味方になれば世界の半分をやろう」  そんな魔王の提案に共に転移したもう一人の勇者が応じてしまう。そんな事はさせないと修は魔王を倒そうとするが、事もあろうに味方だったもう一人の勇者が魔王と手を組み攻撃してきた。  瞬間移動の術でなんとか難を逃れた修だったが、たどり着いたのは男のほとんどが姿を消した異世界転移15年後の地球だった…。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

処理中です...