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『夏木、若い悩みと不安』

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『夏木、若い悩みと不安』

スカートをめくりあげていくと真っ白な太ももが目に入る。

黒いシルクのショーツは濡れて夕陽を照り返し、ベッドのシーツには大きな染みを作っていた。

「……ああぁ……」
「うわぁ、大洪水」

夏木さんが顔を赤らめてうつむくのと対照的にオレは大興奮だ。

たったあれだけで、こうも濡れるものなのかと感心するほど。

「見るなよぉ……」

あまり夏木さんを恥ずかしがらせるのもかわいそうだ。

オレはつとめて平然と、当たり前のな口調で夏木さんをさとす。

「生理現象だよ? なんだっけ? 時別な授業で習ったでしょ?」
「け、けどこうやって見られると……」
「人によってはほとんど濡れない人もいるからね? そういう人はローションとか用意しないとダメだから大変なんだよ?」
「なら……アタシ、変、じゃないか?」

思春期、もしくは若い子にあるあるの自分が他人と違うんじゃなかって不安になるやつだね。

特に性的な悩みは他人にも相談しにくい。

オレも前世では似たような事を体験済みだし、当時は深刻な悩みだった。

それを異性に見られたりすれば、さぞ不安になるだろう。

だが年をとってから考えると、当時の悩みなんて我が事ながらかわいかったと思うような内容だ。

こういう時、かけてあげる言葉は一つ。

自信をもって大丈夫だと言ってあげる事。

だが。

何度も言うがオレはビッチなので、エッチな言い方を意識しつつ不安を払拭させてあげる方向に走る。

「ボクは夏木さんが濡れ濡れエッチちゃんで嬉しいなぁ」
「……やっぱり、アタシ、おかしいのか……」

しまった。

本意が伝わってない。

「おかしくないよ? だってボクを考えて、ボクに触れられて、こんなに悦んでくれたって事でしょ? 」
「……う、うん。けど、こんなに……みっともない……」

自分で作った染みを見て夏木さんが、おもらしをしたかのような錯覚に陥っているらしい。

「それに汚いだろ? 男は女の……こういうの不潔に思うんだろ?」
「……なるほど、そういう視点」

オレはポンと手を打った。

「え?」
「ううん、こっちの話」

女の愛液、イコール、不純物。

そういう感性か。

だから、さっきから見るな触るなと言っていたわけだけね。

確かに体液なんてどれも清潔なものとは言い難いが、精液何てものを口に吐き出されている夏木さんにそうわれると、こちらの立つ瀬がない。

「別になんとも思わないよ?」
「……そ、そうなのか? んんっ」

右手で拘束していた夏木さんの両手を開放してあげつつ、左手でスカートをまくったままのオレはフリーになった右手の指先を黒いショーツへ滑らせた。

とっさに下を見ようとした夏木さん。

「顔はこっち」
「そ、そんなら見つめられると……恥ずかしいんだよ」

夏木さんの顔がまた赤くなっていく。

「恥ずかしい? あー、美少年にエッチされると思うと恥ずかしい?」
「そ、そういう意味じゃなくて! ……そ、それもあるけど!」

言わなくていい事を言ってしまう夏木さんは、今日も正直である。

「じゃあ、二人で大人になろっか」

バカみたいなセリフだ。

それをシラフで言えるのが若さと勢い。

「う、うん」

だが場の空気というのはあなどれない。

まるで愛の告白を受けたかのように乙女な反応を返す夏木さんである。

オレは彼女の手を再びとり、抱き寄せてキスをした。
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