【R18】転生先は男女比１：３０の貞操逆転世界～ビッチを夢見る三十路の魂～

『戻れないほど染められて（夏木after３）』

『戻れないほど染められて（夏木after３）』

周囲の通行人が何事かと視線を向けてくるが、アタシはつとめて平気な顔で立ち上がる。

すると通行人たちも興味を失ったように立ち去って行った。

……あのバカ、信じられねぇ！

アタシは周囲をにらみつけるようにして宮城の姿を探す。

絶対にアタシが見える場所にいる。

だって今もこうして。

「……んんんっ」

アイツに言われた通りに入れて来たローターがオンになったままだ。

どこでこんなもん買ってきたは知らないが、コレをアタシに渡してきたときの笑顔は今でもよく覚えている。

その場で実演して使い方まで丁寧に教えてくれたよ、あのクソ野郎は。

無線式のリモコンで、そこそこの距離まで届くんだと嬉しそうに解説してくれたよ。

そのリモコン？

アイツが持ってるに決まってんだろーが！

……まぁ、そんなローターを入れてこいと言われて素直に入れてくるアタシもたいがいなんだが。

けど、こんな街中で？

しかもいきなり”強”とか、本気で信じられねぇ！

さすがにこんな人目の多い場所に立ってられない。

コーヒーショップから少し離れて、店の陰になっている場所へと移動する。

しばらくしてローターがオフになった。

「……くそっ。絶対に遊んでやがる……」

アタシは待ち合わせ場所を見る。

宮城の姿はない。

だが絶対に見ている。

見ているからローターがオフになった。

つまり。

「出てこいって事か……クソが、やってやるよ」

人の目が多い所でアタシが悶えるのを見て楽しみたい。

今日の趣旨はそんな所だろ？

わかってんよ、もう付き合いも長くなったし、お前が変態だって事も充分に承知している。

せめて、人目ですぐにアタシとわからないように、いつもの違う恰好をさせた所がアイツの優しさ……なわけねぇな。

アタシは待ち合わせ場所であるコーヒーショップの前に戻る。

「……んん」

すぐにローターのスイッチがオンになった。

くるとわかっていれば耐えられる。

アタシは平気な振りで立ち続ける。

ふと、今ので服が乱れてないか気になった。

いつもはこんな短い丈のものなんてはかないから、どうにも心地悪い。

ずりあがっていたり、めくれあがっていたりしないだろうか？

背を向けていたコーヒーショップに向かい合う。

大きなガラス張りの壁に映ったアタシは長い”黒髪”をツインテールにして、タンクトップとホットパンツなんていう最高にチャラい恰好をしていた。

いつもは制服でおさえるようにしている胸が、今は隠しようもなく形をさらしているのだから。