67 / 415
『女教師と放課後の特別授業 with おじいちゃん先生』
しおりを挟む
『女教師と放課後の特別授業 with おじいちゃん先生』
そんなわけでやってきました、進路指導室。
とはいえ、普通の教室だ。
プレートだけが『進路指導室』となっているだけで、机の数など普通教室と同様。
で、そんな広い空間の中、教壇の側の最前席に机が四つくっつけられている。
二つずつが向かい合わせになるように配置されていて冬原先生が座っていた。
その隣には白衣を着た初対面のおじいちゃんがいる。
「来たか、宮城。すまんな、すぐに終わる。座れ」
冬原先生が教室に入ってきたオレを手招きする。
「失礼します」
一言ことわってから冬原先生の前に座ると、見知らぬおじいちゃんが、ほう? という顔になった。
冬原先生も、え? みたいな顔になる。
なに? どういう反応?
「えっと……あの、ボク、なにか?」
これまでの先生の口調や雰囲気からして、知らぬ間にオレが何かやらかしたというわけではなさそうたが、一応おとなしくしておく。
「いや、別に宮城が何かしたとかそういう話じゃない。今回は一応、念のための再確認というかだな」
「……はあ?」
冬原先生にしては妙に歯切れが悪い。
「冬原先生。ワシから説明しようかね」
「あ、はい。お願いします」
冬原先生がゆずるようにして、隣のおじいちゃんを見る。
「宮城君だったな。ワシは養護教諭の山崎という。いわゆる保健の先生じゃな」
「あ、初めまして、よろしくお願いします」
かしこまって挨拶したものの、なんとも微妙な空気になる。
しかし、ほかに言いようもない。
「冬原先生が言いよどんでいるのは特別授業に関してだ。前の学校でも受けているとは思うが、一応は決まりでな? 今日は少しばかり時間をとってもらったというわけだ」
「そうでしたか。ボク一人のためにありがとうございます」
特別授業がなんだかよくわからないが、自分のためにこうして今、冬原先生と保険の先生が時間をさいてくれているという事はわかる。
「ふむ。なかなかに礼儀正しい、というのも君に失礼か。しかし素直な若者というのは好感がもてますな、冬原先生」
「ええ、問題を起こす男子生徒も少なくない中、宮城は他の生徒の模範にもなりえるかと思います」
……別にオレは特に何かした記憶はないが、やたらと良い印象を先生たちに与えていたらしい。
逆にこの口ぶりから一般的な男子生徒というのは少々厄介な面もあるという事だろう。
そりゃ男ってだけでチヤホヤされたりすれば付け上がったりはするだろうしな、わからん事もない。
あと夏木さんとの会話の節々からもわかるように、男は基本敵的に女を嫌っているという世界でもあるし。
ま、いろいろとあるんだろう。
「それで、ええと。特別授業というのはなんでしょう?」
「授業とはいえ簡単な確認と説明をするだけだ。前の学校で受けたものと同じだよ」
ここで冬原先生に、受けてないです、というとややこしい事になりそうなので黙ってうなずく。
「山崎先生、お願いします」
「うむ。では宮城君。この冊子を」
「あ、はい」
生徒手帳と同じサイズの冊子を受け取る。
タイトルは”性と妊娠と認知について”とあった。
そんなわけでやってきました、進路指導室。
とはいえ、普通の教室だ。
プレートだけが『進路指導室』となっているだけで、机の数など普通教室と同様。
で、そんな広い空間の中、教壇の側の最前席に机が四つくっつけられている。
二つずつが向かい合わせになるように配置されていて冬原先生が座っていた。
その隣には白衣を着た初対面のおじいちゃんがいる。
「来たか、宮城。すまんな、すぐに終わる。座れ」
冬原先生が教室に入ってきたオレを手招きする。
「失礼します」
一言ことわってから冬原先生の前に座ると、見知らぬおじいちゃんが、ほう? という顔になった。
冬原先生も、え? みたいな顔になる。
なに? どういう反応?
「えっと……あの、ボク、なにか?」
これまでの先生の口調や雰囲気からして、知らぬ間にオレが何かやらかしたというわけではなさそうたが、一応おとなしくしておく。
「いや、別に宮城が何かしたとかそういう話じゃない。今回は一応、念のための再確認というかだな」
「……はあ?」
冬原先生にしては妙に歯切れが悪い。
「冬原先生。ワシから説明しようかね」
「あ、はい。お願いします」
冬原先生がゆずるようにして、隣のおじいちゃんを見る。
「宮城君だったな。ワシは養護教諭の山崎という。いわゆる保健の先生じゃな」
「あ、初めまして、よろしくお願いします」
かしこまって挨拶したものの、なんとも微妙な空気になる。
しかし、ほかに言いようもない。
「冬原先生が言いよどんでいるのは特別授業に関してだ。前の学校でも受けているとは思うが、一応は決まりでな? 今日は少しばかり時間をとってもらったというわけだ」
「そうでしたか。ボク一人のためにありがとうございます」
特別授業がなんだかよくわからないが、自分のためにこうして今、冬原先生と保険の先生が時間をさいてくれているという事はわかる。
「ふむ。なかなかに礼儀正しい、というのも君に失礼か。しかし素直な若者というのは好感がもてますな、冬原先生」
「ええ、問題を起こす男子生徒も少なくない中、宮城は他の生徒の模範にもなりえるかと思います」
……別にオレは特に何かした記憶はないが、やたらと良い印象を先生たちに与えていたらしい。
逆にこの口ぶりから一般的な男子生徒というのは少々厄介な面もあるという事だろう。
そりゃ男ってだけでチヤホヤされたりすれば付け上がったりはするだろうしな、わからん事もない。
あと夏木さんとの会話の節々からもわかるように、男は基本敵的に女を嫌っているという世界でもあるし。
ま、いろいろとあるんだろう。
「それで、ええと。特別授業というのはなんでしょう?」
「授業とはいえ簡単な確認と説明をするだけだ。前の学校で受けたものと同じだよ」
ここで冬原先生に、受けてないです、というとややこしい事になりそうなので黙ってうなずく。
「山崎先生、お願いします」
「うむ。では宮城君。この冊子を」
「あ、はい」
生徒手帳と同じサイズの冊子を受け取る。
タイトルは”性と妊娠と認知について”とあった。
32
お気に入りに追加
854
あなたにおすすめの小説
シン・三毛猫現象 〜自然出産される男が3万人に1人の割合になった世界に帰還した僕はとんでもなくモテモテになったようです〜
ミコガミヒデカズ
ファンタジー
気軽に読めるあべこべ、男女比モノです。
以前、私がカクヨム様で書いていた小説をリメイクしたものです。
とあるきっかけで異世界エニックスウェアに転移した主人公、佐久間修。彼はもう一人の転移者と共に魔王との決戦に挑むが、
「儂の味方になれば世界の半分をやろう」
そんな魔王の提案に共に転移したもう一人の勇者が応じてしまう。そんな事はさせないと修は魔王を倒そうとするが、事もあろうに味方だったもう一人の勇者が魔王と手を組み攻撃してきた。
瞬間移動の術でなんとか難を逃れた修だったが、たどり着いたのは男のほとんどが姿を消した異世界転移15年後の地球だった…。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界に来たのでVtuberになろうかと思う
月乃糸
大衆娯楽
男女比が1:720という世界に転生主人公、都道幸一改め天野大知。 男に生まれたという事で悠々自適な生活を送ろうとしていたが、ふとVtuberを思い出しVtuberになろうと考えだす。 ブラコンの姉妹に囲まれながら楽しく活動!
男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る
電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。
女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。
「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」
純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。
「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる