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『クラスに舞い降りた小悪魔と交わす契約(冬原interval22)』
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『クラスに舞い降りた小悪魔と交わす契約(冬原interval22)』
私はキッチンまで行き、飲みなれた酒とハイボール用にストックしてあったジンジャエールを取り出した。
氷を入れたグラスにそれを注ぎ、トレーに乗せベッドへ帰る。
そこには下着もつけずにベッドに座っている男が待っている。
はー。
幸せすぎる。
私はにやけないように気を付けながら、宮城にグラスを渡した。
一方で宮城は私のボトルが気になるらしい。
「先生のはお酒ですか? ウイスキー?」
「さほど強いわけではないさ。すぐに酔えるからという理由だけだ」
眠れない夜には重宝する。
あいにく味がわかるほどの舌はもっていないので高くはない酒だ。
「効率的な考えですね」
「酒飲みからしたら邪道かもな」
味を語るほどの舌にも憧れるが、それはそれで金もかかりそうだしな。
何事もほどほどで満足するのがちょうどいい。
ベッドの上で隣同士になって座り、それぞれのグラスを掲げて乾杯する。
グラスを傾け、落ちてくる氷を押しのけるように酒を流し込むと、口の中に残っていた苦味やノドに絡む感触がアルコールの刺激で流されていく。
一息ついた後、私は宮城に語り始めた。
「アレと出会ったのは高校時代。当時、私は空手部だった。今はもうないがな」
「へぇ」
「ちなみに副顧問は山崎先生だった」
「へぇ……へ?」
まぁ、驚くだろうな。
「私はお前の先輩でもあるんだよ。十年くらい前は生徒としてあの学園に通っていた。いわゆるOGというヤツだ。ほかの者には言うなよ? 別にやましい事ではないが色々と面倒くさい」
私は優等生ではなかったし、どちらかというと問題児だった。
不良というわけではないが、先輩と二人で他校の生徒と盛り場で揉めた事もあれば、あちこちでナンパをして補導された経験もある。
それが今や教師というんだから、人生、わからないものだ。
そして私が空手の大会で好成績をおさめ、その祝いとして先輩から空手部に伝わる秘宝、ブラックサンダーを継承したわけだが。
うーん。
実物を見せてもいいものだろうか?
いくらエロ天使と言えど、ああいった女性の性欲の具現のようなもの見せるというのは、男性からすると嫌悪のもっともたるものだろう。
しかし相手はこの天使……のような小悪魔だ。
案外、興味を示すかもしれない。
「見たいか? 男のお前には刺激が強いかもしれないが」
「……見たいです」
まあこんな聞き方をすれば興味はひかれるだろう。
私はベッドの下にしまってあるファンシーな小物入れを引き出し、そこから何本かあるうちの一本を取り出す。
長い事使っていなかったが、懐かしくも、安心できるフォルムと質感。
私はそれを宮城に見せたのだが、なんと宮城は。
「あ。ブラックサンダー」
は?
宮城の口からまさかの単語が漏れたのだった。
私はキッチンまで行き、飲みなれた酒とハイボール用にストックしてあったジンジャエールを取り出した。
氷を入れたグラスにそれを注ぎ、トレーに乗せベッドへ帰る。
そこには下着もつけずにベッドに座っている男が待っている。
はー。
幸せすぎる。
私はにやけないように気を付けながら、宮城にグラスを渡した。
一方で宮城は私のボトルが気になるらしい。
「先生のはお酒ですか? ウイスキー?」
「さほど強いわけではないさ。すぐに酔えるからという理由だけだ」
眠れない夜には重宝する。
あいにく味がわかるほどの舌はもっていないので高くはない酒だ。
「効率的な考えですね」
「酒飲みからしたら邪道かもな」
味を語るほどの舌にも憧れるが、それはそれで金もかかりそうだしな。
何事もほどほどで満足するのがちょうどいい。
ベッドの上で隣同士になって座り、それぞれのグラスを掲げて乾杯する。
グラスを傾け、落ちてくる氷を押しのけるように酒を流し込むと、口の中に残っていた苦味やノドに絡む感触がアルコールの刺激で流されていく。
一息ついた後、私は宮城に語り始めた。
「アレと出会ったのは高校時代。当時、私は空手部だった。今はもうないがな」
「へぇ」
「ちなみに副顧問は山崎先生だった」
「へぇ……へ?」
まぁ、驚くだろうな。
「私はお前の先輩でもあるんだよ。十年くらい前は生徒としてあの学園に通っていた。いわゆるOGというヤツだ。ほかの者には言うなよ? 別にやましい事ではないが色々と面倒くさい」
私は優等生ではなかったし、どちらかというと問題児だった。
不良というわけではないが、先輩と二人で他校の生徒と盛り場で揉めた事もあれば、あちこちでナンパをして補導された経験もある。
それが今や教師というんだから、人生、わからないものだ。
そして私が空手の大会で好成績をおさめ、その祝いとして先輩から空手部に伝わる秘宝、ブラックサンダーを継承したわけだが。
うーん。
実物を見せてもいいものだろうか?
いくらエロ天使と言えど、ああいった女性の性欲の具現のようなもの見せるというのは、男性からすると嫌悪のもっともたるものだろう。
しかし相手はこの天使……のような小悪魔だ。
案外、興味を示すかもしれない。
「見たいか? 男のお前には刺激が強いかもしれないが」
「……見たいです」
まあこんな聞き方をすれば興味はひかれるだろう。
私はベッドの下にしまってあるファンシーな小物入れを引き出し、そこから何本かあるうちの一本を取り出す。
長い事使っていなかったが、懐かしくも、安心できるフォルムと質感。
私はそれを宮城に見せたのだが、なんと宮城は。
「あ。ブラックサンダー」
は?
宮城の口からまさかの単語が漏れたのだった。
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