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『女教師と放課後の特別授業 with おじいちゃん先生』

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『女教師と放課後の特別授業 with おじいちゃん先生』

そんなわけでやってきました、進路指導室。

とはいえ、普通の教室だ。

プレートだけが『進路指導室』となっているだけで、机の数など普通教室と同様。

で、そんな広い空間の中、教壇の側の最前席に机が四つくっつけられている。

二つずつが向かい合わせになるように配置されていて冬原先生が座っていた。

その隣には白衣を着た初対面のおじいちゃんがいる。

「来たか、宮城。すまんな、すぐに終わる。座れ」

冬原先生が教室に入ってきたオレを手招きする。

「失礼します」

一言ことわってから冬原先生の前に座ると、見知らぬおじいちゃんが、ほう? という顔になった。

冬原先生も、え? みたいな顔になる。

なに? どういう反応?

「えっと……あの、ボク、なにか?」

これまでの先生の口調や雰囲気からして、知らぬ間にオレが何かやらかしたというわけではなさそうたが、一応おとなしくしておく。

「いや、別に宮城が何かしたとかそういう話じゃない。今回は一応、念のための再確認というかだな」
「……はあ?」

冬原先生にしては妙に歯切れが悪い。

「冬原先生。ワシから説明しようかね」
「あ、はい。お願いします」

冬原先生がゆずるようにして、隣のおじいちゃんを見る。

「宮城君だったな。ワシは養護教諭の山崎という。いわゆる保健の先生じゃな」
「あ、初めまして、よろしくお願いします」

かしこまって挨拶したものの、なんとも微妙な空気になる。

しかし、ほかに言いようもない。

「冬原先生が言いよどんでいるのは特別授業に関してだ。前の学校でも受けているとは思うが、一応は決まりでな? 今日は少しばかり時間をとってもらったというわけだ」
「そうでしたか。ボク一人のためにありがとうございます」

特別授業がなんだかよくわからないが、自分のためにこうして今、冬原先生と保険の先生が時間をさいてくれているという事はわかる。

「ふむ。なかなかに礼儀正しい、というのも君に失礼か。しかし素直な若者というのは好感がもてますな、冬原先生」
「ええ、問題を起こす男子生徒も少なくない中、宮城は他の生徒の模範にもなりえるかと思います」

……別にオレは特に何かした記憶はないが、やたらと良い印象を先生たちに与えていたらしい。

逆にこの口ぶりから一般的な男子生徒というのは少々厄介な面もあるという事だろう。

そりゃ男ってだけでチヤホヤされたりすれば付け上がったりはするだろうしな、わからん事もない。

あと夏木さんとの会話の節々からもわかるように、男は基本敵的に女を嫌っているという世界でもあるし。

ま、いろいろとあるんだろう。

「それで、ええと。特別授業というのはなんでしょう?」
「授業とはいえ簡単な確認と説明をするだけだ。前の学校で受けたものと同じだよ」

ここで冬原先生に、受けてないです、というとややこしい事になりそうなので黙ってうなずく。

「山崎先生、お願いします」
「うむ。では宮城君。この冊子を」
「あ、はい」

生徒手帳と同じサイズの冊子を受け取る。

タイトルは”性と妊娠と認知について”とあった。
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