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『冬原、交渉成立』
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『冬原、交渉成立』
「確かに言われてみればそうだな。妊娠後、半年かそこらで私は大事をとって休職するつもりだったし」
「言っておきますけどボクは一晩、一回や二回で終わりませんよ? その分あたりやすいとも思いますし」
回数が確立にからむかどうかはともかく、オレの言葉に先生がゴクリとノドをならなした。
「というわけで、さきほどの期間条件の話ですけど」
「あ、ああ」
「ボクが三年に進級した夏以降、本格的に妊活というのはどうでしょう。それまでは普通の男女として、お互い気持ちいい関係を続けるという事で」
「……三年の夏以降であれば私がすぐに妊娠しても、休学する頃にお前は卒業している、か」
オレからすると相当に勝手な事を言ってる自覚があるが、これを先生が、いや、この世界の女性がどうとらえるか?
先生が考える。
「だが、三年の夏以降だと妊活は半年程度なわけだろう」
「そうですね、それくらいでしょうか」
「半年は短い。妊娠に至らない可能性もある以上、できれば少しでも早く……」
なるほど、その言い分もわかる。
教え子相手にバレたらクビ、さらには未成年略取? などにも問われそうな関係を結ぼうとしているのも全ては妊活の為だ。
それだけのリスクを負った上で、さらに妊娠の確立を小さくするような期間条件は遠慮したいというわけだな。
なら話は簡単。
「でしたら期間条件を変えましょう」
「う、うむ。せめて一年は欲しい」
「いえ、そうではなくて。ボクが三年生になった夏以降、先生が妊娠するまで関係を継続する、という事でどうですか?」
「……うん? それはつまり……?」
少し考えて、先生がハッとする。
「卒業後も面倒をみてくれるという事か!?」
むしろこっちが面倒をみてもらうんだが、先生からするとそうなるのか。
「就職か進学は決めていませんがボク個人としてはここから遠くへ行くつもりもないですし」
前世のように進学していい会社へ、という意識が残っていたが卒業後は就職でも問題ない。
この世界、男は生きやすい。
冊子にあったように子供を認知すればその数だけ国からお金が降りてくるようなイージーさだ。
姉活でも簡単に稼げるだろうし、わざわざ受験をがんばっていい大学、いい仕事につく必要性を感じない。
もっとも、この世界での大学生活にも憧れはあるので決めきれない部分ではある。
例え進学を目指す場合でも真面目に勉強などしたくないので、パッパラパーでもいける大学を狙っていく所存だ。
「そうなったら今日みたいなコソコソ逢引きしなくてもすみますね? あ、ですけど、元教え子と堂々デートは倫理的にマズいです?」
「い、いや、それなら問題ないだろう。それにちょっと……憧れる」
年の離れた若い男を連れまわす。
それが元教師と教え子の関係であれば、実に浪漫溢れる話なんだろう。
「では、そういう事で。期間条件のお話、承諾してもらえますか?」
「ああ。私としてはもう願ったりかなったりでバチがあたりそうだ」
「あたるのは子種だといいですね」
「……」
「……」
夏木さんの時もそうだったが、オレは調子に乗るとつい時を止めてしまう。
ふう、と呆れたようなため息を先生がつき、時が動き出す。
「それは宮城が三年になり、夏になるまで待つさ」
「多分、そうなったら秋には結果が出ると思うので、残念ながら年下の男を連れておおっぴらにデートはできないと思いますよ」
「すごい自信だな。それはそれで頼もしいが」
オレはそれに答えずただ笑った。
今夜、身をもって証明します、という意思を込めて。
「確かに言われてみればそうだな。妊娠後、半年かそこらで私は大事をとって休職するつもりだったし」
「言っておきますけどボクは一晩、一回や二回で終わりませんよ? その分あたりやすいとも思いますし」
回数が確立にからむかどうかはともかく、オレの言葉に先生がゴクリとノドをならなした。
「というわけで、さきほどの期間条件の話ですけど」
「あ、ああ」
「ボクが三年に進級した夏以降、本格的に妊活というのはどうでしょう。それまでは普通の男女として、お互い気持ちいい関係を続けるという事で」
「……三年の夏以降であれば私がすぐに妊娠しても、休学する頃にお前は卒業している、か」
オレからすると相当に勝手な事を言ってる自覚があるが、これを先生が、いや、この世界の女性がどうとらえるか?
先生が考える。
「だが、三年の夏以降だと妊活は半年程度なわけだろう」
「そうですね、それくらいでしょうか」
「半年は短い。妊娠に至らない可能性もある以上、できれば少しでも早く……」
なるほど、その言い分もわかる。
教え子相手にバレたらクビ、さらには未成年略取? などにも問われそうな関係を結ぼうとしているのも全ては妊活の為だ。
それだけのリスクを負った上で、さらに妊娠の確立を小さくするような期間条件は遠慮したいというわけだな。
なら話は簡単。
「でしたら期間条件を変えましょう」
「う、うむ。せめて一年は欲しい」
「いえ、そうではなくて。ボクが三年生になった夏以降、先生が妊娠するまで関係を継続する、という事でどうですか?」
「……うん? それはつまり……?」
少し考えて、先生がハッとする。
「卒業後も面倒をみてくれるという事か!?」
むしろこっちが面倒をみてもらうんだが、先生からするとそうなるのか。
「就職か進学は決めていませんがボク個人としてはここから遠くへ行くつもりもないですし」
前世のように進学していい会社へ、という意識が残っていたが卒業後は就職でも問題ない。
この世界、男は生きやすい。
冊子にあったように子供を認知すればその数だけ国からお金が降りてくるようなイージーさだ。
姉活でも簡単に稼げるだろうし、わざわざ受験をがんばっていい大学、いい仕事につく必要性を感じない。
もっとも、この世界での大学生活にも憧れはあるので決めきれない部分ではある。
例え進学を目指す場合でも真面目に勉強などしたくないので、パッパラパーでもいける大学を狙っていく所存だ。
「そうなったら今日みたいなコソコソ逢引きしなくてもすみますね? あ、ですけど、元教え子と堂々デートは倫理的にマズいです?」
「い、いや、それなら問題ないだろう。それにちょっと……憧れる」
年の離れた若い男を連れまわす。
それが元教師と教え子の関係であれば、実に浪漫溢れる話なんだろう。
「では、そういう事で。期間条件のお話、承諾してもらえますか?」
「ああ。私としてはもう願ったりかなったりでバチがあたりそうだ」
「あたるのは子種だといいですね」
「……」
「……」
夏木さんの時もそうだったが、オレは調子に乗るとつい時を止めてしまう。
ふう、と呆れたようなため息を先生がつき、時が動き出す。
「それは宮城が三年になり、夏になるまで待つさ」
「多分、そうなったら秋には結果が出ると思うので、残念ながら年下の男を連れておおっぴらにデートはできないと思いますよ」
「すごい自信だな。それはそれで頼もしいが」
オレはそれに答えずただ笑った。
今夜、身をもって証明します、という意思を込めて。
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