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『冬原のスマホに映る男の影』
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『冬原のスマホに映る男の影』
翌日。
待ちに待った放課後。
例の冊子を手に、オレは職員室へと向かった。
ノックの後、職員室に入り先生の座る席へと歩み寄る。
何かを見てうんうんとうなっているせいか、横についてもオレに気づく様子がない。
「どうしようかなぁ。けど、五回で十万はお得だよなぁ。少しおじさんだし、リードしてくれるかもしれないし……」
なにやら深刻そうな顔だが、見ていたのはスマホの画面だ。
チラリと見た限り、男の写真が映し出されてい。
儚く散った前世のオレと同じぐらいの似姿だ。三十代半ば頃だろうか。
……もしや彼氏?
少々、年が離れているがない事もないだろう。
特にこの世は男が少ない世界。
前世よりも女性側の許容範囲も広くなっているはずだ。
追及したいのを我慢しつつ、オレはうなり続ける先生に声をかけた。
「冬原先生、今、よろしいですか?」
「うわっ!? み、宮城か、ど、どうした!?」
慌ててスマホを隠す先生に例の冊子を見せるオレ。
「昨日はありがとうございました。少しわからない事があったので質問にきたんですけど」
「ん、ああ、そうか。しかし山崎先生はもうお帰りになってるし、明日でもいいか?」
「いえ。たびたびお呼びだてするも申し訳ないですし、冬原先生が教えてくだされば」
先生はちょっと驚いた顔になった後。
「私はかまんわんが……教師とはいえ女相手にそういった事を話すというのはお前も気にならないか?」
「それはもちろん、誰にでも相談お話できる内容ではないですけど……」
ここだ。
オレは今日の授業中、夏木さんのスカートにちょっかいを出すこともひかえてずっと作戦を練っていたのだ。
脳内シミュレーションは何度も繰り返した。
その成果を今、見せる時!
「先生であれば他言しないと思いますし、ボクはいつもビシッとしてる先生を尊敬しています」
「そうか! であれば、私にまかせろ、何でも聞くといい!」
ちょっと露骨すぎるお世辞かと思ったが、うまくいった。
昨日の山崎先生とのやりとりを見て思ったのは、この先生はワリとゆるい。
立場上しっかりしなければという事と、本来の自分を隠すために普段は過剰に厳しい雰囲気を意識しているんだろう。
だとすれば。
教え子の美少年(オレの事だぞ)が自分を頼ってきて、あまつさえ尊敬していると言われればどうだ?
前世の世界であれば美少女JKが若い担任の男子教師に頼るようなものだ。
しかもこの世界の男子は数が少ないうえ、トラブルを起こす者も多いと聞いた。
昨日の話の中で、オレはいい子らしい。
いい子で美少年。
ゆえに断れるはずもないし、断られるはずもない、最初からわかりきった結果だった。
「では、生徒指導室でいいか?」
「はい」
さあ、始めよう。
放課後の進路指導室、美人体育教師と二人っきりの特別授業をな!
翌日。
待ちに待った放課後。
例の冊子を手に、オレは職員室へと向かった。
ノックの後、職員室に入り先生の座る席へと歩み寄る。
何かを見てうんうんとうなっているせいか、横についてもオレに気づく様子がない。
「どうしようかなぁ。けど、五回で十万はお得だよなぁ。少しおじさんだし、リードしてくれるかもしれないし……」
なにやら深刻そうな顔だが、見ていたのはスマホの画面だ。
チラリと見た限り、男の写真が映し出されてい。
儚く散った前世のオレと同じぐらいの似姿だ。三十代半ば頃だろうか。
……もしや彼氏?
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特にこの世は男が少ない世界。
前世よりも女性側の許容範囲も広くなっているはずだ。
追及したいのを我慢しつつ、オレはうなり続ける先生に声をかけた。
「冬原先生、今、よろしいですか?」
「うわっ!? み、宮城か、ど、どうした!?」
慌ててスマホを隠す先生に例の冊子を見せるオレ。
「昨日はありがとうございました。少しわからない事があったので質問にきたんですけど」
「ん、ああ、そうか。しかし山崎先生はもうお帰りになってるし、明日でもいいか?」
「いえ。たびたびお呼びだてするも申し訳ないですし、冬原先生が教えてくだされば」
先生はちょっと驚いた顔になった後。
「私はかまんわんが……教師とはいえ女相手にそういった事を話すというのはお前も気にならないか?」
「それはもちろん、誰にでも相談お話できる内容ではないですけど……」
ここだ。
オレは今日の授業中、夏木さんのスカートにちょっかいを出すこともひかえてずっと作戦を練っていたのだ。
脳内シミュレーションは何度も繰り返した。
その成果を今、見せる時!
「先生であれば他言しないと思いますし、ボクはいつもビシッとしてる先生を尊敬しています」
「そうか! であれば、私にまかせろ、何でも聞くといい!」
ちょっと露骨すぎるお世辞かと思ったが、うまくいった。
昨日の山崎先生とのやりとりを見て思ったのは、この先生はワリとゆるい。
立場上しっかりしなければという事と、本来の自分を隠すために普段は過剰に厳しい雰囲気を意識しているんだろう。
だとすれば。
教え子の美少年(オレの事だぞ)が自分を頼ってきて、あまつさえ尊敬していると言われればどうだ?
前世の世界であれば美少女JKが若い担任の男子教師に頼るようなものだ。
しかもこの世界の男子は数が少ないうえ、トラブルを起こす者も多いと聞いた。
昨日の話の中で、オレはいい子らしい。
いい子で美少年。
ゆえに断れるはずもないし、断られるはずもない、最初からわかりきった結果だった。
「では、生徒指導室でいいか?」
「はい」
さあ、始めよう。
放課後の進路指導室、美人体育教師と二人っきりの特別授業をな!
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