【R18】転生先は男女比１：３０の貞操逆転世界～ビッチを夢見る三十路の魂～

『幕間・アダルトショップに行ってみよう！（前）』

『幕間・アダルトショップに行ってみよう！（前）』

ある日の夕方。

オレはこの世界に来てからずっと行きたかった場所に来ていた。

「ここがこの世界の大人のお店、つまりはアンダルトォショップ」

ここは学校から最も近い駅の商店街。

電車通学の生徒が利用する駅の為、母校、山崎学園の生徒たちの数も多い。

地元密着型の商店街という感じで雑多でありながらも親しみやすい喧噪であふれている。

前世でも学校の帰り道にちょくちょく酔っていた、馴染みのある場所だ。

ただ、男女比率の影響だろう。

あったはずの店がなくなり、見た事のない店も多々ある。

顔見知りだった男性店員なども女性に代わっているし、知っている店なのに知らない場所。

そんな奇妙な馴染みを感じる騒がしい商店街の裏手に回り、少し歩く。

暗い裏路地の先にこの店はある。

いかにもな店構えの大人のお店。

本来ならば店内が見えるだろうガラス貼りの壁には、セクシーなポスターやら、いかがわしいグッズの告知が張り巡らせてあり、中の様子をうかがう事はできない。

「まさにお手本みたいなお店だね」

昨今、アダルトショップというはここまでいかにもな雰囲気を漂わせていないものだ。

目立たない場所という立地からして古くからある個人営業の店というカンジだろうか。

前世でもこの店の存在は知っていたが入った事は無かった。

こちらの世界にもあって良かったな。

「では、お邪魔いたしましょう」

オレは堂々と自動ドアをくぐり、店内へと入った。

店内に入った途端、カウンターにいた店員さんがチラリとこちらを見た。

目が合ったのはおばあちゃん店員だった。

あらあら、といった顔をされたが、別段追い出されるという事はないようだ。

さすがに学生服は来ていないが、見た目からして成人しているかはきわどいはずだ。

帽子をまぶかにかぶっているという事から、店のおばちゃんも若い衝動を察してくれて、見ぬふりをしてくれたのだろう。

オレは軽く頭をさげて、店内の物色を始める。

時間的にはまだ早いのか、それともいつもこんなものなのだろうか。

それなりに広い店内で商品の量も多いが、客の姿は数人しかいない。

ＤＶＤを見ている人が二人、本のコーナーに一人、大人のオモチャコーナーに一人。

全員、スーツ姿のおばさんだった。

前世で言えば会社帰りのサラリーマンといった風体だろうか。

オレはそんな客たちの背中を通り抜けて、目的地であるオモチャコーナーへ足を向けた。

「……んー」

先客は電動バイブを物色中だ。

手にしているのは、なかなかえぐい形と大きさである。

少なくとも夏木さんに使おうという気にならない。

あんなものに慣れられては、息子さんがお邪魔しているのにもかかわらず、「早く挿れて」とか言われかねない。

そんな事を言われたらオレは絶望して不登校になってしまう。

「ブラックサンダーの新型出が出てるけど、名機の最新シリーズとはいえ今時有線はとりまわしがねぇ。かといって充電バッテリー式はすぐ熱くなるし、乾電池タイプは稼働時の独特な臭いが苦手だしなぁ」

なかなかお詳しい様子。

興味はひかれるが、まさか教えを請うわけにもいかない。

在野にて、かくも優れた御仁が名を馳せる事なくも日々精進しておられる。

オレも負けてはいられないな。