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『冬原の難易度』
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『冬原の難易度』
「さて。昨日の説明でわかりにくかった所があったか?」
進路指導室のカギを開けながら先生がオレにたずねかける。
「そうですね……わからない所というか、ボクの個人的な問題というか」
「ふむ。ま、ゆっくり聞こう。入れ」
「失礼します」
そうして昨日のように先生の前に座る。
「それで?」
「……こんな事を話すのは初めての事でとても恥ずかしいんですけれど……これからお話する事、先生は他人に言ったりしませんよね?」
まるで先生を疑うような物言いだ。
これは怒られるかもしれないなと思いながら、必要な前振りなので確認しておく。
「当たり前だ。大丈夫、絶対に他言しない。恥ずかしいかもしれないが、他人に話す事で開ける事もある。安心しろ、私でよければ力になる」
頼りになる声と微笑みを向けてくる。
まさに教師の鑑。
実年齢的には年下ながらも尊敬してしまう。
そんな生徒思いの先生をこれから手段を選ばずセフレにしようというクズがオレである。
「実はボク……」
「うむ」
「人と比べて性欲が強いみたいなんです。それでどう発散したらいかと……」
「うむ、性欲がな」
ふむふむと腕を組んだままうなずく先生。
む、手ごわい。
夏木さんがイージーなら、冬原先生はハードか?
夏木さんの時のように初手でスキを作って勢いで流れに持っていくつもりだったが、そう簡単にはいかないようだ。
「それでですね」
「……」
「冬原先生?」
ウンウンとうなずいていた先生が動きを止めていた。
「宮城」
「はい」
「今、なんと言った?」
「ですから性欲が人より強くて困っているんです」
先生がスッと立ち上がる。
そして背中を見せながら、ふう、とため息をついて。
「先生をからかうものじゃないぞ?」
冗談の類と思われているのか。
いや、本当にそう思っているなら怒られているだろう。
半信半疑といったところか。
「先生……!」
オレは真剣な口調で、再度先生に詰め寄った。
「こんな事、冗談で言えません。本当に性欲をもてあまして困っているんです」
「むむ、むむむ」
うなるようにして先生がこちら向く。
「そういう話であれば、やはり養護教諭の山崎先生の方が適任じゃないか? 私は女だし、その、具体的にどういたせばいいのかという指導はやはり同性でないと……」
どういたす、とか言い出したよ、この人。
「いえ。そういう……自分でどうこうというのは色々と試したんですけど」
「試したのか!? あ、いや、スマン、そうだな。宮城も男とは言え、健康な年頃の若者だしな、うんうん、自然な事だぞ!」
やたら過剰な反応を見せる先生。
なんでだ?
「さて。昨日の説明でわかりにくかった所があったか?」
進路指導室のカギを開けながら先生がオレにたずねかける。
「そうですね……わからない所というか、ボクの個人的な問題というか」
「ふむ。ま、ゆっくり聞こう。入れ」
「失礼します」
そうして昨日のように先生の前に座る。
「それで?」
「……こんな事を話すのは初めての事でとても恥ずかしいんですけれど……これからお話する事、先生は他人に言ったりしませんよね?」
まるで先生を疑うような物言いだ。
これは怒られるかもしれないなと思いながら、必要な前振りなので確認しておく。
「当たり前だ。大丈夫、絶対に他言しない。恥ずかしいかもしれないが、他人に話す事で開ける事もある。安心しろ、私でよければ力になる」
頼りになる声と微笑みを向けてくる。
まさに教師の鑑。
実年齢的には年下ながらも尊敬してしまう。
そんな生徒思いの先生をこれから手段を選ばずセフレにしようというクズがオレである。
「実はボク……」
「うむ」
「人と比べて性欲が強いみたいなんです。それでどう発散したらいかと……」
「うむ、性欲がな」
ふむふむと腕を組んだままうなずく先生。
む、手ごわい。
夏木さんがイージーなら、冬原先生はハードか?
夏木さんの時のように初手でスキを作って勢いで流れに持っていくつもりだったが、そう簡単にはいかないようだ。
「それでですね」
「……」
「冬原先生?」
ウンウンとうなずいていた先生が動きを止めていた。
「宮城」
「はい」
「今、なんと言った?」
「ですから性欲が人より強くて困っているんです」
先生がスッと立ち上がる。
そして背中を見せながら、ふう、とため息をついて。
「先生をからかうものじゃないぞ?」
冗談の類と思われているのか。
いや、本当にそう思っているなら怒られているだろう。
半信半疑といったところか。
「先生……!」
オレは真剣な口調で、再度先生に詰め寄った。
「こんな事、冗談で言えません。本当に性欲をもてあまして困っているんです」
「むむ、むむむ」
うなるようにして先生がこちら向く。
「そういう話であれば、やはり養護教諭の山崎先生の方が適任じゃないか? 私は女だし、その、具体的にどういたせばいいのかという指導はやはり同性でないと……」
どういたす、とか言い出したよ、この人。
「いえ。そういう……自分でどうこうというのは色々と試したんですけど」
「試したのか!? あ、いや、スマン、そうだな。宮城も男とは言え、健康な年頃の若者だしな、うんうん、自然な事だぞ!」
やたら過剰な反応を見せる先生。
なんでだ?
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