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『クラスに舞い降りた天使が小悪魔だった(冬原interval13)』
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『クラスに舞い降りた天使が小悪魔だった(冬原interval13)』
「確かに言われてみればそうだな。妊娠後、半年かそこらで私は大事をとって休職するつもりだったし」
私が休職している間、宮城はまた持て余す、とそう言いたいわけか。
「言っておきますけどボクは一晩、一回や二回で終わりませんよ? その分あたりやすいとも思いますし」
回数でどうにかなるものなのかはともかく……まあ、それはそれでとても歓迎だ。
多分、私の顔はまた赤くなってるいだろう。
普通の感覚で言えば、男は抱かれる立場で常に受け身だし、そもそも女に対してこんなに迫る事などありえない。
相思相愛、無償の愛、一目ぼれ、そういったものはフィクションだ。
宮城だって言い方は悪いがそうだろう。
私を好きと言ってくれる、その言葉と態度が嘘ではない事はわかる。
少なくとも好ましいとは思ってくれている。
だがその根本の目的として、性欲の解消があるんだ。
同じように私だって妊娠という目的がある。
利害の一致を経た上で成り立つ関係であるなら、それがいくら心情的にも快いものであろうと互いのメリットがなければ成立しない。
つまり宮城が学生として在籍している間、私が早く妊娠してしまうというのはフェアじゃない。
宮城がそこまで考えているかはわからないが、私としては最低限この子が望む条件を飲むべきだろう。
だが宮城の出した条件は、そんな私にとってもなかなか厳しいものだった。
「ボクが三年に進級した夏以降、本格的に妊活というのはどうでしょう。それまでは普通の男女として、お互い気持ちいい関係を続けるという事で」
「……三年の夏以降であれば私がすぐに妊娠しても、休学する頃にお前は卒業している、か」
確かにそれであれば、互いの要求を満たしたものになる。
ただしすぐに妊娠すれば、という前提でだ。
「だが、三年の夏以降だと妊活は半年程度なわけだろう」
「そうですね、それくらいでしょうか」
「半年は短い。妊娠に至らない可能性もある以上、できれば少しでも早く……」
わかっている。
これですら願ってもいないほどの好条件である事は。
くだんの三十五歳の男性だって一ヶ月で五回という条件なんだぞ。
対して宮城は半年間、ずっと相手をしてくれるという。
どれほどの贅沢を言っているのも承知している。
だが、私はこのチャンスを逃したくない。
十近い年下のこの子を抱いて妊娠したい。
私を好きと言ってくれる男を抱き、その子供を産んで一生の生き甲斐にしたいと願ってしまったのだ。
そんな切実な願いが顔に出ていたのか、宮城が条件に変更を加えた。
「でしたら期間条件を変えましょう」
「う、うむ。せめて一年は欲しい」
一年あれば確実、そういうわけじゃないが、これ以上を望むと宮城がどこかへ行ってしまいそうだからだ。
「いえ、そうではなくて。ボクが三年生になった夏以降、先生が妊娠するまで関係を継続する、という事でどうですか?」
「……うん? それはつまり……?」
私は少し考え、まさか? と思いながら宮城を見る。
「卒業後も面倒をみてくれるという事か!?」
「就職か進学は決めていませんがボク個人としてはここから遠くへ行くつもりもないですし」
つまり……妊娠するまで付き合ってくれる、そういう事か!?
もちろん妊娠しにくい女もいるし、男にそういった原因がある場合もある。
だが少なくとも妊娠に対する機会そのものが失われるという事はない、そういう事だろうか?
いいのか、そんな? 私にとって都合が良すぎないか!?
私はさっきまで、こんな若い子に相手をしてもらえる事に最高の幸福感を得ていた。
だが、それよりもっと上があるなんて信じられない。
不幸が重なる事はこれまでの人生で何度もあったが、頭がどうにかなりそうなくらい熱くなる幸せが重なる事なんて、この先もうないだろう。
そんな感動の大波で脳がクラクラしている私に宮城は軽い口調でこう笑った。
「そうなったら今日みたいなコソコソ逢引きしなくてもすみますね? あ、ですけど、元教え子と堂々デートは倫理的にマズいです?」
「い、いや、それなら問題ないだろう。それにちょっと……憧れる」
まったく問題がないわけじゃないが、法的に問題はない。
それにそんなシチュエーションに濡れない、いや、憧れない女がいないはずもない。
年の離れた若い男を街中で連れまわす。
なんなら手をつないで? 腕を組んで? 男の胸の中に頭を寄せて? ネオンの光る夜の街を歩きたい。
それに成人すれば一緒に酒も飲める。
若者が集まる賑やかな店もいいが、私としては暗い照明の下、バーカウンターで肩を寄せてグラスに氷を浮かべたいものだ。
まあどこで飲もうが、行き着く先は回転するベッドのある宿泊施設だがな!
