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『クラスに転入してきた少年は天使だった(冬原interval03)』

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『クラスに転入してきた少年は天使だった(冬原interval03)』

翌日。

私はいつものごとく姉活アプリを開いていた。

”いいね”を乱発していた中の一人からメッセージが来ていたのだ。

上手い事やりとりをして会う条件もとりつけられた。

お相手の年はそこそこいっているが、ニンモク(妊娠目的)という条件も加味した上で会ってくれるという男は初めてだし、次の相手はもう見つからない可能性もある。

料金、もとい、お気持ちの方も、一ヶ月以内に五回会ってもらって十万と悪くない。

これは別に相手が私だからこの額というものではないだろう。

この社会、金に苦労する男は少ない。

それゆえ姉活なんかやっている男は直近で金が必要になって仕方なく、というパターンばかりだ。

モタモタしていると他の女にとられてしまうかもしれない。

私はファーストコンタクトの日時を決め、お気持ちは即金全て前払いという条件をつけ、それに相手が了承のメールを送ってきた時だった。

さて、この後は美容院やらなんやらを予約しないとと思っていた時。

「冬原先生、今、よろしいですか?」
「うわっ!? み、宮城か、ど、どうした!?」

いつの間にか宮城が横に立っていた。

その手には昨日の冊子を持っている。

声をかけられた時、とっさにスマホを隠したが見られたか?

つっこまれたらどう誤魔化す? 面倒な事になったなと思っていたが、特にその話題に触れられる事はなかった。

しかし宮城はそれよりも遥かに面倒な事を言い出したのだ。

「昨日はありがとうございました。少しわからない事があったので質問にきたんですけど」

冊子でわからない事があるから教えてほしい、と。

確かに昨日は、あの場の雰囲気と山崎のジイ様の前でもあるので、大人を頼れ、私にまかせろ的な事を言ってカッコつけたが本当に来るとは思わなかった。

山崎にヘルプコールをしようとしたが、何も予定がない日はとっとと帰っているはずなので、この時間には校内にはいないはずだ。

うーん。正直、気乗りはしない。

宮城みたいな美少年と一緒にいるのは全然ウエルカムだが、仕事となると色々な責任が生じる。

「ん、ああ、そうか。しかし山崎先生はもうお帰りになってるし、明日でもいいか?」
「いえ。たびたびお呼びだてするも申し訳ないですし、冬原先生が教えてくだされば」

遠回しに明日にしろと言ったのだが宮城は私でもいいという。

うーむ。

私、実は懐かれてるか?

こんなかわいい男の子に頼られるといのも気分はいい。

本人から申し出ている事だし、少しくらい話を聞くくらいなら問題もおこらんか。

「私はかまんわんが……教師とはいえ女相手にそういった事を話すというのはお前も気にならないか?」
「それはもちろん、誰にでも相談お話できる内容ではないですけど……」

それはそうだろう。

いくら教師相手とはいえ性的な話をするのが女であれば、恥ずかしさもあろう。

「先生であれば他言しないと思いますし、ボクはいつもビシッとしてる先生を尊敬しています」

ヤバイ。

これは懐かれている。

自分でもなぜかわからんが、確実に懐かれているぞ?

信じられん。

この年頃の男の子が、二十半ばの女相手にここまで無防備な笑顔になるか?

周囲の同僚からも信じられないという雰囲気が伝わってくる。

教師として、女として、断れるはずもない。

「そうか! であれば、私にまかせろ、何でも聞くといい!」

しかし、場所はここでというわけにもいかない。

やはり昨日と同じく、か。

「では、生徒指導室でいいか?」
「はい」

職員室から進路指導室へ移動中もこれから密室で女と二人きりになるというのに、まったく緊張した様子もない。

私への信用が痛い。

正直、私は浮かれている部分もある。

普段は立場上、マジマジと見ることのできない宮城のかわゆい顔をこれからゆっくりと拝むことができる。

見るだけで癒される男子とか天使と同義だな。

頼んだらクラスの小娘達のように私とも写真を撮ってくれないだろうか?

いや、さすがにそれはマズいか。

山崎にバレたら殺される。

何事もほどほどに。見極めが肝心だ。

そうして私は進路指導室の鍵を開けた。

さあ、始めよう。

放課後の進路指導室、美少年DKとの二人っきりの特別授業をな!
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