「確かに言われてみればそうだな。妊娠後、半年かそこらで私は大事をとって休職するつもりだったし」
私が休職している間、宮城はまた持て余す、とそう言いたいわけか。
「言っておきますけどボクは一晩、一回や二回で終わりませんよ? その分あたりやすいとも思いますし」
回数でどうにかなるものなのかはともかく……まあ、それはそれでとても歓迎だ。
多分、私の顔はまた赤くなってるいだろう。
普通の感覚で言えば、男は抱かれる立場で常に受け身だし、そもそも女に対してこんなに迫る事などありえない。
相思相愛、無償の愛、一目ぼれ、そういったものはフィクションだ。
宮城だって言い方は悪いがそうだろう。
私を好きと言ってくれる、その言葉と態度が嘘ではない事はわかる。
少なくとも好ましいとは思ってくれている。
だがその根本の目的として、性欲の解消があるんだ。
同じように私だって妊娠という目的がある。
利害の一致を経た上で成り立つ関係であるなら、それがいくら心情的にも快いものであろうと互いのメリットがなければ成立しない。
つまり宮城が学生として在籍している間、私が早く妊娠してしまうというのはフェアじゃない。
宮城がそこまで考えているかはわからないが、私としては最低限この子が望む条件を飲むべきだろう。
だが宮城の出した条件は、そんな私にとってもなかなか厳しいものだった。
「ボクが三年に進級した夏以降、本格的に妊活というのはどうでしょう。それまでは普通の男女として、お互い気持ちいい関係を続けるという事で」
「……三年の夏以降であれば私がすぐに妊娠しても、休学する頃にお前は卒業している、か」
確かにそれであれば、互いの要求を満たしたものになる。
ただしすぐに妊娠すれば、という前提でだ。
「だが、三年の夏以降だと妊活は半年程度なわけだろう」
「そうですね、それくらいでしょうか」
「半年は短い。妊娠に至らない可能性もある以上、できれば少しでも早く……」
わかっている。
これですら願ってもいないほどの好条件である事は。
くだんの三十五歳の男性だって一ヶ月で五回という条件なんだぞ。
対して宮城は半年間、ずっと相手をしてくれるという。
どれほどの贅沢を言っているのも承知している。
だが、私はこのチャンスを逃したくない。
十近い年下のこの子を抱いて妊娠したい。
私を好きと言ってくれる男を抱き、その子供を産んで一生の生き甲斐にしたいと願ってしまったのだ。
そんな切実な願いが顔に出ていたのか、宮城が条件に変更を加えた。
「でしたら期間条件を変えましょう」
「う、うむ。せめて一年は欲しい」
一年あれば確実、そういうわけじゃないが、これ以上を望むと宮城がどこかへ行ってしまいそうだからだ。
「いえ、そうではなくて。ボクが三年生になった夏以降、先生が妊娠するまで関係を継続する、という事でどうですか?」
「……うん? それはつまり……?」
私は少し考え、まさか? と思いながら宮城を見る。
「卒業後も面倒をみてくれるという事か!?」
「就職か進学は決めていませんがボク個人としてはここから遠くへ行くつもりもないですし」
つまり……妊娠するまで付き合ってくれる、そういう事か!?
もちろん妊娠しにくい女もいるし、男にそういった原因がある場合もある。
だが少なくとも妊娠に対する機会そのものが失われるという事はない、そういう事だろうか?
いいのか、そんな? 私にとって都合が良すぎないか!?
私はさっきまで、こんな若い子に相手をしてもらえる事に最高の幸福感を得ていた。
だが、それよりもっと上があるなんて信じられない。
不幸が重なる事はこれまでの人生で何度もあったが、頭がどうにかなりそうなくらい熱くなる幸せが重なる事なんて、この先もうないだろう。
そんな感動の大波で脳がクラクラしている私に宮城は軽い口調でこう笑った。
「そうなったら今日みたいなコソコソ逢引きしなくてもすみますね? あ、ですけど、元教え子と堂々デートは倫理的にマズいです?」
「い、いや、それなら問題ないだろう。それにちょっと……憧れる」
まったく問題がないわけじゃないが、法的に問題はない。
それにそんなシチュエーションに濡れない、いや、憧れない女がいないはずもない。
年の離れた若い男を街中で連れまわす。
なんなら手をつないで? 腕を組んで? 男の胸の中に頭を寄せて? ネオンの光る夜の街を歩きたい。
それに成人すれば一緒に酒も飲める。
若者が集まる賑やかな店もいいが、私としては暗い照明の下、バーカウンターで肩を寄せてグラスに氷を浮かべたいものだ。
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